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当ページでは、民事調停の対象、利用方法、注意点を解説します。
Contents
民事調停とは
民事調停とは、裁判のように勝敗を決めるものではなく、話し合いにより紛争の解決を図る手続を指します。
民事調停で取り扱う事件
民事調停で取り扱う事件は、下記の通りです。
- 貸金、立替金
- 給料、報酬等
- 家賃、地代の不払い等
- 宅地建物の貸借・利用等
- 近隣関係
- 交通事故の損害賠償など
民事調停を利用するメリット
民事調停には、下記のメリットがあります。
- 手続が簡単で費用が安い
- 円満で迅速な解決が期待できる
- プライバシーが守られる
- 判決と同じ効力がある
1. 手続が簡単で費用が安い
通常の訴訟に比べ、民事調停は手続が簡単で、専門知識のない一般の人でも、申立から終了までの手続を自分で行う場合が多いです。
また、民事調停では、裁判所が選任する調停委員が間に入り解決を目指すので、当事者のみで話し合うよりもスムーズに進む可能性が高くなります。
民事調停と訴訟にかかる費用を比較すると、調停は、訴訟の約半額で済みますし、かかる時間も短期で済むため、弁護士費用も抑えられます。
2. 円満で迅速な解決が期待できる
訴訟の場合、判決という形で白黒はっきりつけることになりますが、調停の場合、当事者の合意を大前提とした運用がなされるため、円満な解決が期待できます。
また、解決まで1年以上を要する訴訟と比較し、調停は3か月から6か月程度で成立することも多く、早期解決が期待できる点も大きなメリットです。
3. プライバシーが守られる
原則、公開の法廷で行われる訴訟と異なり、民事調停は非公開で行われます。
調停委員には守秘義務があり、当事者以外から自分たちの秘密が漏れる可能性は極めて低いといえます。
4. 判決と同じ効力がある
民事調停が成立し、当事者が合意した内容は調停調書にまとめられます。
調停調書は、判決と同じ効力をもつため、調停で合意した内容が履行されない場合には、強制執行を申立てることが可能です。
民事調停を検討する際の注意点
民事調停を検討する場合、下記に注意しましょう。
1. 相手方が欠席すると進まない
民事調停の場合、訴訟でいう「欠席判決」制度がなく、相手方が出席しなければ話し合いは進みません。
欠席判決とは、被告が欠席した場合は原告の請求通りの判決が下されるものです。
2. 調停期日は平日
調停期日は平日に設定されるため、当事者が休暇を取れない等の事情がある場合には、不適切だといえます。
3. 長期化する可能性がある
民事調停では、訴訟のように判決が下されることはありません。
このため、当事者双方が譲らず、なかなか成立に至らない場合には、解決まで時間がかかる点に注意しましょう。
民事調停 手続の流れ
民事調停は、下記の流れで行います。
- 簡易裁判所に申立て
- 調停期日の決定、呼び出し
- 調停調書の作成
1. 簡易裁判所に申立て
民事調停の申立て先は、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に行います。
調停申立書は、裁判所公式サイト または 簡易裁判所の受付窓口にて入手することができ、必要事項を記入し、押印して提出しましょう。
申立書の書き方・手続について不安がある場合、簡易裁判所の窓口にて相談することも可能です。
申立てに際し、申立手数料・郵便料金がかかります。
手数料は、対象額が10万円まで500円、100万円までは5,000円です(出典:手数料 | 裁判所 (courts.go.jp))
2. 調停期日の決定、呼び出し
裁判所は、裁判官1人、調停委員2人以上による「調停委員会」を構成し、調停期日を決定します。
期日には、申立人と相手方が裁判所に呼び出され、裁判所内の調停室にて話合いが行われます。
当事者同士が顔を合わせたくない場合、別々の部屋で待機し、交互に調停室で話合いを進めることも可能で、1件の事案について、2回から3回程度の調停期日が行われます。
3. 調停調書の作成
調停が成立し、合意に至った場合、合意内容を調停調書に記載します。
調停調書は、判決と同じ効力をもつため、記載内容を相手方が履行しない場合には、強制執行が可能です。
調停がまとまらず、解決の見込がない場合、調停不成立として手続は打ち切られます。
この場合、それまでの経過を考慮し、裁判所が決定(「調停に代わる決定」といいます)を示すこともあり、当事者双方が納得すれば、調停成立と同じ効果をもちます。
どちらか一方でも異議申立を行うと、調停に代わる決定は無効となり、訴訟に場を移して争うことになります。
民事調停の対象、利用方法、注意点 まとめ
当ページでは、民事調停の対象となる事件、利用方法、注意点を解説しました。