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当ページでは、満期保険金を受け取ることができる保険商品と、受取り時にかかる税金、計算方法等を解説します。
Contents
満期保険金の対象商品
満期保険金とは、生命保険の保険期間が満了した時点で受け取ることができる保険金を指します。
具体的には、下記の保険商品が該当します。
養老保険 | 死亡保険金と満期保険金の両方が支払われる生命保険商品で、保険期間を自由に設定できる ただし、満期保険金が払込保険料の総額を下回る可能性があり、死亡保障のみと比較すると毎月の保険料も高くなる傾向がある |
定期保険 | 保険期間が決まっている死亡保険を指し、比較的安価な保険料で手厚い保障を受けられるメリットがあるいっぽう、更新に制限がある場合や、年数を重ねるごとに保険料が上がる場合もある |
学資保険 | 子の学資金(教育資金)を支度するための貯蓄型保険で、毎月保険料を支払い、進学時または満期時に額資金を受け取ることができる また、契約者に万一のことがあった場合、それ以後の保険料の払込は免除となる反面、額資金は100%受け取ることができる |
解約返戻金と満期保険金の違い
解約返戻金とは、保険期間の途中で解約した際に払い戻される金銭を指します。
いっぽう、満期保険金は保険が満期を迎えた際に受け取ることができる金銭を指し、契約期間に設定がない場合には存在しません。
両者の違いは、支払事由の発生理由と時期にあります。
解約返戻金を受け取る事ができない保険を「掛け捨て型」といい、保険料が安く設定されているのが特徴でもあります。
満期保険金の受取り時にかかる税金
満額保険金は、「一括」「年金払い(分割)」のいずれかの方法により受け取ることができ、それぞれかかる税金が異なります。
1. 一括で受け取る場合
契約者と受取人が同一で、満期保険金を一括で受け取る場合、受け取った金額は「一時所得」として扱われ、所得税と住民税の課税対象となります。
2. 年金払いで受け取る場合
契約者と受取人が同一で、満期保険金を年金払いで受け取る場合、受け取る金額は「雑所得」として扱われます。
雑所得の額が25万円以上の場合には、課税所得金額に10.21%の税率をかけた金額を源泉徴収される可能性がある点に注意しましょう。
3. 契約者以外が受け取る場合
満期保険金の受取人が契約者と異なる場合、「贈与税」の対象となります。
ただし、一定の相手が受け取る場合には、「特別贈与」と扱われます。
区分 | 概要 | 例 |
---|---|---|
贈与 (一般贈与) | 特例贈与以外の財産をもらった場合 | 配偶者 未成年の子 兄弟姉妹など |
特例贈与 | その年の1月1日時点で18歳以上の人が、直系尊属から財産をもらった場合 | 18歳以上の子、孫(令和4年3月31日以前の贈与については20歳)など |
課税額の計算方法
1. 契約者が受け取る場合
契約者が受け取る場合、満期保険金にかかる税額は、下記のように算出します。
一括受取り | 課税所得金額=(満期保険期-これまでに払込んだ保険料の総額-50万円)×1/2 |
年金払い | 課税所得金額=総収入額-必要経費 必要経費=年金額(年額)×払込保険料の合計金額÷年金の受取総額 |
総収入額とは、各年度の受取金額を指し、必要経費は、払込保険料の総額を満期保険金の総額で割って得た数値を年金額にかけて算出します。
一時所得の場合、増えた金額が50万円以下なら非課税になるわけですね。
2. 契約者以外が受け取る場合
契約者以外が満期保険金を受け取る場合、「総収入金額-基礎控除(110万円)」にて課税額を算出し、下記の税率がかかります。
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | – |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
【注意】確定申告が必要な場合がある
下記に該当する場合、満期保険金について確定申告が必要です。
- 給与所得意外に年間20万円を超える所得がある
- 年収2,000万円以上
- 2箇所以上から給与所得を得ている
- 公的年金を年間400万円以上受けている
- 医療費控除を申請する
- 住宅ローン控除を初めて申請する
- ワンストップ特例制度を利用せず、寄附金控除を受ける
確定申告に必要な書類
満期保険金の確定申告を行う場合、給与所得等の源泉徴収票等のほか、生命保険会社から受け取る支払調書が必要です。
確定申告書の作成は、確定申告作成コーナーの利用が便利です。
満期保険金の受取りに関する節税対策
満期保険金にかかる税金について、下記の対策がオススメです。
- 年金払いを選択する
- 受取人に親族等を指定する
- 契約者死亡時まで受け取らない
1. 年金払いを選択する
一括受取りだと非課税枠を越え、課税対象となる場合でも、年金払いを選択すると非課税となる場合があります。
また、満期を迎える前に、一部解約を選択することで控除額を目一杯活用できる場合もあります。
この場合、解約手数料等が引かれ、本来の受取金額よりも低くなる可能性もありますので、事前に確認しましょう。
2. 受取人に親族等を指定する
契約者以外が受け取る場合、贈与税の課税対象となります。
贈与には、基礎控除額として年間110万円が適用されるため、満期保険金の金額を当該枠内に抑えることで、非課税とすることができます。
一時所得の非課税枠と比べ、贈与税の基礎控除額の方が非課税枠は広いため、うまく活用しましょう。
3. 契約者死亡時まで受け取らない
契約先の保険会社が「転換制度」を設けている場合、満期保険金の対象商品を終身保険に切り替え、契約者死亡時まで満期金として残す方法があります。
終身保険の場合、「相続税」の課税対象となるため、「500万円×法定相続人の数」まで非課税枠が拡大します。
満期保険金の対象商品とかかる税金、注意点まとめ
当ページでは、満期保険金を受け取ることができる保険商品と、受取り時にかかる税金、その他注意点を解説しました。