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養育費が払われない…困った時に試すべき3つの対策と法的手続き

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Contents

はじめに

 「養育費を受け取れないと、生活が厳しくなる」――こうした状況に、多くのシングルマザーや父親が直面しています。養育費は、子どもを育てるために必要な資金であり、その支払いが滞ることで、子どもへの教育や生活に支障をきたすことになります。

この記事でお伝えすること

 今、あなたが養育費を受け取れずに困っているのであれば、すぐにできる対策があります。この記事では、あなたの不安を解消するために具体的な手続きをいくつか紹介します。

 まず、話し合いを通じて解決する方法です。冷静に、支払い義務を果たしてもらうのに必要な情報や証拠を揃えて交渉しましょう。しかし、話し合いだけでは解決が難しい場合もありますよね。その際は、法的手段を取るのが有効です。具体的には、裁判所を通じた「履行勧告」や「履行命令」です。

 さらに、差し押さえの手続きや、養育費を代わりに支払ってもらう代理支払い制度の利用も視野に入れましょう。こうした手続きは初めてだと不安に感じるかもしれませんが、この記事では、その具体的な手順と、必要な書類や手続き方法をわかりやすく説明します。


【第1章】養育費を支払ってもらうためにできること

1. まずは話し合いを試みる

養育費を支払わない理由を確認し、冷静に話し合う重要性

 養育費が支払われない場合、まずは相手と冷静に話し合うことから始めましょう。支払いが滞る原因はさまざまで、相手が経済的に困窮していたり、単に支払いを忘れているだけ、あるいは意図的に支払わないのかを確認する必要があります。冷静に状況を把握し、相手の立場を理解した上で、支払い方法やスケジュールについて話し合いましょう。

 例えば、相手が一時的に支払いが難しい状況にある場合、詳しい背景を聴いたうえで、分割払いなど柔軟に対応することで支払ってもらえる場合があります。一方で、相手が意図的に支払わない場合には、口約束で終わらせず、法的な文書による合意を提案しましょう。

交渉の際の注意点や冷静な対応方法

 話し合いの際は、できる限り感情的にならないよう心がけましょう。相手との対話を通じ、冷静に解決策を見つけるために、以下を意識すると効果的です。

1証拠を残す養育費の支払いに関する合意書や契約書、過去の振込明細や受領書など、関連書類はすべて保管しましょう。
2冷静な態度相手が感情的になっても、理論的かつ建設的な対話を心がけましょう。
無理に支払いを求めず、相手の状況を理解しつつ解決策を模索します。

養育費支払のために必要な書類を整理しておくこと

 話し合いの段階において、支払いを求める根拠がなければ後に困るのはあなたです。以下のような書類を整理しておきましょう。

  • 養育費の支払いを約束した書面(合意書など)
  • 裁判所の判決書
  • 振込明細や受領書 など

2. 弁護士に相談する

法的アドバイスを得るメリット

 話し合いがうまくいかない、または相手が支払いを拒み続ける場合、弁護士への相談が有効です。弁護士は、どのような手段を取るべきかを法律に基づきアドバイスしてくれます。特に、以下のようなケースでは弁護士相談がお勧めです。

  • 養育費の支払いを強制するために必要な手続きを理解し、進めたいとき
  • 養育費に関わる問題が自分たちだけでは解決しないとき

弁護士を通じて、相手に支払義務を強制する方法

 弁護士は、相手が養育費の支払義務を果たすよう、以下のような手段をとることができます。

1履行勧告裁判所を通じ、相手方が養育費を支払うように促す手続き
2履行命令履行勧告より強制力を持たせるために行う手続き
3強制執行支払いがない場合、相手の給与や預金口座などの財産を差し押さえる手続き

相談先のあてがない場合、日本弁護士連合会HPよりお近くの弁護士を検索することができます。また、各自治体で弁護士による無料相談会が実施されている場合がありますので、お住いの市区町村役所までお問い合わせください。
【関連リンク】日本弁護士連合会ホームページ


【第2章】支払われない場合の法的手段

 養育費の支払いを強制するには、法律にもとづき手続を行う必要があります。

 ここでは、実際に養育費の履行を強制する方法と、差し押さえ、養育費支払促進制度の詳細を解説します。

1. 養育費の履行勧告・履行命令

養育費の支払いを強制するには裁判所に申し立てを

 相手が養育費が支払わない場合、はじめに考えるべき手段は裁判所への申し立てです。

1履行勧告裁判所から相手に対し、養育費の支払いを促す勧告。
強制力はないものの、法的な文書として通知され、相手に養育費の支払義務があることを再認識させる効果があります。
2履行命令履行勧告が無視された場合にとる手段です。
裁判所が相手に対し、養育費の支払を強制する命令で、強制力がある。
相手が支払わない場合、差し押さえや強制執行へ。

申し立ての手続きと流れ

 履行勧告や履行命令を裁判所に申し立てるには、以下の手続きが必要です。

  1. 家庭裁判所に申し立て
  2. 調停を試みる
  3. 命令の実行

2. 差し押さえの手続き

養育費を支払わない相手の財産を差し押さえる方法

 相手が養育費を支払わない場合、裁判所に申し立て、相手の財産を差し押さえることができます。差し押さえとは、相手の給与や預金、財産などを差し押さえ強制的に支払いを確保する手段です。

実際の差し押さえの手続きの流れと注意点

 差し押さえ手続きを進めるには、以下の流れを踏みます。

  1. 家庭裁判所に申し立て
  2. 差し押さえ命令
  3. 差し押さえ実行

差し押さえになった場合、相手にも通知されます。
この際、相手が逃げ腰になったり反抗的な態度をとることがあり、手続きには時間がかかる場合があります。


3. 養育費の支払義務履行を促進する制度

養育費の代理支払制度

 養育費を支払わない相手に代わり、支払いを代行する「養育費代理支払制度」があります。この制度を利用することで、未払いの養育費を自治体が代わりに支払ってくれます。

1利用条件養育費が支払われない場合、自治体に申し出が必要
未払いが長期にわたる場合に適用されることが多い
2支払い後の回収代理で支払われた養育費について、自治体が相手方から回収
ここでも相手が支払いを怠った場合、自治体が強制措置をとる

支払いが滞った場合に利用できる支援機関

 相手が養育費を支払わないた場合、次のような機関を利用することができます。

1養育費等相談支援センター
(こども家庭庁)
養育費に関する相談や調停のサポートを行う機関
2法テラス
(日本司法支援センター)
法的支援を無料で提供する機関

【第3章】他のサポートを活用する方法

 ここでは、養育費が未払いの場合に利用できる自治体や福祉機関の支援、また子どもの福祉を守るために活用できる財政的なサポートについて詳しく解説します。

1. 自治体や福祉機関の支援

養育費未払いの家庭を支援するための公共制度やサポート

 養育費が支払われない場合、自治体や福祉機関は一定の支援を提供しています。これらの制度は、未払いの養育費を支払う目的での手続きや、経済面で困っている状況を改善するために設けられています。

養育費支払いのための公的支援

1養育費支払管理機関養育費を代理で支払う制度や、相手の支払義務を履行させるための支援を実施
2法的措置の支援
(法テラス)
養育費未払いに関する相談ができ、無料で法律相談を行うことができる
経済的に困っている場合、弁護士費用の立替精度も受けられる
3各自治体による調停・仲裁支援養育費に関する家庭裁判所での調停の前に、自治体が提供する調停制度を利用できる場合がある
この場合、裁判所を通さないぶん比較的迅速に解決が図られることも

2. その他の財政的サポート

 養育費未払い問題に直面した場合、養育費の支払いだけでなく、生活の基盤を支えるために利用できる制度があります。これらは、子どもの福祉を守り、親が困窮しないよう支援することを目的としています。

子どもの福祉を守るために利用できる援助制度

児童扶養手当生活保護子どもの医療費助成制度
支給対象18歳未満の子がいるシングルマザーやシングルファザー
世帯所得が一定未満の場合
生活に必要な収入がない世帯一定所得未満の子がいる家庭
申請方法住所地の市区町村役所にて申請市区町村役所の福祉課に申請書を提出
面談により支給の可否を判断
問い合わせ先各自治体の福祉課または児童福祉担当部署各自治体の福祉課各自治体の窓口

関連リンク

児童扶養手当について|こども家庭庁
生活保護制度|厚生労働省
小児医療費助成制度 市町村別一覧(2024年4月1日現在)|神奈川県保健医協会


【実際に試すべき方法】

1. 相談できる機関と弁護士

 養育費問題に関し、専門的なアドバイスを受けるには、以下の機関への相談がお勧めです。

1法テラス
(日本司法支援センター)
0570-078374(全国共通)
メールでのお問い合わせ
2自治体の福祉部門全国自治体情報データベース
3弁護士相談
全国の弁護士会の相談センター
ひまわり相談ネット
0570-783-110(法律相談センター)

2. 裁判所に申し立てをする際の必要書類と準備リスト

 養育費の支払いを強制する申し立ての際は、必要な書類を準備しましょう。裁判所への申し立てや弁護士との打ち合わせには、以下の書類が必要な場合が多いです。

  • 養育費に関する合意書(契約書)または判決書
  • 支払履歴(振込明細や受領書)
  • 相手の連絡先、勤務先情報など
  • 収入証明書や生活状況に関する書類 など

事案により必要書類は異なりますので、事前に確認しましょう。


養育費が支払われない場合のFAQ

Q1: 養育費が支払われない場合、最初に何をすべきですか?

A1:
 最初は、相手と冷静に話し合いましょう。支払いが遅れているといって、すぐに「支払い意思がない」と決めつけるのは危険です。相手が経済的に困っていたり、何らかの事情を抱えている可能性もあるため、まずはその理由を確認する必要があります。

 話し合いで解決しない場合、または話し合い自体が難しい場合、次の手段として弁護士への相談や、裁判所に申し立てることを検討しましょう。


Q2: 養育費を受け取れない場合、どのような法的手段がありますか?

A2:
 考えられる法的手段として、以下の方法があります。

1履行勧告裁判所を通じ、相手方が養育費を支払うように促す手続き
2履行命令履行勧告より強制力を持たせるために行う手続き
3強制執行支払いがない場合、相手の給与や預金口座などの財産を差し押さえる手続き

 これらの手続きは、裁判所や弁護士を通じて進めることになります。


Q3: 養育費の履行命令を申し立てるには、どうすればいいですか?

A3:
 履行命令の申し立ては、以下の書類を家庭裁判所に提出する必要があります。

  • 養育費に関する合意書(契約書)または判決書
  • 支払履歴(振込明細や受領書)
  • 相手の連絡先、勤務情報など

 調停が不成立となった場合、履行命令が発令されることになります。


Q4: 弁護士に依頼する場合、費用はどのくらいかかりますか?

A4:
 依頼内容により弁護士費用は異なりますが、初回相談は無料の弁護士事務所や、自治体で弁護士の無料相談会を実施している場合もありますので、まずはご相談ください。

 養育費の支払いに関する手続きを依頼する場合、着手金や報酬が発生するのが一般的です。経済的にお困りでしたら、法テラスを通じ、弁護士費用を立て替えてもらうことも可能です。


Q5: 養育費が支払われない場合、差し押さえ手続きとはどのようなものですか?

A5:
 差し押さえ手続きとは、裁判所に申し立てることで、相手の給与や預金、財産を差し押さえて養育費を支払いを確保する方法です。具体的には、以下の手順を踏みます。

  1. 裁判所に差し押さえの申し立て
  2. 相手の勤務先や銀行口座などの財産情報を確認し、裁判所から差し押さえ命令が発令
  3. 差し押さえ資産を売却し、養育費を回収

 通所、差し押さえには一定の時間がかかりますが、強制的に支払いを確保できる選択肢です。


Q6: 養育費の未払いが続いている場合、どこに相談すればいいですか?

A6:
 養育費の未払いが続いている場合、次の機関への相談をお勧めします。

1法テラス
(日本司法支援センター)
0570-078374(全国共通)
メールでのお問い合わせ
2自治体の福祉部門全国自治体情報データベース
3弁護士相談
全国の弁護士会の相談センター
ひまわり相談ネット
0570-783-110(法律相談センター)

Q7: もし養育費が支払われない場合、自治体から支援を受けられるのですか?

A7:
 はい。養育費が支払われない場合、一部の自治体では「養育費支払支援制度」を提供しています。この制度では、自治体が養育費を代わりに支払い、後に相手から回収します。生活が苦しい状況が続く場合には、児童扶養手当や生活保護などの支援を受けることも可能です。


Q8: 養育費未払い問題が解決しない場合、どう生活を維持すればいいのでしょうか?

A8:
 養育費未払いが続いている場合、生活維持のために以下のようなサポートの利用が考えられます。

児童扶養手当生活保護子どもの医療費助成制度
支給対象18歳未満の子がいるシングルマザーやシングルファザー
世帯所得が一定未満の場合
生活に必要な収入がない世帯一定所得未満の子がいる家庭
申請方法住所地の市区町村役所にて申請市区町村役所の福祉課に申請書を提出
面談により支給の可否を判断
問い合わせ先各自治体の福祉課または児童福祉担当部署各自治体の福祉課各自治体の窓口

おわりに

 相手からの養育費の支払いが滞っている場合、はじめに冷静な話し合いを試み、次の手段として弁護士相談や裁判所への申し立てを検討しましょう。弁護士や福祉機関、法テラスなどをうまく活用し、あなたに合った方法で解決を目指すことが大切です。また、手続きに必要な書類をしっかりと準備して、スムーズに進められるようにしましょう。

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榊原沙奈
(さかきばら さな)
ヲタク行政書士®
やぎ座のO型、平成弐年式
法人設立、事業承継が得意
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