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故人が所有していたネット証券口座、暗号資産、NFT(非代替性トークン)、そして電子マネーなどの資産を相続する際、正確な確認方法や手続きが求められます。これらのデジタル資産は、物理的な形態ではなく、デジタルで管理されているため、通常の遺産相続とは異なる取り扱いが必要です。
本記事では、これらのデジタル資産の確認方法から相続手続き、さらには相続対策まで詳しく解説します。遺族が安心して資産を引き継ぐために知っておくべき重要な情報をお伝えします。
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ネット証券口座
1.ネット証券口座の確認方法
故人のネット証券口座を確認するには、以下の方法が考えられます。
- 故人のパソコンやスマホの履歴、アプリを確認する
- 証券会社からの書面を確認する
- 故人の預金通帳に証券会社に関する入出金がないか確認する
- 証券保管振替機構へ問い合わせる
①故人のパソコンやスマホの履歴、アプリを確認する
ネット証券口座を開設している場合、故人のパソコンやスマホ内に取引証券会社の手がかりが残っている可能性があります。この場合、以下の方法で証券会社名を特定しま しょう。
パソコンの場合 | ①ブラウザのブックマークやお気に入りに証券会社の有無を確認する ②ブラウザの閲覧履歴から証券会社へのアクセスの有無を確認する ③メールソフトの受信ボックスに「証券」「銀行」等のワードでフィルタをかけ、証券会社からのメールを確認する ④Google、Microsoft Edge等の検索履歴から証券会社名の有無を確認する ⑤パソコン内の検索機能を使い、「証券」のワードでフィルタをかけ、ファイル等を確認する |
スマホの場合 | ①ネット証券に関するアプリの有無を確認する ②ブラウザのブックマーク等に証券会社の有無を確認する ③ブラウザの閲覧履歴から証券会社の有無を確認する ④Google、MicrosoftEdge等の検索履歴から証券会社名の有無を確認する ⑤メッセージアプリの受診フォルダにおいて、「証券」のワードでフィルタをかけメッセージの有無を確認する |
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②証券会社からの書面を確認する
ネット証券口座を開設する場合、本人確認のために簡易書留郵便で書類が郵送されるケースがあります。そのため、口座開設時完了に関する資料や、その他証券会社からの郵便物を故人が保管している可能性があります。
これらの資料を発見することができたら、当該証券会社に問い合わせましょう。
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③故人の預金通帳に証券会社に関する入出金がないか確認する
ネット証券口座に対し、故人が投資用資金等のための入出金を行っているケースがあります。この場合、預金通帳や取引明細書等で証券会社名の有無を確認しましょう。また、投資による配当等が銀行口座に入金されているケースもあることから、証券代行部等の表記を確認することをお勧めします。
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④証券保管振替機構へ問い合わせる
証券保管振替機構とは、日本の金融市場における証券の保管、振替、決済を担う中央機関です。主に証券取引のインフラ業務を担う機関で、上場企業の株式等の所在をすべて把握しています。そのため、証券保管振替機構に対し、故人の証券取引について開示請求を行うことにより、取引があった証券会社名を特定できる可能性があります。
ただし、非上場の投資信託や外国株式、国債、社債等については証券保管振替機構の管轄外であり、特定できないことに注意しましょう。
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ネット証券口座の相続手続き
ネット証券会社の相続手続きは、一般的な銀行や証券会社と同じ流れを辿ります。具体的には、以下の通りです。
- ネット証券会社への連絡
- ネット証券会社から必要書類の受取り
- 相続手続き
①ネット証券会社への連絡
ネット証券会社が特定できたら、故人が亡くなったことを連絡します。ほとんどの場合、相続専門窓口が設置されているため、公式ホームページ等からご確認ください。
証券会社は、当該連絡を受けた時点で故人の口座を凍結し、相続に必要な手続きの案内を受けます。
②ネット証券会社から必要書類の受取り
凍結された故人の証券口座について、相続人への承継手続きが必要です。そのため、手続きに必要な書類が郵送され、指示に従って準備することになります。
③相続手続き
証券会社から送付された書類を基に、相続手続きを行います。作成すべき書類や添付書類等については、各企業により異なりますので事前に確認しましょう。一般的には、遺言書、または遺産分割協議書、その他戸籍書類や印鑑登録証明書が求められます。
証券会社の相続手続きでは、同じ機関に証券口座を持っていることが求められます。そのため、相続人が当該期間に証券口座をお持ちでなければ、開設手続きから始めなければなりません。
ネット証券口座の相続対策
ネット証券口座の相続対策としては、取引の有無、取引先の証券会社名を家族等に共有しておくと安心です。ネット証券口座の相続手続きにおいて、ログイン情報を求められることはありませんので、遺言書やエンディングノート、その他メモを残しておくだけでも遺族は助かるのではないでしょうか。
暗号資産(仮想通貨)
暗号資産(仮想通貨)の確認方法
故人が暗号資産取引を行っていた場合、ウォレットを探す必要があります。
暗号資産のウォレットとは、暗号資産を安全に保管・管理するためのデジタルツールです。ウォレットは、暗号資産の取引を行うために必要な「秘密鍵(プライベートキー)」や「公開鍵(パブリックキー)」を管理する役割を担います。秘密鍵は、暗号資産の所有権を証明する重要な情報であり、これを使って暗号資産の送金や取引が行われます。
ウォレットの種類
ウォレットは、以下に分けられます。
①ホットウォレット
ホットウォレットとは、暗号資産を流動性が高い状態で保管するものです。
②コールドウォレット
コールドウォレットとは、秘密鍵の情報を物理的にインターネットから切り離し、オフラインの状態で保管しやすくしたものです。
大区分 | ホットウォレット | コールドウォレット | |||
---|---|---|---|---|---|
種類 | ウェブウォレット (取引用ウォレット) | モバイルウォレット | デスクトップウォレット | ハードウェアウォレット | ペーパーウォレット |
特徴 | オンラインで保管 | スマホアプリで保管 | パソコンのソフトで保管 | 専用デバイスで保管 | 紙に印刷して保管 |
ホットウォレットの探し方
①ウェブウォレット(取引用ウォレット)
暗号資産の入手先として、最も一般的なのは暗号資産取引所(交換所)で購入する方法で、取引所内のウォレットに保管することになります。そのため、契約者の所有する暗号資産はインターネット上で取引所の画面から確認することが可能です。当該口座は取引所のサーバーで管理され、契約者はインターネットを介してアクセスします。
このような性質を持つウェブウォレットは、ネット証券口座の探し方と同じように、故人のパソコンやスマホに残されたアプリ、受信メール、ブラウザの履歴、Webの検索履歴、預貯金口座の入出金記録などを糸口に特定することになります。ただし、ネット証券口座のように紙の書類が郵送されることはないため、難易度は高めだといえます。
②モバイルウォレット
モバイルウォレットとは、スマホアプリで管理するもので、必要なときを除いてオフラインにすることでセキュリティを確保するタイプのウォレットです。ですので、スマホのパスコードロックを解除することができれば、アイコンの有無を確認することで特定できる可能性があります。
万が一、スマホのロックを解除できない場合には、パソコンやクラウド等のバックアップデータを確認する方法も考えられます
③デスクトップウォレット
デスクトップウォレットとは、パソコン版のモバイルウォレットと考えていただいて構いません。専用アプリで動作するため、パソコン内のアプリ一覧や、ショートカットアイコンから特定することができます。
コールドウォレットの探し方
①ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットとは、ハードウェア内で管理するもので、USBメモリスティックや外付けハードディスクに専用ソフトをインストールしてウォレット化するほか、ウォレット専用デバイスとして作られたものもあります。そのため、他の周辺機器と見分けがつかないおそれもありますので、暗号資産取引を行っていた可能性がある場合には、これらにも注意しましょう。
②ペーパーウォレット
ペーパーウォレットとは、秘密鍵をQRコード等に変換してプリントアウトし、書類として物理的に保管するものをいいます。この場合、預貯金通帳や印鑑、保険証券等と一緒に管理されているケースが多いため、他の類型に比べると特定は容易かと思います。
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暗号資産の相続方法
暗号資産について、その保有を証明する方法は秘密鍵のみとなります。ですので、ウォレットを見つけ、秘密鍵を得る意外に承継する手段はありません。
ただし、取引所で管理されているウォレットについては、契約者は秘密鍵を取引所に預けて運用しており、遺族から連絡することになります。この場合、以下の流れで手続きを行います。
- 取引所のホームページから専用ページを探し、連絡する
- 必要書類を取引所に提出する
- 取引所から相続資料が郵送される
- 残高を確認後、売却依頼を送付する
- 代表相続人の口座に円換算された残高が入金される
ネット証券口座とは異なり、暗号資産は口座解約と同時に日本円に換金され、相続人の指定口座に振り込まれます。換金レートは、故人の死亡時に基づきますが、ニッチな銘柄の場合、個別対応となるケースも考えられます。
暗号資産の相続対策
暗号資産を遺すには、原則、秘密鍵を共有する必要があります。そのため、利用する暗号資産取引所やウォレットの保管場所に関し、遺言書やエンディングノートに記載しておくと安心です。
NFT(非代替性トークン)
NFTの確認方法
故人がNFTを保有している場合、暗号資産と同様にウォレットを探すことになります。
NFTの相続方法
NFTのうち、暗号資産取引所で保有している場合、取引所に故人が亡くなったことを伝え、承継手続きを行います。ただし、故人が管理していたものについては、遺族が本体を探し出す必要があります。
NFTの相続対策
NFTの相続対策は、暗号資産と同様です。利用する暗号資産取引所や保管場所を記録し、もしものときに伝わるようにしておくと安心です。
電子マネー(キャッシュレス決済)
電子マネーの確認方法
故人がキャッシュレス決済サービスを利用していた場合、スマホまたはタブレットを確認するのが近道です。スマホのパスコードロックを解除することができる場合、インストール済のアプリから該当するものを見つけましょう。
キャッシュレス決済の種類
主なキャッシュレス決済を下表にまとめます。
タイプ | サービス名 |
---|---|
チャージ | PayPay |
auPAY | |
メルペイ | |
楽天キャッシュ | |
楽天Edy | |
FamiPay | |
nanacoペイ | |
モバイルSuica | |
その他 | Apple Pay |
Google Pay | |
ゆうちょ Pay | |
ハイブリッド | d払い |
スマホのロックが解除できない場合
スマホのロックが解除できず、キャッシュレス決済の確認が困難な場合、以下の方法が考えられます。
- 周辺機器を確認する
- お金の流れから確認する
①周辺機器を確認する
スマホと連携しているウェアラブル端末がある場合、端末内にインストールされたアプリや利用履歴が残っている可能性があります。また、パソコン等のバックアップデータが残っている場合もありますので、諦めずに確認しましょう。
②お金の流れから確認する
キャッシュレス決済のうち、チャージ型のサービスを利用している場合、預金口座やクレジットカードの利用明細から確認できるケースがあります。
電子マネーの相続方法
キャッシュレス決済の多くは、利用規約に相続対象とならない旨の記載があります。しかし、一部の決済サービスでは相続可能なケースもありますので、運営元に連絡することから始めましょう。
企業ポイントがある場合
運営元が付与する企業ポイントがある場合、ほとんどが相続対象とはなりません。ただし、JALやANA、ヨドバシカメラのように承継できるケースもあります。
おわりに
デジタル資産の相続は、従来の相続手続きとは異なる部分が多いため、事前にしっかりと対策を講じておくことが重要です。遺言書やエンディングノートに必要な情報を記載しておくことで、遺族がスムーズに手続きを進められるようになります。この記事を参考に、故人の大切な資産を確実に引き継ぐための準備を進めましょう。もし不明点があれば、専門家に相談することをお勧めします。
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