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当ページでは、労働保険の年度更新手続の流れ、注意点を解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′) / 榊原行政書士事務所 代表行政書士 / 3級FP技能士 / やぎ座のO型 / 趣味は写真を撮ること、神社をめぐること
労働保険の年度更新の流れ
労働保険の年度更新とは、前年度の保険料を精算する手続をいいます。
具体的には、前年度分の確定保険料、新年度分の概算保険料について申告・納付を行います。
- 賃金集計表の作成
- 申告書類の作成
- 提出、納付
1.賃金集計表の作成
賃金集計表とは、「確定保険料算定基礎賃金集計表」のことを指し、労働保険の確定保険料を算出するために必要なものです。
賃金集計表は提出資料ではありませんが、申告書類の作成時に使用し、他の申告書類と併せて事業所に保管します。
2.申告書類の作成
毎年5月から6月になると、労働基準監督署より申告書類が送付されます。
申告書には、自社の法人番号、労働保険番号、労働保険料率等が記載されていることを確認し、作成を行います。
2-1.労働保険概算保険料申告書の作成方法
労働保険概算保険料申告書とは、対象年度に労働者に支払う賃金総額の見込額を記入します。
- 会社情報
- 成立届を提出した際に発行される労働保険番号
- 常時雇用する従業員数
- 雇用保険に加入している従業員数
- 算定期間
- 労災保険料、雇用保険料の合計額
2-2.概算保険料とは
概算保険料とは、次年度に支払う保険料を前払するために算出するものをいいます。
事業開始時、年度はじめに、当該年度に支払う賃金総額の見込額に保険料率をかけて算出します。
見込額は、前年度の賃金総額をもとに算出するため、実際の支払金額と異なる場合、確定保険料の支払時に調整します。
2-3.確定保険料算定基礎賃金集計表の作成方法
確定保険料算定基礎賃金集計表は、下記の流れで作成します。
- 労災保険・雇用保険の加入人数、賃金を集計
- 賃金総額に含まれる項目の確認
集計表の作成には、前年度の賃金台帳を使用します。
3.提出、納付
作成・算出した書類・保険料について、下記のいずれかに提出・納付します。
- 金融機関
- 労働基準監督署
- 労働局
- 社会保険・労働保険徴収事務センター
一元適用事業、二元適用事業の区別により、提出先が異なる点に注意しましょう。
年度更新では、本年度の概算保険料を前払するとともに、前年度分の給与総額実績から算出した確定保険料と概算保険料に基づく過不足清算を行います。
3-1.提出期限
労働保険概算保険料申告書・確定保険料申告書の提出先は、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署等です。
提出期限は、6月1日から7月10日までです。
労働保険の年度更新時の注意点
労働保険の年度更新時において、下記に注意しましょう。
- 労働保険の対象賃金
- 保険料の追徴金
- 保険料率の改定
1.労働保険の対象賃金
労働保険の対象賃金には、賞与、通勤手当等が含まれる一方、傷病手当や出張旅費等は含まれません。
対象となる賃金を事前に確認しましょう。
また、複数事業を展開している場合、事業ごとに保険料を計算しなければなりません。
業種ごとに労働保険料率が異なる点に注意しましょう。
2.保険料の追徴金
事業主の申告内容に漏れ・誤りがあった場合、追徴金が科される可能性があります。
加入義務があるにも関わらず、手続を怠っている場合、遡って納付する必要があるだけでなく、ばっちり追徴金が発生するほか、労災発生時には費用の一部 または 全部を負担することになりかねません。
3.保険料率の改定
労災保険料率は、原則、3年に1度改定されますが、例外年度もあります。
申告の際は最新情報を確認ましょう。
ただでさえ複雑な計算を要しますので、早めに準備をオススメします。
労働保険の年度更新手続、注意点を解説
当ページでは、労働保険の年度更新手続、注意点を解説しました。