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当ページでは、ユーザー車検を受ける際に必要な手続、メリットと注意点を解説します。
Contents
ユーザー車検とは
ユーザー車検とは、自分で車を持ち込んで検査を受ける方法を指します。
一般的には、ディーラーや整備工場に依頼して検査を受けますが、ユーザー車検では全て自分で行うことになります。
ユーザー車検のメリット
ユーザー車検のメリットは、下記の通りです。
- 費用を抑えられる
- 車検の詳細を知ることができる
1. 費用を抑えられる
ユーザー車検の場合、かかる費用は最低限度に抑えられることが最大のメリットだといえます。
ディーラーや整備工場に依頼する場合、同時に整備を行うため、工賃(人件費)やパーツ費用等がかかるほか、混雑状況によっては数日かかることもあり、代車等のレンタル費用がかかることもあります。
いっぽう、ユーザー車検の場合は検査の実施だけなので、数時間で終了します。
その代わり、整備等は別で行う必要があります。
2. 車検の詳細を知ることができる
ユーザー車検の場合、検査項目等の詳細を知ることができます。
ディーラー・整備工場等の場合、相手方に一任すれば検査基準に適合するよう自動で整備をしてくれるため、「人任せ」のようになりますが、ユーザー車検では、検査項目・基準等を身をもって知ることになります。
ユーザー車検の注意点
ユーザー車検を行う際、下記に注意しましょう。
- 点検・整備は別に行う必要がある
- 受付が平日のみ
- 再検査の可能性がある
1. 点検・整備は別に行う必要がある
ユーザー車検で実施するのは、あくまで検査のみです。
検査基準に適合すれば、危うい箇所があっても教えてくれることはありません。
このため、点検・整備は有識者に依頼する必要があります。
点検・整備のみをディーラー等に依頼し、車検は自分で行う方法もあります。
2. 受付が平日のみ
ユーザー車検は、陸運局(自動車検査登録事務所 または 軽自動車検査協会)にて受けることになりますが、受付は平日のみです。
このことから、平日に時間がとれる場合には問題ありませんが、なかなか時間がとれないという方には不向きな方法だといえます。
3. 再検査の可能性がある
ユーザー車検の結果、基準に適合しない箇所があると「再検査」となります。
この場合、不適合となった箇所を改善した後、2週間以内に再検査を受けて合格しなくてはなりません。
再検査の場合でも、かかる費用は返金されません。
ユーザー車検の流れ
ユーザー車検は、下記の流れで実施します。
- 予備検査
- 必要書類の確認
- 予約
- 検査
- 合格後の手続
1. 予備検査
予備検査とは、車検を受ける前に民間業者を利用し、車検の検査項目の測定・調整を指します。
多くの地域では、陸運局の近隣に整備工場があり、測定・調整につき、項目ごとに価格が決められています。
車検において要注意の光軸調整は、2,000円前後で受けられる場合もあります。
地域によって利用できる人、設置場所、料金等がが異なるため、事前に確認しておくと安心です。
2. 必要書類の確認
ユーザー車検に必要な書類は、下記の通りです。
- 継続検査申請書
- 自動車検査証(車検証)
- 点検整備記録簿(後整備の場合は不要)
- 自動車損害賠償責任保険(共済)証明書(新旧両方)
- 手数料納付書
- 自動車重量税納付書
- 自動車税納税証明書(継続検査用)
2-1. 点検整備記録簿とは
点検整備記録簿とは、整備士が行った自動車の整備状況を記録する帳簿を指します。
整備の実施年月日、交換した消耗品、整備時点の走行距離等を記録し、リコール等の内容も記載されます。
法律上、車内に携行することが求められますが、違反に対する罰則規定はありません。
点検整備記録簿は、ディーラー・整備工場等に車検を依頼していれば相手方が記入してくれますが、ユーザー車検の場合、自分で記入する必要があります。
2-2. 自動車損害賠償責任保険証明書とは
自動車損害賠償責任保険証明書とは、自動車の所有者が必ず加入すべき「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」の加入を証明する書類を指します。
運輸局で車検等の手続を行う際、自賠責保険に加入していることを確認するため、提示が求められます。
令和6年(2024年)4月以降の自賠責保険料は、下記の通りです。
12か月 | 13か月 | 24か月 | 25か月 | 36か月 | 37か月 | |
---|---|---|---|---|---|---|
自家用車 | 11,500円 | 12,010円 | 17,650円 | 18,160円 | 23,690円 | 24,190円 |
軽自動車 | 11,440円 | 11,950円 | 17,540円 | 18,040円 | 26,760円 | 23,520円 |
通常、車検時には24か月の加入を行いますが、車検と共に自賠責保険の期間も満了している場合、25か月に加入します。
新車購入時においては、車検期間が3年間のため、37か月の加入期間を選択することになります。
2-3. 手数料納付書とは
車検の際、「自動車検査登録印紙」「自動車審査証紙」の印紙を貼付する必要があります。
これらの印紙代は、国・独立行政法人自動車技術総合機構に車検に必要な手続に生じる手数料を納付するために貼付します(道路運送車両法 第102条)
法定費用である自賠責保険・自動車重量税と共に、ユーザー車検、ディーラー・整備工場等での車検、いずれの場合も必要なものです。
ただし、車検の費用は工場により異なります。
指定工場で車検を受ける場合、証紙が不要ですが、指定工場以外で車検を受ける場合、検査手数料として証紙が必要になります。
証紙は、5ナンバーで1,700円、3ナンバーで1,800円です。
2-4. 自動車重量税とは
自動車重量税とは、所有する自動車の重量・車種・新車登録からの経過年数に基づき課される税金を指します。
自動車重量税は、自治体に納める「自動車税」と同様に1年ごとに課されますが、納付は車検時にまとめて行うのが一般的です。
重量税を納付しなければ、新車の購入はおろか、車検に合格することもできません。
ユーザー車検の際、自動車重量税納付書には下記を記載します。
- 自動車登録番号 または 車両番号(ナンバー)
- 氏名
- 住所
- 自動車検査証の有効期間
- 自家用・事業用の別
- 納付税額
- 自動車の区分等(車両重量を含む)
納付税額は、車両重量・車種・年数・エコカー減税の4項目により変動します。
エコカー減税対象車の場合、重量税における軽減措置を受けることができるほか、新しいほど税額が抑えられる特徴があります。
反対に、新車登録から13年・18年を経過する場合、車両の重量・車種に限らず税額が高くなるため、買い換えを勧められることもあります。
2-5. 自動車税納税証明書とは
自動車税とは、毎年4月1日時点で自動車を所有している人に課される税金で、税額確定後、毎年5月上旬に納付書が送付されます。
納税期限は5月31日で、この納付書が自動車納税証明書となります。
軽自動車の場合、普通自動車と異なり「軽自動車税」として課税されます。
自動車税の場合は、廃車時に還付を受けられる場合がありますが、軽自動車の場合には受けられない点で異なります。
納付期限内の場合、クレジットカード払いも可能ですが、納期限を過ぎた場合、自動車税事務所、各種金融機関、県税事務所でしか支払ができなくなる点に注意しましょう。
3. 予約
ユーザー車検を受ける場合、事前予約が必要です。
乗用車の場合 | 自動車検査インターネット予約システム |
軽自動車の場合 | 軽自動車検査予約システム |
今日に明日、予約をとれるとは限りませんし、車検の有効期間満了直前に予約した場合、再検査となった場合に困るため、余裕をもって予約をとりましょう。
4. 検査
予約当日、受付を済ませ、検査ラインに車を移動します。
検査ラインは自動と手動に区別され、一般の方は自動コースがオススメです。
自動コースの場合、電光掲示板・音声案内に従って進めます。
5. 合格後の手続
検査に合格したら、窓口に書類を提出しましょう。
新たな自動車検査証(車検証)・ステッカーを受取り、記載された氏名・住所等に間違いがあればその場で申し出て下さい。
5-1. 再検査の場合
再検査となった場合、「限定自動車検査証」の交付を希望することができます。
この場合、再検査を受ける際、該当箇所のみ検査を受けることができるほか、指定工場に整備を依頼すると、限定保安基準適合証の交付を受けることも可能です。
限定自動車検査証・限定保安基準適合証を併せて提出した場合、車両の持込がなくとも、車検証の交付を受けることができます。
限定自動車検査証の有効期限は15日ですので、すぐに動ける方向けです。
車検の満了日を確認する方法
車検の満了日は、車検ステッカーのほか、車検証に記載されています。
車検ステッカーを確認する際は、車内から記載されている日付を確認しましょう。
車検の有効期間が切れた場合
車検の有効期間が満了した場合、公道を走ることはできません。
この場合、道路交通法違反に該当し、6か月以下の懲役、又は 30万円以下の罰金に処されるほか、免許停止の行政罰が科される可能性があります。
このため、車検の有効期間を満了した自動車について、業者に引取を依頼する、又は 仮ナンバーを取得しましょう。
車検を受けるタイミング
車検は、満了期間の30日前から満了日までの間に受けることができます。
この時期よりも早く受けることも可能ですが、この場合、次回の車検時期が前倒しになるため、オススメできません。
有効期間満了日の30日よりも前に車検を受けた場合、その日から2年間が有効期間となるんですね。
多くの車検業者は「早期予約割引」を実施していますが、あまり早く出し過ぎると損をする可能性があることに注意しましょう。
また、車検について見積もりを取る場合の金額は概算です。
実際に車検を受ける際に、追加費用がかかる場合もありますので、時期・資金に余裕をもって車検を受けましょう。
ユーザー車検に必要な手続、メリット、注意点 まとめ
当ページでは、ユーザー車検に必要な手続、メリットと注意点を解説しました。