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当ページでは、侮辱罪の成立要件と罰則、侮辱された際の対処法を解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′) / 榊原行政書士事務所 代表行政書士 / 3級FP技能士 / やぎ座のO型 / 趣味は写真を撮ること、神社をめぐること
侮辱罪とは
侮辱罪とは、具体的な事実を摘示せず、不特定 または 多数の人が見られる状況下で、他人を侮辱することを内容とするものです(出典:刑法第231条)
侮辱罪の成立要件
下記に該当する場合、侮辱罪が成立する可能性があります。
- 事実を摘示せず
- 不特定 または 多数の人が認識できる状態で
- 他人に対し、軽蔑の表示を行う
1.事実を摘示せず
事実を摘示せずとは、侮辱の対象となる事実(理由)を具体的に示さないことをいいます。
いっぽう、事実を摘示するものは「名誉棄損」に該当する可能性があります。
2.不特定 または 多数の人が認識できる状態で
侮辱罪が成立するには、不特定または多数の人が認識できる状態で侮辱されたことが求められます。
このため、当事者以外のいない空間(インターネットの場合はDM等)で行われる侮辱行為は、原則、侮辱罪に該当しません。
SNS、インターネット上の掲示板等への書き込みは、侮辱罪を成立させる可能性が高いです。
3.他人に対し、軽蔑の表示を行う
他人とは、個人に限らず、特定の法人・団体まで含みます。
軽蔑の表示とは、「バカ」「ブス」等の軽口であっても該当する可能性がある点に注意しましょう。
侮辱罪の罰則規定
侮辱罪に該当する場合、「1年以下の懲役 」「禁錮」「30万円以下の罰金」または「拘留」「科料」に処される可能性があります。
拘留は、1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置されるのに対し、科料は、1000円以上1万円未満の金銭を支払うものです。
端的にいえば、身柄を拘束される刑 または お金を支払う刑です。
なお、令和7年(2025年)頃までに改正刑法として、「懲役」「禁錮」が一本化された「拘禁刑」が施行されることになります。
侮辱された際の対処法
侮辱された場合、下記の対処法が考えられます。
1.証拠を集める
侮辱をされた場合、証拠を残しましょう。
インターネットやSNSの場合、相手を特定する必要があり、コンテンツプロバイダ(X、掲示板の管理者等)、アクセスプロバイダ(NTT、KDDI等)への請求が考えられます。
2.刑事と民事で対処する
侮辱に対し、被害者がとれる方法は「刑事」「民事」に分類されます。
このうち、刑事訴訟を行う場合は、1で集めた証拠をもとに告訴状を作成し、警察に提出します。
いっぽう、民事で責任を問う場合、加害者または裁判所に対し、「慰謝料請求」「削除請求」を行います。
自分で手続き、交渉等を行うのが難しいと感じたら、弁護士または認定司法書士までご相談ください。
侮辱罪の成立要件、罰則、対処法まとめ
当ページでは、侮辱罪の成立要件と罰則、対処法を解説しました。