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1. はじめに
犬の散歩代行とは
犬の散歩代行とは、飼い主に代わって犬を散歩させるサービスをいいます。ターゲットとして、以下のような人が考えられます。
- 多忙な会社員・共働き世帯
- 高齢者や体調不良の飼い主
- 子育てで手一杯な家庭
- 散歩の時間が不規則な飼い主
近年では、ペットを家族の一員と考える飼い主が増え、犬の健康維持やストレス解消のために、適切な運動をさせたいと考える人が多くなっています。しかし、仕事や体調の都合で散歩に十分な時間を確保できない飼い主も多く、「犬の散歩を代行してほしい」という需要が高まっています。
犬の散歩代行は本当に稼げる?
近年のペット市場は、右肩上がりで成長しています。2023年の国内ペット関連市場規模は約1.7兆円※を超えました。特に少子高齢化の影響でペットを家族のように扱う文化が進み、ペット関連サービスの需要が拡大しています。
※矢野経済研究所の調査によれば、2023年度のペット関連総市場規模は前年度比4.5%増の1兆8,629億円とされています(出典:ペットビジネスに関する調査を実施(2024年))。 一方、富士経済の発表では、2023年の国内ペットフード市場規模は前年比11.9%増の4,754億円と報告されており(出典:ペット関連商品の国内市場を調査)、2023年の日本のペット関連市場規模は約1.7兆円を超えていると考えられます。
犬の散歩代行市場が伸びている理由
- 高齢化により犬の世話が難しい人が増えている
- 共働き世帯の増加により犬の散歩時間が確保できない家庭が多い
- ペット関連支出の増加
また、ペット市場において「体験型サービス」の需要が伸びており、犬の散歩代行は今後も成長が見込まれるビジネスだといえます。
副業としての可能性と本業にするためのポイント
✅ 副業としての犬の散歩代行
犬の散歩代行は、「スキマ時間で稼ぎたい」という方には副業として始めやすい仕事です。1回30分~60分の散歩で1,500~3,000円の報酬が相場で、1日2~3件回るだけでも副業収入として十分な金額を得られるのではないでしょうか。
メリット | ・時間の融通が利きやすく、平日・休日問わず働ける ・初期投資がほぼ不要 ・体を動かしながら仕事ができる |
デメリット | ・天候に左右される 👉雨天や猛暑日でも対応が必要 ・犬の種類、性格により制御が難しいケースがある ・飼い主との信頼関係が重要で、クレーム対応が必要 |
✅ 本業にするためのポイント
本業として犬の散歩代行をやりたい場合、以下の戦略を講じましょう。
リピーター獲得 | 単発で終わらせず、収益の安定化を目指す 👉月契約や回数券プランを導入 |
集客戦略 | SNSを活用し、散歩の様子や犬との接し方を発信 地域の掲示板やチラシ、公式LINEを活用し、直接飼い主と接点をもつ |
他サービスとの差別化 | 散歩後のレポート提供 ドッグトレーニングやペットシッターサービスと組み合わせる 👉写真付きの報告など |
トラブル対策 | 事故、脱走などのリスクを考慮する 契約書を作成し、責任範囲の明確化 👉ペット保険や賠償責任保険への加入を検討 |
2. 犬の散歩代行に資格・許認可は必要か
犬の散歩代行だけを行う場合、原則、資格や許認可は必要ありません。 しかし、顧客からの信頼獲得や、サービスの幅を広げるには、資格取得や適切な届出を行うことで有利になることもあります。
ここでは、関連資格と許認可について、詳しく解説します。
(1) 犬の散歩代行に資格は必須?
結論からいうと、犬の散歩代行のみを行う場合、特別な資格は必要ありません。 ただし、以下のようなケースでは資格を持っていると飼い主からの信頼度が上がり、差別化にもつながります。
あると有利な資格
愛玩動物飼養管理士 (公益社団法人日本愛玩動物協会) | ・動物の飼育や管理に関する基礎知識が学べる資格 ・飼い主との信頼関係構築や犬のしつけ、健康管理のアドバイスを活かせる |
ペットシッター士 (日本ペットシッター協会) | ・ペットの世話全般に関する資格で、ペット業務との相性が良い ・ペットの食事管理や留守番時の見守りサービスを提供する場合に有利 |
動物取扱責任者 (リンク先:神奈川県) | ・ペットホテルやペットシッターなど、動物取扱業を行う場合の必須資格 ・犬の預かり、一時保管を行う場合は取得必須 |
資格があると得られるメリット
犬の散歩代行業は無資格でも始められますが、より専門的なサービスを提供したい場合や、他の代行業者との差別化を図るには、資格の取得を検討しましょう。
- 飼い主からの信頼が向上し、依頼を受けやすくなる
- 他の事業者と差別化しやすい
- 事故やトラブル発生時に冷静な対応ができる
- 犬のしつけや健康管理に関するアドバイスができ、リピーター獲得につながる
(2) 許認可・届出の必要性
犬の散歩代行について、単に散歩をするだけであれば、法律に定められた許認可は必要ありません。しかし、事業として行う場合には開業届の提出が必要となるほか、サービスの内容により、「動物取扱業の登録」が必要なケースがありますので注意してください。
動物取扱業の登録が必要になるケース
- ペットシッター業務を行う場合
👉飼い主の留守中にペットの世話をするには、動物取扱業の登録必須 - 犬の一時預かりを行う場合
👉犬を預かったり、飼い主不在時の世話をするにも、動物取扱業の登録が必要
【参考】動物取扱業登録の要件
動物取扱業に該当する事業を行う場合、以下の条件を満たし、自治体への登録が必要です。
- 事業所をもつこと
- 動物取扱責任者を設置すること
- 犬の飼育スペースなど適切な管理環境を備えること
- 自治体に申請し、登録を受けること
👉5年ごとに更新が必要です
(3) その他の届出
副業・本業を問わず、犬の散歩代行を事業として行う場合、開業届の提出が必要です。
✅ 個人事業主として開業する場合
開業から1か月以内に、税務署へ「開業届」を提出する必要があります。
👉 確定申告が必要になる点に注意しましょう。
👉 青色申告を選択することで、最大65万円控除を受けられます。
✅ 法人化する場合
会社を設立する場合、法人形態に対応する設立手続きが必要です。
👉 社会保険への加入と、法人税の申告が必要になります。
💡 開業届を出さずに副業として行う場合の注意
副業として行う場合、開業届を出さなくとも行うことができますが、年間の所得額(売上ー経費)が20万円を超えますと確定申告が必要になります。また、事業として継続的に行うのなら、開業届を提出する方が信用度も上がりますし、長期的に見ると安心して運営できるかと思いますのでぜひご一考ください。
3. 犬の散歩代行の開業準備
犬の散歩代行をビジネスとして成功させるために、ここでは、開業前に準備すべきポイントを詳しく解説します。
(1) サービス内容を決める
犬の散歩代行を始めるにあたって、サービスの内容を明確にしましょう。特にエリア選定、料金設定、付帯サービスなどを事前に決めておくとスムーズに運営できます。
① どのエリアで活動するか
エリア選定について、範囲を広げすぎると移動に時間がかかり効率が下がります。事前にGoogleマップなどでエリアを絞り、効率的なルートを検討しましょう。
- 自宅から徒歩または車で移動可能な範囲に限定する
- 公園、安全な散歩コースが確保できる地域を選ぶ
- 需要が高い地域を狙う など
② 料金設定を決める
料金設定は、サービスを提供するエリアや内容、競合の価格を考慮して決めましょう。一般的な価格相場は、以下の通りです。
【参考】犬の散歩代行の料金相場
30分コース | 1600~3400円 |
60分コース | 2000~3850円 |
月額料金 (30分プランを週2回利用した場合) | 12400~28000円 |
料金設定のポイント
- 単発利用or定期契約
👉定期契約を用意すると安定収益につながる - 犬種・頭数で料金を変える
👉大型犬は力が強く、扱いに注意が必要なため割増料金を設定
👉多頭飼いの場合、2匹目以降+500~1000円程度の追加料金を設定 - 夜間・早朝料金を設定
👉特別料金の設定で無理なく運営できる
③ オプションサービスを用意する
散歩代行は、基本料金に付加価値をつけることで単価をあげることができます。
オプションサービスの例
単に散歩するのみで終わらせず、他のサービスと組み合わせることで、顧客満足度の向上やリピーター獲得に繋がりやすくなります。
- しつけサポート(+1000~3000円)
👉おすわり、待てなどの基本トレーニングの補助 - 給水・フード補充(+500~1000円)
👉散歩前後の水分補給、フード補充代行 - 写真・動画撮影サービス(+500~1500円)
👉散歩の様子を動画や写真で撮影し、飼い主にLINEで報告 - ペットシッター(+3000~5000円)
👉飼い主の留守中に散歩+ごはん、トイレ掃除まで対応
(2) 集客方法
犬の散歩代行は、特に信頼を重視する仕事です。そのため、以下の集客方法が有効です。
① SNS活用(Instagram・X・TikTok)
- Instagramでお散歩の様子を投稿
👉ストーリーズで散歩風景を発信し、サービス内容をPR
※必ず飼い主に許諾を得ること - TikTokで「犬の散歩のコツ」などを発信
👉フォロワー数が増えるとより宣伝効果が高まる - Xで特定の地域の飼い主にアプローチ
👉「○○県△△市で散歩代行をやっています!」と地域名を明記して投稿
わかりやすい「before→after」があるとより信頼してもらいやすくなるのでお勧めです。
② 口コミ・地域密着型の広告
- チラシの配布、ポスティング
👉ペットを飼っているお宅が多い住宅街や動物病院の近くが効果的 - 地域の掲示板への広告出稿
👉「犬の散歩代行」をシンプルにアピール - 既存顧客を対象に紹介制度を設ける
👉紹介者特典などをつけると口コミが拡がりやすい
③ 公式LINE・HPを活用した予約システム
- 公式LINEを活用する
👉「予約・質問はLINEからどうぞ」と案内し、スムーズなやり取りを実現 - Googleマイビジネスに登録し、地元の検索流入を狙う
👉「△△市 犬の散歩代行」などで検索した際、上位表示される
(3) 契約書の作成
犬の散歩代行では、事故やトラブルが起こる可能性がありますので、事前の契約がお勧めです。契約書を用意することで、飼い主との信頼関係が強まり、安心してサービスを提供できるようになります。
① 契約書に盛り込むべき項目
- 散歩中のトラブル対応
👉散歩中の事故について、責任の所在を明確にする - 飼い主の責任次項
👉持病の有無を事前に申告
👉リート、ハーネスの破損は自己負担 など - サービス範囲の明確化
👉散歩のみ/しつけサポート/水補給などのオプションの有無
② 保険への加入を検討
- 業務用損害賠償保険
👉犬が事故に巻き込まれた場合
👉他人やモノを傷つけた場合 - ペット保険
👉依頼人の加入するペット保険の適用範囲を確認する
5. まとめ
犬の散歩代行は、ペット市場の成長とライフスタイルの変化に伴い、今後も需要が高まるビジネスです。特に高齢者や多忙な飼い主層をターゲットにすると、安定した収益が見込める市場だと思います。
❶ 資格不要で始められるが、取得すると信頼度が増す
- 犬の散歩代行は資格なしでも開業可能
- 競争が激しい地域では、専門性のアピールで差別化
👉愛玩動物飼養管理士やペットシッター士などの資格を取得することで信頼性アップ
❷ 開業前に契約や保険、トラブル対策をしっかり行う
- 散歩中の事故・怪我などのリスクに備え、契約書を作成
👉責任範囲を明確化する - 損害賠償保険への加入を推奨
👉万が一のトラブルに備える - トラブル防止を考えたサービス設計を行う
👉犬の脱走、咬傷事故などのリスクを想定
❸ 継続的に利用してもらえる仕組みを作る
- SNSを活用し、飼い主に安心感を与えられる発信を行う
👉継続的に散歩中の様子やお客様の声などを紹介 - リピーター獲得を目指す
👉定期契約制度を導入 - 新規顧客の獲得を継続的に行う
👉地域の動物病院・ペットショップなどと提携できると理想的 - サービス単価を上げる
👉オプションサービスの導入など
犬の散歩代行は、低コストで始められ、ペットビジネスの入り口としても魅力的な業種です。―とはいえ、単に犬を散歩させるだけで終わらせず、飼い主と信頼関係を築き、長く利用していただける工夫が成功のポイントです。
✅ 今後のステップ
- ターゲットを明確にする
- 契約書や保険など、トラブル対策を整える
- SNS・口コミ・地域密着型の広告を活用し、集客を強化する
- リピーターを増やすため、継続利用の仕組みを作る
まずは小規模から始め、実践を通してブラッシュアップを図りましょう。
成功を祈っています✨