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著作権の基本ルール、他者の著作物を利用する際の注意点を解説

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当ページでは、著作権の基本ルール、注意点を解説します。

著作権とは

著作権とは、自分の著作物について独占的に使用し、利益を受ける権利のことをいいます。

著作物に該当するものを作れば、著作権法という法律で保護され、原則、著作者の死後50年間は保護されることになります。

他者に著作物を無断でコピー・利用されない権利ともいえます。

(1) 著作権と特許権の違い

特許権とは、自身の発明を保護する権利を指し、何の手続も必要なく発生する著作権とは異なり、登録しなければ権利を主張することが出来ません。

著作権と特許権の違い
  • 特許権…自ら申請し、登録を受けて発生
  • 著作権…著作物をつくれば自動で発生

特許権のほか、実用新案権、意匠権、商標権等も同様に、その権利を主張するには登録が必要です。

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著作権に関する制度

著作権に関連する制度は複数あり、下記が代表的です。

著作権に関する制度
  1. 著作権の登録
  2. 著作権・著作隣接権の移転登録
  3. プログラム著作物の登録
  4. 登録原簿・謄本・閲覧
  5. 著作権者不明等の裁定
  6. 著作権管理事業者登録
  7. 利用、譲渡に係る契約

1. 著作権の登録

著作権の登録とは、著作権の創作年月日を照明するための制度を指します。

原則、著作権は自動で発生する権利ですが、他者が類似の著作物を使用している際、その先後についての争いを避ける目的で利用されます。

2.著作権・著作隣接権の移転

著作権・著作隣接権の移転とは、これらの権利を持っていた人が、その権利を自分以外に譲る際、権利者が誰なのか明確にする目的で行う手続を指します。

著作隣接権ちょさくりんせつけんとは、創作した本人以外が主体となり、著作物を発信する者に与えられる権利をいいます。

著作権は「権利」の1つなので、有償無償に関わらず、他者に譲ることができるため、登録を受けることで権利者を保護することができます。

権利が二重譲渡された場合など、有効な手段となります。

3.プログラムの著作物 登録

プログラムの著作物とは、スマホアプリ等のソースコード(C言語やJava等を使用したもの)をいいます。

一定要件に当てはまるプログラムは、著作物として保護対象となりますが、使用場所がインターネットという不特定多数の人が常に行き交う場所であることから、登録制度が設けられています。

4. 登録原簿・謄本・閲覧

著作権の登録とは、文化庁の「著作権等登録原簿」に記載されることをいいます。

具体的には、次のような文章が記載されています。

著作権等登録原簿
この著作物の著作権が、○年○月○日にAからBに譲渡された
この著作物は○年○月○日に匿名で公表されたが、その著作者の本名は○○○○である

使用や二次利用を検討している著作物に関する登録情報を確認する場合、一定の手数料を支払い、著作権登録原簿・謄本の閲覧を請求することになります。

5. 著作権者不明等の裁定

他人の著作物を利用したい場合、まずは著作権者(または著作隣接権を持っている人)に使用許諾を得る必要があります。

しかし、どんなに探しても見つけられないこともあります。

健全な経済活動には、著作物の利用が不可欠であることから、頑張って探したけど著作権者が見つけられない場合には、文化庁長官の裁定をうけることで、

このような場合、権利者の許諾に代わる制度が、文化庁長官の「裁定」です。

裁定を受けることで、適法に著作物を使用することができます。

6. 著作権管理事業者登録

作詞・作曲家など、他人から委託を受け、音楽に関する著作権を管理する団体を「著作権管理事業者」といいます。

著作権管理事業者として、使用料の金額決定などを事業として行うには、文化庁への登録を受けなければなりません。

7. 利用や譲渡に係る契約書作成

他人の著作物を利用する場合、使用料の金額等を契約書面にする事が考えられます。

契約の公正性を保つために、また、契約後に発生するトラブル防止のために、第三者として行政書士が関わる事もあります。

著作権を得るための手続

著作権は、著作者が著作物を創作したときに、自動的に発生する権利です。

このため、権利を得るために特別な手続は必要ありません。

ただし、この権利は自分以外の他人にも認められるため、第三者に自身の著作物であることを明確に示すことを意識した利用をお勧めします。

他人の著作物を使用する際の注意点

他者の著作物を使用することを「引用」といいます。

引用する際は下記に注意しましょう。

1. 対象が「著作物」であることを確認する

著作権法では、下記をすべて満たすものを「著作物」とし、保護対象としています。

  1. 思想・感情が表れていること
  2. 個性が表れていること
  3. 文芸・学術・美術・音楽の範囲であること

上記のうち、1つでも該当しないものは保護対象とならないため、あまり神経質になる必要はありません。

とはいえ、トラブル回避のためには、引用元を明確にしておくといいですね。

2. 引用とは

著作権法に定める「引用」とは、下記の要件をすべて満たすものを指します。

  1. 著作物が公表されていること
  2. 公正な慣行に合致するものであること
  3. 引用の目的上正当な範囲内で行われるものであること

2-1. 著作物が公表されていること

引用したい著作物について、発行、または著作権者の許諾の下で上演・上映等される等、一般公開されていることを要します。

誰にも公表していないものは該当しないことになります。

2-2. 公正な慣行に合致するものであること

公正な慣行について、法律上、明確な基準はありませんが、著作物の種類・目的等から判断し、社会通念上の妥当性を満たすことが求められます。

2-3. 引用の目的上正当な範囲内で行われるものであること

正当な範囲内とは、下記の基準から判断されます。

  1. 引用の必要性
  2. 引用の目的からみた引用範囲の適正性
  3. 引用方法の適格性

3. 引用時の注意点

他者の著作物を引用する際は、下記に注意しましょう。

引用の必要性引用の必要性がない場合、「引用」は成立しません
主従関係の明確性主:オリジナル
従:引用
あくまでもオリジナルがメインであり、引用部分が明確に区別されていなければなりません
引用部分の同一性勝手な修正を加えず、原文のまま引用するのが原則
※要約して引用する場合、著作者の趣旨に忠実な要約が求められる
引用元の明記必ず引用元を記載すること

著作権の概要、他者の著作権を利用する際の注意点まとめ

当ページでは、著作権制度の概要と、他者の著作物を利用する際の注意点を解説しました。

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カテゴリー: 知的財産


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榊原沙奈
(さかきばら さな)
ヲタク行政書士®
やぎ座のO型、平成弐年式
法人設立、事業承継が得意
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