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当ページでは、勤怠管理の注意点を解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
タイムカードのない職場の違法性
タイムカードとは、従業員等の始業・就業時刻を記録するものをいい、使用者は、法律により「労働者の労働時間を把握する義務」を負います(労働安全衛生法第66条)
ただ、タイムカードがなくても、違法ではありません。
なぜなら、タイムカードは労働時間を把握する手段の1つだからです。
タイムカードがあっても違法になる場合
使用者が労働時間を把握するため、タイムカードを使用している場合でも、違法になる場合があります。
1.使用者による記録改ざん
使用者が、労働者の勤怠時間を改ざんするのは違法です。
残業代の支払義務を免れるための改ざんの場合、労働基準法により、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります(労働基準法第37条)
これに加え、未払残業代と、未払代金と同一額を加算した金額を、違反から5年以内に支払わなければならない場合もあります(労働基準法第114条)
残業時間は、1日単位、1分刻みで記録する必要があるため、15分・30分未満の端数を切り捨てる等の行為は改ざんとみなされる可能性があることに注意です。
2.労働者による記録改ざん
労働者がタイムカードの打刻時間を改ざんする場合、刑法に定める「詐欺行為」に該当することがあります。
例えば、打刻を忘れたと装い、実際よりも長い就労時間になるよう手書きで記録するような場合がこれにあたります。
詐欺に該当すると、懲役10年以下の刑に処される可能性があります(刑法第246条)
3.勤怠管理を保存していない
使用者は、タイムカード、賃金台帳等の勤怠に関する記録を保存する義務を負います(参考:労働基準法第109条、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)
保存期間は最低5年間です。
勤怠管理の方法
法律では、勤怠管理の方法まで規定されていませんが、厚生労働省は下記の方法を推奨しています(参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)
- 使用者が自ら現認し、適性に記録すること
- タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等、客観的な記録を基礎として確認し、適性に記録すること
多くの会社はタイムカードにより勤怠管理を行っていますが、紙やExcel、勤務管理システムの導入等も考えられます。
勤務管理システムの場合、リモートワークを行う際もオンラインで打刻ができ、紛失、盗難リスクにも対応可能で、導入する企業が増えています。
いずれにせよ、自社に合った勤怠管理の方法を検討し、正しい運用を行いましょう。
タイムカードがない職場の違法性、勤怠管理の注意点まとめ
当ページでは、タイムカードがない職場の違法性に言及し、勤怠管理の注意点を解説しました。