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当ページでは、遺産に「個人墓地」が含まれる場合の相続手続、注意点を解説します。
Contents
個人墓地とは
個人墓地とは、被相続人名義になっている墓地を指します。
自宅の建っている敷地内にある場合や、所有する山林に建っている場合が個人墓地に該当します。
個人墓地の相続手続
相続財産に個人墓地が含まれる場合、必要な許可を受けているかどうかで取扱いが変わります。
(1) みなし墓地とは
みなし墓地とは、墓地、埋葬等に関する法律(以下、「墓地埋葬法」といいます)の施工前から存在し、墓地埋葬法の施行以前において、行政から許可を受けていたものを指します。
墓地、埋葬等に関する法律
第26条 この法律施行の際現に従前の命令の規定により都道府県知事の許可をうけて墓地、納骨堂又は火葬場を経営している者は、この法律の規定により、それぞれ、その許可をうけたものとみなす。
原則、個人墓地の名義人が死亡した場合、墓地の廃止許可処分を受ける必要があります(墓地埋葬法 第10条第2項)
しかし、個人墓地がみなし墓地に該当する場合、祭祀財産として相続できる場合が多いです。
(2) 無許可墓地とは
いっぽう、墓地埋葬法の施行前後にかかわらず、必要な許可を得ず運営されている墓地を「無許可墓地」といいます。
無許可墓地に該当する場合、墓地埋葬法違反となり、相続することはできません。
個人墓地の許可を確認する方法
個人墓地が許可を受けているかどうかについては、墓地の所在地を管轄する市区町村役所の担当課にて確認することができます。
担当課の名称は各自治体により異なるため、総合案内にて「墓地に関する内容」とお伝えください。
無許可墓地だった場合の対処法
個人墓地が無許可だった場合、6ヶ月以下の懲役 又は 5千円以下の罰金に処される可能性があります(墓地埋葬法 第20条)
ただし、墓地埋葬法の施行前から存在する個人墓地について、刑事訴訟法に定められる公訴期間3年をとっくに過ぎているため、罰則が課される可能性は限りなく低いものと推察します。
この場合、自治体から許可申請を行うよう指導される場合もあるため、適宜相談しながら手続を進めましょう。
個人墓地への納骨
個人墓地を相続する場合、みなし墓地の場合や、無許可墓地について許可申請を行った場合には、納骨可能です。
いっぽう、無許可墓地の場合、納骨を行うことは認められないため、改葬、または廃止を検討しましょう。
個人墓地の改葬手続
改葬とは、特定の墓地に納骨された遺骨を別の墓地に移動することを指します。
- 墓地の管理者に相談する
- 新たな墓地を契約
- 解体工事業者の決定
- 市区町村役所に改葬許可申請所を提出
- 墓石解体工事・更地返還
1. 墓地の管理者がわかる場合
個人墓地の管理者がわかる場合、改葬許可申請所への署名押印、または 埋葬証明書を発行してもらう必要亜あります。
自治体により必要書類は異なりますが、いずれにせよ、管理者の協力が必要です。
改葬許可申請書が受理された後、改葬許可証の交付を受け、遺骨の移動が認められます。
2. 墓地の管理者がわからない場合
個人墓地の管理者がわからない場合、市区町村役所に保管されている「墓地台帳」を確認しましょう。
管理者が死亡し、相続人がわからない場合や、管理者がいない場合は市区町村役所の判断に委ねることになります。
個人墓地の相続手続、注意点まとめ
当ページでは、相続財産に個人墓地が含まれる場合の相続手続と、注意点を解説しました。