当サイトの一部に広告を含みます。
当ページでは、値下げ戦略を成功させる方法と注意点を解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
値下げをオススメしない理由
値下げには下記の課題があります。
- 定価で買ってもらなくなる
- 定価で購入した顧客離れ
- 値下げ前提の価格設定になる
1.定価で買ってもらえなくなる
顧客が定価額商品に惹かれる理由は、下記に分類されます。
- 資金不足だが、当該商品がほしい
- 資金はあるが、安くしてくれるならほしい
1の場合、価格交渉・見直しの余地があります。
定価を下げるには、業務の細分化、納期の延期等で実現できる場合もある反面、分割できない商品の場合、この方法は使えません。
これに対し、2の場合には「値引き」が購入の動機になっている場合が多々あります。
この場合、1度でも値引きをすると「安くなるまで待つ」と購入機会を延期することが常態化し、定価での販売が厳しくなります。
2.定価で買った顧客離れ
値引きの前提には、必ず「定価」があります。
定価で満足していた既存顧客に対し、低価格に引き寄せられる顧客が増えるほど、自分が持っているものが安っぽく見えてしまう…という現象が起こります。
クーポンを発行した際、価格に惹かれた顧客からの予約が殺到し、既存客の予約が阻害される場合もあるため、長期的な目線でマーケティング戦略を講じなければなりません。
3.値下げ前提での価格設定になる
定価で売れなかった商品が、値下げにより販売数を伸ばせば、在庫は減り、目先の売上は増えます。
一般的に定価は、自社の利益率を含めて算出しているため、値引き期間の終了または値引き商品の完売後、新たに販売する商品は定価となります。
1度値下げを経験した顧客にとって、定価での販売は「事実上の値上げ」のように感じられ、販売数が伸び悩む可能性があります。
こうなると、値下げを前提とした価格設定をするほかなく、従来の価格での提供が困難になる可能性があります。
値下げ戦略成功に必要なもの
値下げ戦略を成功させるには、下記が必要です。
- 損益分岐点・限界利益の把握
- 自社のキャパシティを見極める
- ターゲットを見直す
1.損益分岐点・限界利益の把握
事業を運営するうえで、必ず抑えたいのが「損益分岐点」と「限界利益」です。
損益分岐点は、収支がプラマイゼロになる点をいい、限界利益は、商品・サービスを販売した際に得られる利益のうち、売上と連動して増減するものをいいます。
計算式 | |
---|---|
損益分岐点 | 固定費÷{1-(変動費÷売上高)} |
限界利益 | 売上高-変動費 |
この2つを正確に把握することで、固定費・変動費等の支払に必要な売上のために必要な販売数がわかります。
2.自社のキャパシティを見極める
商品・サービスの販売価格を下げる場合、利益率の低下に直結します。
この際、値引きする商品や自社の生産能力・処理能力について、販売数の増加に対応できるかどうかを見極める必要があります。
薄利多売では、必ず消耗の激しいポイントが出るため、あらかじめ予測し、対策を講じましょう。
3.ターゲットを見直す
「値下げ」は手段の1つであり、果たすべき目的があるはずです。
自社がターゲットとする顧客に響かなければ意味はなく、事前の調査・分析、実施後の評価方法を定める必要があります。
例えば、新規顧客の獲得が目的の場合、既存客に喜んでもらえる企画も検討しましょう。
一定条件のクリアが前提の割引なら、同じ値引きでも、新旧顧客双方に喜んでもらえますよね。
値下げ戦略を成功させる方法、注意点 まとめ
当ページでは、値下げ戦りゃうを成功させる方法と注意点を解説しました。