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【神奈川県】交通事故の被害者救済制度を紹介

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当ページは、交通事故被害者に対し、神奈川県警察が配布する「被害者の手引」の内容をご紹介します。

パンフレットでわかる内容

神奈川県警察では、交通事故の被害者に対し「交通事故の被害者とその家族の方々へ」というパンフレットを配布しています。

当該パンフレットには、下記が記載されています。

  1. 警察の支援制度
  2. 警察以外の機関による支援、通知制度
  3. 警察が被害者や家族にお願いすること
  4. 事故の加害者が処罰を受ける際の手続き
  5. 自動車の保険制度

1.警察の支援制度

警察では、下記に該当する事件について被害者支援が必要と判断し、捜査員と別に指定する警察職員が下記の支援活動を行っています。

  1. 事情聴取等における被害者等への付き添い
  2. 実況見分、検証時等における被害者等への付き添い
  3. 病院へ行く場合の被害者等への付き添い及び被害者等の保護のために必要と認められる事項についての医師との連絡
  4. 被害者等からの相談、質問、要望、苦情等への対応
  5. 被害者支援機関・団体の説明、紹介等
  6. その他初期的な被害者支援に関する任務

1-1. 被害者連絡制度

被害者連絡制度とは、一定の事件の被害者や家族に対し、下記の事項について連絡する制度をいいます。

刑事手続及び犯罪被害者のための制度刑事手続き及び犯罪被害者のための制度
捜査状況被疑者が検挙されていない場合は捜査状況※
被疑者の検挙状況被疑者を検挙した場合は被疑者検挙の旨、人定等※
逮捕被疑者の処分状況逮捕後に拘留が行われた事件について
送致先検察庁、起訴・不起訴等の処分結果、公訴を提起した裁判所等
出典:「交通事故の被害者とその家族の方々へ|神奈川県警察」をもとに筆者作成

※これらについては、捜査に支障のない範囲に限られます。

2.警察以外の機関による支援、通知制度

警察以外の機関が実施する支援制度には、下記のものがあります。

  1. 検察庁被害者支援員制度
  2. 法務省の各機関における被害者等通知制度等

2-1.検察庁被害者支援員制度

検察庁被害者支援員制度とは、全国の検察庁に「被害者支援員」を配置し、被害者等に下記の支援を実施する制度を指します。

  1. 被害者等からの相談対応
  2. 法定への案内・付添い
  3. 事件記録の閲覧
  4. 証拠品の返還
  5. 関係機関・団体等の紹介など

2-2.法務省の各機関における被害者等通知制度等

法務省の各機関における被害者等通知制度とは、検察庁、地方更生保護委員会または保護観察所から、被害者や家族に対し、事件の処分結果、刑事裁判の結果、有罪裁判確定後の加害者の処遇等について、通知する制度を指します。

これらの通知を希望する場合、事件を取り扱った検察庁に申し出る必要があります。

加害者が少年院送致処分を受けた場合はお近くの少年鑑別所、保護観察処分を受けた場合には、お住いの都道府県にある保護観察所までお問い合わせください。

2-3.被害者等通知制度

検察庁では、被害者等の希望に応じ、下記の通知を行います。

  1. 事件の処分結果
  2. 裁判を行う裁判所及び裁判期日
  3. 裁判の結果
  4. 犯人の身柄の状況、起訴事実、不起訴の理由の概要等
  5. 刑の執行終了予定時期
  6. 受刑中の刑事施設における処遇状況に関する事項
  7. 仮釈放または刑の執行終了による釈放に関する事項
  8. 仮釈放心理に関する事項
  9. 保護観察中の処遇状況等に関する事項

2-4. その他の法務省の各機関における通知制度

上記のほか、少年院、地方更生保護委員会または保護観察所から、被害者等の希望に対し、保護処分を受けた加害者に係る下記の通知を行います。

  1. 収容されている少年院の名称等の事項
  2. 少年院在院中の教育状況等に関する事項
  3. 出院に関する事項
  4. 仮退院審理に関する事項
  5. 保護観察中の処遇状況等に関する事項

3.警察が被害者や家族にお願いすること

原則、警察は被害者等に対し、犯人特定のための捜査協力、処罰確定に必要な証言等を求めます。

4.事故の加害者が処罰を受ける際の手続き

交通事故が発生した場合、下記の流れで加害者は処罰されます。

  1. 捜査
  2. 事件送致
  3. 起訴
  4. 公判

4-1.捜査

捜査とは、犯人を特定し、事件関係を明らかにして犯人を処罰するために行う活動をいいます。

具体的には、下記のような活動を行います。

事情聴取事故状況等について警察官が聞き取り、供述調書を作成
実況見分交通事故の現場、周囲の状況、衝突形態、事故車両等を詳しく調べ、事故状況と原因を明らかにするもの
当事者の立会いが必要になるほか、事故時に着用していた洋服、その他証拠品の提出を求められる場合も

4-2.事件送致

事件送致とは、警察官等の司法警察職員が捜査した事件を検察官に送ることをいいます。

警察は、一定の証拠に基づき、犯人であると認められる者を「被疑者」と呼び、下記の手続をとります。

被疑者を逮捕する場合捜査のために必要な場合、被疑者を逮捕
身柄の拘束時から48時間以内に関係書類・証拠品等を検察官に送致
※継続的な拘束が必要な場合、最長20日間被疑者を勾留する場合がある
被疑者を逮捕しない場合被疑者を逮捕せず、任意で捜査を行った場合、捜査終了後、関係書類・証拠品等を検察官に送致

4-3.起訴

起訴とは、警察から送致された証拠等に基づき、被疑者を裁判にかけるかどうか判断することをいいます。

起訴公判請求公開の裁判を請求
略式請求書面審理により罰金・科料を命じる裁判を請求
不起訴裁判にかけない

4-4.公判

公判では、裁判官が証拠により審理し、判決を下します。

公判に際し、被害者等に証人として証言を求める場合がありますが、下記が認められます。

  1. 裁判所が適当と認める人に付き添ってもらうこと
  2. 被害者が被告人、傍聴人から見えないよう遮蔽物を設置してもらうこと
  3. 別室からビデオモニターを通じて証言すること

上記の他、下記の制度を利用することができます。

  1. 正当な理由が認められる場合、事件記録の閲覧・コピーすること
  2. 刑事裁判に参加し、被害者・家族の心境・意見を述べること
  3. 申出を行うことで、公判を優先的に傍聴すること
  4. 少年事件の場合、家庭裁判所から審判結果等の通知を受けること
  5. 検察庁で冒頭陳述の要旨を記載した書面を受け取ること
  6. 被告人との間で示談した場合、当示談の内容を刑事裁判の調書に記載してもらうこと
  7. 被害者参加人となった場合、弁護士の選定を請求すること
  8. 刑事事件で起訴されている犯罪事実を原因とした不法行為による損害賠償を被告人に命ずるよう申立ができる損害賠償命令制度を活用すること
  9. 加害者の更生保護について、意見を述べること

5.自動車の保険制度

交通事故の被害者に対し、下記の保障制度があります。

5-1.自賠責保険

自賠責保険とは、交通事故による被害者や家族の保護を図る目的で、車1台ごとに加入を義務づけられている保険を指します。

保険金を請求するには、各保険会社に対し、交通事故証明書、診断書等の必要書類を提出して損害賠償額の支払を請求します。

被害者請求被害者や家族から、加害者が締結している損害保険会社等に請求
加害者請求損害賠償金を支払った運転者又は自動車の所有者から損害保険会社に請求

請求期間は、
加害者請求の場合、平成22年4月1日以降の事故については支払日から3年以内
被害者請求の場合、死亡の場合は死亡日、後遺障害の場合は症状固定日から3年以内
です。

5-2.任意保険

任意保険とは、自賠責保険で補いきれない損害賠償を保障する保険を指します。

5-3.自動車損害賠償補償事業

自動車損害賠償補償事業とは、自賠責保険から救済が受けられない被害者の救済を目的に、損害を塡補する制度を指します。

自賠責保険との違いは、下記の通りです。

自賠責保険政府の補償事業
区分加害者及び被害者被害者のみ
支払限度額死亡、傷害、後遺障害に応じて人身事故による損害を対象に支払自賠責保険と同額だが、社会保険等による給付がある場合、その金額が差し引かれる
減額等被害者に重大な過失があった場合に減額民法上の過失相殺が適用される

5-4.その他の賠償請求

自動車による人身事故の損害賠償責任は、加害者本人だけでなく、自動車の所有者や運送事業者等に対し、財産的損害、精神的損害について賠償請求を行うことができます。

この場合、民事手続に従って行う必要があるため、警察が関与することはできません。

交通事故に関する相談窓口

交通事故の相談について、警察、県、市区町村の公的機関、その他各種団体が対応しています。

1.警察の交通事故相談

警察では、各警察署において相談を受け付けています。

1-1. 受付時間

相談日月~金曜日(祝日・休日を除く)
受付時間8:30~17:15
出典:「交通事故の被害者とその家族の方々へ|神奈川県警察」をもとに筆者作成

神奈川県の場合、県警察交通相談センター(045-211-2574)でも同条件にて相談対応を行っています。

1-2.関係機関が行う交通事故相談

相談先電話番号相談日受付時間
そんぽADRセンター0570-022808
※電話リレーサービス・IP電話の場合
東京:03-4332-5241
近畿:06-7634-2321
月~金曜日
(祝日・休日および12/30~1/4を除く)
9:15~17:00
日弁連交通事故相談センター本部0120-078325
または
0570-078325
月~金曜日
(祝日・休日を除く)
10:00~19:00
※12:30~13:00は休憩時間
自賠責保険・共済紛争処理機構0120-159-700平日
(土日祝日及び年末年始を除く)
9:00~12:00
13:00~17:00
法テラス
(日本司法支援センター)
0570-078374おなやみなし
※IP電話・プリペイドの場合は03-6745-5600
平日
(祝日・年末年始を除く)
9:00~21:00

1-3.神奈川県が行う交通事故相談

神奈川県の場合、下記の窓口に相談することもできます。

相談先電話番号相談日受付時間
かながわ県民センター045-312-1121(代)毎週月~金曜日9:00~12:00
13:00~16:00

1-4.神奈川県内の各市区町村が行う交通事故相談

相談先電話番号相談日受付時間
横浜市横浜市役所
市民相談室
045-671-2306毎週月~金曜日
鶴見区役所045-510-1680毎月第1月曜日
西区役所045-320-8321毎月第1火曜日
戸塚区役所045-866-8321毎月第2木曜日
南区役所045-341-1112毎月第1水曜日
保土ヶ谷区役所045-334-6221毎月第3水曜日
港南区役所045-847-8321毎月第3火曜日
旭区役所045-954-6022毎月第2水曜日
磯子区役所045-750-2335毎月第1木曜日
金沢区役所045-788-7721毎月第1金曜日
港北区役所045-540-2221毎月第3金曜日
瀬谷区役所045-367-5636毎月第2金曜日
緑区役所045-930-2219毎月第3木曜日
青葉区役所045-978-2221毎月第2月曜日
都筑区役所045-948-2222毎月第4水曜日
栄区役所045-894-8335毎月第4月曜日
泉区役所045-800-2337毎月第4火曜日
川崎市交通事故相談所高津区役所地域振興課内044-861-3141月~金曜日10:00~12:00
13:00~16:00
中原区役所地域振興課内044-200-3939第3火曜日
(弁護士による相談)
13:00~16:00
(予約制)
相模原市中央区役所市民相談室042-769-8230月曜日13:30~16:00
(予約制)
緑区役所市民相談室042-775-1773第1金曜日
南区役所市民相談室042-749-2171第3月曜日
横須賀市市民部
市民生活課相談室
046-822-8287毎週月・水・金曜日および第1・第3木曜日9:00~12:00
13:00~15:30
藤沢市市民相談室
(交通事故相談)
0466-50-3568毎週水曜日9:00~12:00
13:00~16:00
茅ヶ崎市市民相談室
(交通事故相談)
0467-82-1111月~木曜日13:00~16:00
(電話相談)
厚木市総合相談コーナー046-225-2100第2・3・4金曜日13:00~16:00
(先着)
海老名市市民相談室046-292-0880毎月第4木曜日13:00~16:00
(予約制)
座間市広聴人権課
広聴相談係
046-252-8146毎月第3火曜日13:30~16:00(予約制)
毎月初めの業務開始日8:30~予約受付
愛川町交通事故相談046-285-2111毎月第4水曜日13:00~16:00
(予約優先)

救助・救済制度

交通事故の被害者や家族に対する援助・救済制度は、下記のようなものがあります。

実施機関名称対象者
官公庁が行うもの市町村福祉事務所1.交通事故により父親を亡くして母子家庭となった人
2.収入がなくなった又は減少したことで生活に困窮している人
各種援助・救済機関が行うもの自動車事故対策機構(NASVA)1.自動車事故により、脳、脊椎、胸腹部臓器に重度後遺障害を負い、日常生活において常時または随時の介護を要する人
2.自動車事故により死亡または重度後遺障害が残った人のうち、生活環境が困窮している中学卒業までの子
交通遺児育成基金19歳に達するまでの交通遺児
交通遺児育英会交通事故が原因で死亡した者または重度後遺障害を負った者の子のうち、高等学校以上の学校に通うための学費を必要としている人
自動車事故被害者援護財団主として生計を支えていた者が交通事故により死亡または重度後遺障害を被り、生活困難となった義務教育終了前の子を有する自動車事故被害者家庭
道路厚生会東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社が管理する道路における交通事故により死亡した者の遺児のうち、経済的な理由から就学困難な高校生等
かながわ交通遺児等援護基金交通事故により保護者が死亡または重度障害者となった世帯の児童

犯罪被害による精神面への影響

交通事故による重度のストレスに晒された場合、経過時間により下記の反応が現れる可能性があります。

衝撃期
(Immediately Impact phase)
被害直後から48時間程度1.起こった出来事を現実として受け止められない、信じられない
2.恐怖、怒り、無力感等の否定的な感情が湧く
3.感情、行動のコントロールを失う
4.動悸、過呼吸、発汗、手足の冷感等の身体反応
急性期
(Acute phase)
衝撃期から1か月程度1.ぼうっとしたり、現実感が失われる
2.事件を思い出すことを避けるが、突然思い出したり夢に見る
3.不眠、食欲低下、周囲への警戒心、緊張、イライラ等
慢性期
(Chronic phase)
被害から数ヶ月後1.被害体験を現実として実感するため、恐怖感が募る、深い悲しみを感じる
2.回復が進む一方、PTSDに発展する可能性がある

(1)PTSDとは

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)とは、死の危機に直面することにより精神的衝撃を受けることで、著しい苦痛、生活機能の障害をもたらすストレス障害を指します。

一般的には、下記の症状が持続するといわれています。

侵入事故の体験等のフラッシュバック
回避事故に関連する事物を避ける
過覚醒精神的不安定による不安、不眠等の過覚醒症状
気分や認知の変化自責・他責等の過剰な否定的新年、陰性感情
出典:「交通事故の被害者とその家族の方々へ|神奈川県警察」をもとに筆者作成

(2)精神面への支援

警察では、交通事故の被害者等の精神的被害回復支援のため、臨終心理士、公認心理師を配置しているほか、精神科医、民間のカウンセラー等と連携しています。

カウンセリング等をご希望の場合は、最寄りの警察署までお問い合わせください。

神奈川県の場合、下記の窓口に相談することが可能です。

かながわ犯罪被害者サポートステーション045-311-4727月~土曜日
9:00~17:00
(宿休日、年末年始、かながわ県民センターの休肝日を除く)
神奈川県精神保健福祉センター0120-821-606毎日24時間
(年末年始、土日祝日含む)
※年度初めの4月1日0:00~9:00までは休止
最寄りの保健所保健所管轄区域案内(神奈川県)

税法上の救済制度

交通事故による負傷を原因として、医療費を支払い、身体に障害を負った場合、または配偶者と死別した場合には、所得税が減額される「所得控除」等が認められる可能性があります。

【神奈川県】交通事故の被害者救済制度まとめ

当ページでは、交通事故被害者に対し、神奈川県警察が配布する「被害者の手引」より、被害者救済制度をご紹介しました。

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カテゴリー: 交通事故


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