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1. はじめに
インターネットは簡単に情報を送受信できる一方で、現代社会において大きな問題も引き起こしています。その一つがネットいじめです。SNSや掲示板には誰でも匿名で投稿でき、他人を傷つけることも簡単にできてしまいます。特に、個人情報の流出が問題となるケースが多く、自宅住所や電話番号、顔など容姿に関わる写真をネット上に無断に晒され、思わぬ被害に遭うケースが増えています。
自宅住所を晒されることで、嫌がらせの荷物が送りつけられたり、最悪の場合、直接家に来られる危険も存在します。さらに、それらを見た他のユーザーが何かしらの行動に出ることもあり、被害を受けた側は心身に大きなストレスを抱えることになります。
こうした事態が起きた際、できる措置はゼロではありません。警察や法的手段も有効ですが、時間がかかることもあります。目の前の危機にどう対応すれば良いか、すぐにできる対応策を知ることが自己防衛への一歩です。
この記事では、自分や家族を守るためにすぐにできる対応策を具体的にご紹介します。
ステップ1: 速攻でプライバシー設定を強化
インターネット上で自分の情報が晒されるリスクは誰にとってもゼロではありません。そのため、日ごろから自分のプライバシー設定を強化しておく必要があります。
ここでは、SNSのプライバシー設定をどのように見直し、個人情報を守るか、具体的な方法を解説します。
SNSの設定確認
1. フェイスブック(Facebook)
1 | プライバシー設定を確認 | プライバシー設定>公開範囲を制限 「全体に公開」より「友達のみ」や「自分のみ」への変更がお勧め |
2 | プロフィール情報の見直し | プロフェール情報 自宅住所や電話番号などが公開設定になっていないことを確認 |
2. Twitter
1 | アカウントを非公開に変更 | アカウントを非公開(鍵付きアカウント)に変更 不特定多数の人に個人情報が流出するリスクを減らせる |
2 | プロフィールを確認 | 「ウェブサイト」欄や「位置情報」を非公開に設定 |
3. Instagram
1 | 非公開アカウント設定を有効化 | フォロワー以外にあなたの投稿が見られなくなる |
2 | タグ付け設定を確認 | 自分がタグ付けされた画像について、他人からの閲覧を制限できる |
4. LINE
1 | 「友達追加」設定の確認 | 電話番号で友だち追加ができないよう設定 知らない人からの接触を制限できる |
2 | タイムライン、プロフィールの確認 | タイムラインに公開している内容や、プロフール写真を適切に設定 |
5. その他のSNSや掲示板
すべてのSNSや掲示板において、あなたの個人情報を公開しないよう注意しましょう。
自分の住所、氏名、電話番号、勤務先や最寄り駅など、個人情報の特定につながる情報も投稿を避けましょう。
個人情報の管理
自宅住所や電話番号などの個人情報を適切に管理するには、以下の方法が考えられます。
1. 個人情報を削除・非公開にする
自宅住所、電話番号、メールアドレスなど、あなたのプライベートに関する情報を含む投稿やプロフィールは、すぐに削除または非公開設定にしましょう。
SNSの投稿に限らず、ブログや掲示板などで情報を公開する際も注意してください。
2. オンラインサービスの利用
住所や電話番号などの情報を求められるサービスの利用時は、信頼できるサイトかどうかを見極める必要があります。知らないサイトはもちろんですが、初めて利用するサイトでも簡単に個人情報を入力しないことをお勧めします。
3. 不要なアカウントやサービスの削除
長年使用していないSNSアカウントや、不要なオンラインサービスに継続して登録している場合、それらの情報を削除しましょう。これにより情報流出のリスクを減らすことができます。
不審なリンクや投稿に注意
1. 怪しいリンクやメールに警戒する
1 | 不明な送信者からのメッセージは無視 | 知らない送信者からのメッセージやメールに記載されているリンクはクリックしない 特に、個人情報の入力フォームやアカウント情報を求めるメッセージには厳重注意 |
2 | リンク先は事前に確認 | 知っている送信者からのメッセージであっても、フィッシング詐欺やマルウェアへの感染リスクがあるため、アクセスする前にリンク先を事前に確認する |
2. SNSでの不審なアクションを見逃さない
知らないアカウントからのリクエストや、無意味なタグ付けなどがあった場合、スパムや悪質な行為が疑われます。これらのアクションには反応せず、原則、無視しましょう。
3. 不正アクセスの兆候を見逃さない
あなたのアカウントに不審な動きがあった場合、すぐにアカウントを凍結する、またはパスワードを変更しましょう。例えば、見覚えのない投稿やログイン通知、パスワードが変更されているケースには要注意です。
セキュリティ設定を見直し、二段階認証を有効にすることでアカウントの防御力を高めます。
ステップ2: サイト運営者やSNSに報告
ネット上に個人情報が晒された場合、拡散力が非常に速く、被害の拡大を防ぐには、迅速かつ適切な対応が不可欠です。ここでは、通報の方法等について詳しく解説します。
不正投稿の報告方法
あなたの個人情報がネット上に晒された場合、そのサイトやSNSの運営者へ報告する必要があります。
1. SNSでの報告方法
各プラットフォームには、不正投稿や嫌がらせ、個人情報の流出を防ぐために通報機能が備わっています。具体的な方法は、以下の通りです。
1 | X | 投稿に対し、「…を報告」>「個人情報が晒されている」などを選び報告 |
2 | 投稿の右上にある「…」をタップ>「報告」>適切な理由を選び通報 例:「個人情報が公開されている」など | |
3 | 投稿またはプロフィールを開き「…」をタップ >「投稿を報告」または「プロフィールを報告」 >具体的な問題を選択 |
2. サイト運営者への報告
掲示板やウェブサイトの場合も、個人情報が晒されている投稿について、当該サイト運営者に直接連絡するのが効果的です。
ほとんどの場合、「コンタクトフォーム」や「ヘルプデスク」などから報告することができるので、問題となっているページへのリンクを添え、個人情報が晒されていることを明確に訴え出る必要があります。
1 | 投稿のURLを控える | 運営者への報告に加え、削除を依頼する際に必要 |
2 | 証拠をおさえる | スクリーンショットやURLなど、証拠は控える |
3. サイト運営者とのやり取り
サイト運営者から連絡がない、または時間がかかっている場合、再度連絡しましょう。中には、プライバシー保護法に基づき、削除依頼ができるケースもあります。この場合、弁護士の助けを借りることをお勧めします。
警察への通報
ネット上への個人情報流出は、単なる嫌がらせにとどまらず、犯罪に該当する可能性があります。
1. どのように警察に通報するか
ネットでの嫌がらせや個人情報流出について、犯罪に該当する可能性があるときには、警察に通報しましょう。通報先は、以下の通りです。
1 | 最寄りの警察署 (警察庁) | 近隣の警察署に被害届、告訴状を提出 インターネット犯罪やストーカー行為に該当する場合、適切な対応が受けられる |
2 | サイバー事案に関する相談窓口 | サイバー犯罪の場合、全国の警察が設置する専用窓口への通報も可能 最寄りの警察署に出向く、またはインターネットから通報 |
2. サイバー犯罪専門の相談窓口
1 | 警察庁サイバー犯罪相談窓口 (通報/相談/) | サイバー犯罪について専門的に扱う窓口 ネット犯罪、ストーカー行為、悪質な投稿に関する相談ができる |
2 | 消費者庁 (消費者ホットライン【188】 | ネット上での不正取引や嫌がらせ、個人情報の不正利用などに関する相談ができる 必要な場合、警察にも通報 |
情報セキュリティに関する技術的な相談は、情報処理推進機構の情報セキュリティ安心相談窓口に相談することができます。
3. 警察への証拠の提供
警察に通報する際は、できるだけ証拠を揃えましょう。
- 投稿等のスクリーンショット
- メール、DMの内容
- URL、アクセスログ など
ステップ3: 自宅への対応と警戒
ネットで個人情報が晒されたために、物理的な被害を負うこともあります。
ここでは、物理的被害への対応方法、防犯対策について詳しく解説します。
1. 送り物や訪問者への対応方法
着払いの送りつけに対する対応方法
- 着払いで送られた荷物は受け取らない
- 不審な荷物は配達員に対し、返送を依頼する
- 危険物等の可能性がある場合、警察に通報する
- 送り主不明または知らない人からの荷物は開封前に送り主を特定
無断で自宅に来る訪問者への対応方法
- 予告なく知らない人が訪問してきた場合、扉を開けない
- 外出中に話しかけられた場合、接触を避ける
- 不審者や知らない人の訪問に対し、警察への通報も検討
2. 防犯カメラの設置
防犯カメラの設置による物理的な安全確保
1 | 防犯カメラの設置 | 訪問者の事前確認に有効なほか、証拠を残すためにも〇 防水、対候性に優れたものがお勧め | |
設置場所 | 正面入り口、窓の近く、駐車場 |
セキュリティシステムの導入
1 | スマートロック アラームシステム | 不審者の侵入を防ぎ、侵入者があった場合、すぐに警報を鳴らして警察に通報 |
2 | セキュリティシステム | 24時間監視サービスやスマホと連動させ、場所や時間を問わず家の状態を確認できるものが〇 |
3. 訪問者が現れた場合の対応方法
予告なく訪問者が現れた、または不審な訪問者が家に来た場合、以下の手順で対応しましょう。
1. 自宅に訪問者が来た場合
- 予定のない来客が訪ねてきた場合、身分証の提示を求める
- 不審者が訪問してきた場合、電話やインターホンで確認し、スマホや防犯カメラで風貌を記録する
- 身分証を確認後、扉を開ける際はドアロックを外さない
2. 訪問者が脅威となる場合
- 不審者が自宅に来た場合、警察に通報
- 訪問者の特徴や行動、車両ナンバーなどの情報を整理
- 訪問者が暴力的または強引に自宅に侵入しようとする場合、外に出ず、安全な場所に避難
4. その他の予防措置
1. 近隣との連携
自宅近辺で不審な人物を見かける場合、近隣住民と連携し、互いに情報を共有したり、警察への通報体制を整えましょう。
2. 不審者情報の共有
自宅に不審者の訪問があったり、嫌がらせを受けた場合、その情報を近隣住民や管理会社に共有することで、他の住民への注意喚起につながり、早期に問題を解決できる可能性があります。
5. 緊急時に実行可能な最終手段
個人情報の流出や荷物の送りつけ、不審者の訪問等に遭い、警察への通報や防犯措置をとってもなお安全確保が難しい場合、以下の措置をとりましょう(関連リンク:迷惑な郵便物の受け取りを拒否する方法)
1. 弁護士や専門家に相談する
ネット上での嫌がらせや個人情報の流出が深刻化し、法的な措置が必要だと思われるときは、弁護士等の専門家に相談しましょう。弁護士に相談することで、法的な観点から問題解決の手助けをしてくれます。弁護士相談の流れと考えられる手段は、以下の通りです。
1.1. 弁護士への依頼方法
- サイバー犯罪やプライバシー保護の分野に強い弁護士を選ぶ(関連リンク:日本弁護士連合会)
- 初回相談無料の弁護士事務所や、自治体が提供する無料相談の利用も視野に入れる
1.2. 差し止め請求
差し止め請求とは、問題となっている行為をやめるよう相手方に要求するものです。弁護士を通じてこの請求を行うことにより、違法な投稿の削除や、その行為を停止するよう求めることができます。
差し止め請求までの流れは、以下の通りです。
- 弁護士に相談
- 投稿の違法性を確認
- 弁護士から相手に対し、内容証明郵便等を送付
1.3. 損害賠償請求
損害賠償請求とは、相手方の問題行為による精神的なダメージや金銭的損害について、その損害を賠償するよう求めるものです。実際には、弁護士が算出する損害額に基づき、手続きを進めます。
- 弁護士に相談
- 証拠を提出し、損害額等の算出
- 裁判所に訴訟を提起
訴訟の提起前に和解交渉がととのうこともあります。
2. 緊急避難措置
あまり考えたくはありませんが、最悪の場合、警察への通報や法的手段だけでは安全を確保できない場合があります。このような状況では、緊急避難措置を考えなければなりません。
ここでは、具体的な避難方法について詳しく解説します。
2.1. 緊急避難先を確保する
1 | 避難場所の確保 | 不審者が自宅を訪問、または生活導線内に現れ危害を加えられるおそれがある場合、事前に避難場所を確保するのが望ましい 可能なら、親しい友人や親族の家への非難を検討 |
2 | ホテルやシェルターの利用 | 緊急避難が必要になった場合、最寄りのホテルやシェルターの利用も〇 DVやストーカー被害に遭った人を対象に、自治体が専門の避難場所を用意していることもあるので確認する |
2.2. 近隣の協力を得る
1 | 近隣住民との連携 | 不審者が自宅に訪問する可能性がある場合、管理人や近隣住民と連携し、警戒態勢を強化すると有効 近隣に監視カメラがある場合、記録の依頼も検討 |
2 | 周囲に知らせる | 不審者の接近が考えられる場合、その旨を周囲の人に伝え、協力を仰ぐ |
2.3. 身の安全を守るための準備
1 | 移動手段の確保 | 緊急避難が必要な場合、自家用車や公共交通機関を使いすぐに避難できるよう準備を整える 近隣の避難場所、避難場所までの最短経路を事前に確認 |
2 | 避難バッグの準備 | 身分証や現金、スマートフォン、充電器などをまとめておき、緊急時にはすぐ持ち出せるようにしておく |
6. まとめ
ネット上でのいじめや個人情報の流出、嫌がらせは、被害者に深刻な影響を及ぼす可能性があります。この記事でご紹介した冷静かつ迅速な対応ができれば、被害を最小限に抑えられるかもしれません。
まずは、SNSのプライバシー設定を見直し、報告機能や警察、弁護士等の力を借りながら、ご自身でも身の安全確保に向けた防犯対策を講じましょう。
実際に被害に遭った際、予想以上に事態が悪化した場合は、法的手段を用いて悪質行為を止めさせましょう。また、最悪の事態に備え、日ごろから緊急避難措置の準備も行うと安心です。
FAQ(よくある質問)
Q1. 住所が晒された場合、警察に通報するべきでしょうか?
A1. 警察への通報前に、晒されてしまったサイト等の報告機能を活用し、証拠を残しましょう。これで問題が解決しなければ、警察への相談を推奨します。万が一、ご自宅への訪問などがありましたら、即座に通報し、サイバー犯罪担当部署への通報も行いましょう。
Q2. SNSの設定を変えれば絶対に安全ですか?
A2. SNSの設定は、安全を100%保証するものではありません。実際に個人情報が流出してしまっている場合、設定の見直し後、すぐにサイト運営者や警察に報告しましょう。また、不審なリンクやメッセージ等については、設定をかいくぐって来ることも多いため、自己防衛のためにも正しく対処していただければと思います。
Q3. 送りつけられた荷物を受け取らない場合、どうすれば良いですか?
A3. 着払いで送られてきた荷物について、配達員に受け取らない旨を申し出るとともに返送を依頼してください。荷物はフェイクで、受け取りによってあなたの住所がバレる可能性もありますので、少しでも怪しいと感じれば受け取り拒否をお勧めします。
Q4. 防犯カメラを設置するのはいいんですが、訪問者にはどう対応すればいいですか?
A4. 実際に訪問者が現れた場合、まずは冷静になり、接触を避けて警察に通報しましょう。相手が無理に自宅に押し入ろうとする場合や、自宅の外にある施設等を傷つける場合は、即座に警察へ通報してください。
Q5. 弁護士に相談する際の費用はどのくらいかかりますか?
A5. 弁護士への相談料は依頼内容や地域、弁護士事務所により異なりますが、一般的には30分または1時間を1単位とし、1万円~2万円程度のところが多いようです。中には、初回に限り無料で相談対応してくれる事務所もあります。具体的な内容や訴訟手続きの依頼を検討する場合は、事前に料金体系を確認し、複数の事務所で見積もりを取るのがお勧めします。
Q6. ネットいじめが深刻化した場合、どのタイミングで避難すべきですか?
A6. 身の危険を感じたら、即座に対応できるのが理想です。ネットいじめが物理的な行為へと発展した場合、すぐにでも避難を考えましょう。避難先として、家族や友人宅を頼る、またはシェルター等の一時的な避難場所を検討しましょう。
Q7. 住所が晒された場合、どのくらいで対応が必要ですか?
A7. できるだけ早い対応が理想です。ネットの場合、住所が晒された瞬間から人目に触れる可能性があり、被害拡大を防ぐには、速やかな対応が欠かせません。問題が深刻化する前に、警察や専門家に通報・相談しましょう。