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審判離婚の流れ、必要な手続、注意点を解説

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当ページでは、審判離婚の流れ、必要な手続、注意点を解説します。

審判離婚とは

審判離婚とは、裁判所が示す「離婚が適切」との決定を機に、離婚が成立する方法を指します。

家事事件手続法(調停に代わる審判の対象及び要件)
第284条  家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(以下「調停に代わる審判」という。)をすることができる。ただし、第277条第1項に規定する事項についての家事調停の手続においては、この限りでない。

審判離婚の効力

審判離婚が確定した場合、その内容は裁判による判決と同じ効力をもちます。

そのため、審判で決まった慰謝料・養育費等の内容が履行されない場合、相手方は強制執行を申立てることができます。

いっぽう、審判の内容に不服がある場合、審判から2週間以内の期間にどちらか一方から異議申立を行うことができ、不成立となります。

審判離婚となる場合

審判離婚が利用されるのは、離婚調停が不成立となった場合のうち、裁判所が「離婚が適切」と判断した場合です。

具体的には、下記の事例が挙げられます。

  1. 離婚自体に争いはないものの、離婚条件で合意に至らない場合
  2. 子の親権を早急に決めたほうがいい場合
  3. やむを得ない事由により一方が調停に出席できず、調停が不成立となった場合
  4. 当事者が調停に代わる審判への移行を希望する場合 など

審判離婚のメリット

審判離婚には、下記のメリットがあります。

  1. 夫婦のプライバシー保護
  2. 確定判決と同じ効力がある
  3. 裁判離婚を避けられる

1. 夫婦のプライバシー保護

原則、裁判は公開の法廷で行われますが、審判離婚の場合、非公開で行われます。

このため、外部に夫婦間の事情を知られる心配がない点は審判離婚のメリットだと言えます。

2. 確定判決と同じ効力がある

審判離婚で確定した内容について、裁判離婚による判決と同じ効力を持ちます。

特に、審判内容が履行されない際、直ちに強制執行を申立てられる点は大きなメリットでしょう。

3. 裁判離婚を避けられる

離婚調停が不成立となった場合、裁判離婚による方法があります。

裁判離婚の場合、多くの時間と手間がかかりますが、審判離婚の場合には、裁判離婚より簡易・迅速な手続による解決が期待できます。

審判離婚の注意点

審判離婚となった場合、下記に注意しましょう。

  1. 相手方の異議申立により無効になり得る
  2. 必ずしも利用できるとは限らない

1. 相手方の異議申立により無効になり得る

裁判所が示した審判内容について、どちらか一方が異議申立を行った場合には無効になります。

無効となった場合は、裁判離婚等を検討する必要がある点に注意しましょう。

2. 必ずしも利用できるとは限らない

審判離婚は、自分の意思で利用できるものではありません。

あくまで裁判所が「離婚が適切」と判断した場合に限られる点に注意しましょう(家事事件手続法 第284条)

審判離婚の流れ

離婚審判は、下記の流れで行われます。

  1. 離婚調停
  2. 裁判所による審判
  3. 審判確定(異議申立てがない場合)
  4. 必要書類の提出

1. 調停離婚

審判離婚を行うには、調停離婚を経る必要があります(家事事件手続法 第268条)

  1. 家庭裁判所に調停離婚の申立て
  2. 離婚調停期日
  3. 第2回以降の調停期日
  4. 離婚調停の終了(成立 又は 不成立)

「4. 離婚調停の終了」が不成立による場合とは、当事者の意見がまとまらない場合や、一方が出席しない場合等において、調停委員が合意の成立が見込めないと判断した場合を指します。

離婚調停が不成立となった場合において、当事者が希望して審判離婚を申立てる事はできない点に注意しましょう。

ただ、裁判所に対し、審判離婚を希望する旨を伝えることはできますので、不成立が見込まれる場合等にはお話してみてください。

2. 家庭裁判所による審判

離婚調停が不成立となった場合、家庭裁判所は「調停に代わる審判」として、離婚を認める審判をすることができます(家事事件手続法 第284条)

具体的には、下記の条件が整った場合です。

  1. 調停成立の見込みがない
  2. 家庭裁判所が相当と認めている
  3. 委員会調停の場合、家事調停委員の意見を聴くこと
  4. 当事者双方に対する衡平と一切の事情を考慮すること

審判となった場合、裁判所から当事者双方に「審判書」が送付され、2週間以内に異議申立を行うことが可能です(家事事件手続法 第279条第2項、第286条)

3. 審判確定

この期間に異議申立がなければ、審判離婚が成立します。

4. 必要書類の提出

審判確定後、下記の書類を市区町村役所に提出する必要があります。

書類提出先
取得先
提出期限
離婚届届出人の本籍地
または
所在地の市区町村役所
審判確定日から10日以内
(確定日を含む)
審判書謄本審判をした家庭裁判所
審判確定証明書
戸籍謄本本籍地の市区町村役所
(本籍地以外の市区町村役所に届出る場合に必要)

審判離婚に関する罰則規定

審判離婚が確定した場合、確定日から10日以内に、市区町村役所に離婚届を提出する必要があります(戸籍法 第77条)

この届出について、正当な理由なく怠った場合、5万円以下の過料に科される可能性があるほか、届出期間後に市区町村役所から催告があったにもかかわらず、更に懈怠した場合には、10万円以下の過料に課される可能性がある点に注意しましょう(戸籍法 第137条、第138条)

審判離婚の流れ、必要な手続、注意点 まとめ

当ページでは、審判離婚の流れと必要な手続、注意点を解説しました。

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榊原沙奈
(さかきばら さな)
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