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問題7
財政に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 国会が議決した予算の公布は、法律、政令、条約などの公布と同様に、憲法上、天皇の国事行為とされている。
2 国会による予算の修正をめぐっては、内閣の予算提出権を侵すので予算を増額する修正は許されないとする見解もあるが、現行法には、予算の増額修正を予想した規定が置かれている。
3 予算が成立したにもかかわらず、予算が予定する支出の根拠となる法律が制定されていないような場合、法律が可決されるまでの間、内閣は暫定的に予算を執行することができる。
4 皇室の費用はすべて、予算に計上して国会の議決を経なければならないが、皇室が財産を譲り受けたり、賜与したりするような場合には、国会の議決に基く必要はない。
5 国の収入支出の決算は、内閣が、毎年そのすべてについて国会の承認の議決を得
たうえで、会計検査院に提出し、その審査を受けなければならない。
正解：2
1：不適当
国会が議決した予算について、公布という手続はないため、天皇の国事行為に含まれることはありません。
予算は国会の議決により成立後、内閣が執行します。
憲法上において、予算は「公布」という用語が規定されていない点を記憶していたかどうかが分かれ道です。
したがって、当設問は不適当です。
2：妥当
国会には、予算の審議・修正権があります（憲法第86条、第90条）
現行法において、内閣が提出した予算を国会で修正することが可能であり、ここには増額修正も含まれます。
通常、増額修正は財政の適正運用や執行可能性との兼ね合いが議論され、法律上禁止されるものではありません。
したがって、当設問は妥当です。
3：不適当
予算は支出根拠を与えるものではなく、実際の支出は法律に基づいて行われる必要があります。
法律がない場合、内閣であっても暫定的に予算を執行することはできません。
したがって、当設問は不適当です。
4：不適当
皇室の費用について、予算に計上し、国会の議決を経なければなりません（憲法第88条）
また、皇室が財産を譲受ける・賜与する場合も、皇室財産の透明性確保を目的として、国会の議決を要します。
したがって、当設問は不適当です。
5：不適当
憲法第90条には、決算につき、「内閣が作成し、会計検査院の検査を受け、そのすべてを国会に提出して承認を受ける」と定めています。
ただし、ここでの承認は法的拘束力を認めるものではなく、事実上の承認にとどまります。
したがって、当設問は不適当です。
