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空き家の問題は、多くの人々にとって頭を悩ませる課題となっています。実家や所有する不動産が空き家となると、管理が難しくなるだけでなく、自治体によって特定空き家に指定されるリスクも伴います。
このページでは、空き家を所有している方向けに、特定空き家制度の概要や空き家に指定された場合のリスク、さらに空き家をどのように活用するかについて詳しく解説します。
Contents
空き家とは
空き家とは、建築物、またはこれに附属する工作物を使用していない状態が続いているものと、その敷地のことをいいます。ただし、国や地方公共団体が所有し、管理するものについては除かれます。
空き家に指定される要件
空き家に該当する不動産のうち、以下に該当するものは「特定空き家」となります。
- 倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある
- 著しく衛生上有害となるおそれがある
- 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置が不適切である
要するに、近隣に悪影響を及ぼし、早急な対応を求められる空き家は特定空き家となる可能性が高いと言えます。
保安上の危険とは
保安上の危険とは、行政が用いる「応急危険度判定士」マニュアルを基に判断されます。このマニュアルにおける「保安上の危険」は、建物や施設の構造的な問題、火災やガス漏れ、さらには二次災害のリスクなど、迅速に対応しなければならない危険要素を指し、以下のような状態をいいます。
リスク | 確認項目 | 具体例 |
---|---|---|
建物の倒壊リスク | ・構造的な損傷 ・倒壊による二次災害 | 壁が避ける、柱が傾く |
火災のリスク | ・火元の確認 ・延焼の危険 | 災害後の火災発生やガス漏れがある場合 |
ガス漏れ・爆発のリスク | ・ガス管の破損 ・化学物質の漏洩 | 地震などでガス管が破損し、ガスが漏れている場合 化学工場や倉庫などで危険物が漏洩している場合 |
電気設備の危険 | ・電線の断線やショート ・電気機器の不良 | 災害後に電気設備が破損し、断線した電線が地面に落ちている場合 壊れた電気機器が火花を散らしている場合 |
液体や燃料の漏れ | ・燃料タンクやガソリンの漏れ ・有毒物質の漏れ | 車両や発電機などの燃料タンクが損傷し、ガソリンや軽油などの可燃性液体が漏れている場合 工業湿雪や倉庫などで有害な化学物質が漏れた場合 |
道路や構造物の崩壊リスク | ・道路の損傷や落石 ・橋梁の損傷 | 地震や土砂崩れ後に道路がひび割れたり、落石が起こる場合 地震後に橋が損傷している場合 |
避難経路の確保の問題 | 避難路の遮断 | 地震や火災の影響で避難経路が塞がれた場合 |
上記がそのまま適用されるわけではなく、あくまで行政の判断に委ねられますので、特定空き家に指定されないよう適切な管理が求められます。
特定空き家に指定されるまでの流れ
特定空き家に指定される際、以下の流れを辿ります。
- 助言
- 指導
- 勧告
- 命令
端的に言えば、3.勧告までの段階で改善が見られなければ特定空き家に指定されることとなり、行政による措置が講じられることとなります。
特定空き家に指定されたると起きること
特定空き家に指定された場合、以下の措置がとられる可能性があります。
- 固定資産税、都市計画税の特例対象から外れる
- 50万円以下の罰金が科せられる
- 行政代執行とかかる費用の請求を受ける
1.固定資産税、都市計画税の特例対象から外れる
不動産を所有していると、固定資産税・都市計画税が課税されます。しかし、居住用住宅に供される面積のうち200㎥までは「小規模住宅用地」として扱われ、「小規模宅地の特例」という制度の対象となります。
小規模宅地の特例は、200㎥以下の固定資産税を6分の1に、200㎥を超える部分の固定資産税を3分の1まで軽減してくれる制度です。都市計画税についても同様に、200㎥以下は3分の1、200㎥を超える部分は3分の2まで軽減されます。
この点、特定空き家に指定されると対象から外れることとなり、最悪の場合、これまでと比較して固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍となるおそれがあります。
2.50万円以下の罰金が科せられる
行政から勧告を受けたにもかかわらず、適切な措置をとらないまま命令に至った場合、不動産の所有者に対し、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
3.行政代執行とかかる費用の請求を受ける
行政からの命令段階において、50万円以下の罰金を納めてもなお適切な措置をとらない場合には、行政による代執行が行われます。代執行とは、本来所有者がとるべき措置について、行政が代わりに行うことを指します。
具体的には、強制撤去等の措置がとられることとなり、不動産は取り壊され、跡形もなくなるおそれがあります。また、撤去にかかる費用はすべて所有者が支払わなければなりません。
特定空き家に指定された場合の対処法
特定空き家に指定された場合、適切な処置をとることで解除することができます。
おそらく、特定空き家に指定されるまでの「助言」「指導」のプロセスにおいて、なぜそのような措置がとられているのかという理由が開示されているかと思います。ですので、その原因を取り除き、当該自治体に対して解除を申し立てることとなります。
万が一、理由がわからぬまま指定されている場合、不動産のある住所地の市区町村役所に対し、詳細を問い合わせましょう。
特定空き家への指定を回避する方法
特定空き家への指定を回避するには、空き家のままにしておくのではなく、「住む」「貸す」「売る」「活用する」などの方法を検討しましょう。
所有する不動産についての取り扱いでお困りの場合は、以下に相談することができます。
窓口 | 連絡先・受付時間 | 運営団体 |
---|---|---|
空き家ワンストップ相談窓口 | ☎0120-336-366 📧入力フォーム 9:00-17:00 | NPO法人 空家・空地管理センター |
空家相談窓口 | ☎042-453-8000 📧入力フォーム 9:00-18:00 | 一般社団法人 日本空家対策協議会 |
神奈川県の相談窓口
市町村 | 担当課 | 連絡先 |
---|---|---|
横浜市 | 住宅政策課 | 045-671-4121 |
空家の総合案内窓口 (横浜市住宅供給公社) | 045-451-7762 | |
各区役所の担当部署 | 横浜市HPをご参照ください 🛜https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/jutaku/sien/akiya/kinrinnoakiyatou.html | |
川崎市 | 住宅整備推進課 | 044-200-2253 |
すまいの相談孫口 (川崎市住宅供給公社) | 044-244-7590 | |
川崎区役所地域振興課 | 044-201-3132 | |
幸区役所地域振興課 | 044-556-6608 | |
中原区役所地域振興課 | 044-744-3282 | |
高津区役所地域振興課 | 044-856-3141 | |
宮前区役所地域振興課 | 044-856-3134 | |
多摩区役所地域振興課 | 044-935-3141 | |
麻生区役所地域振興課 | 044-965-5119 | |
相模原市 | 住宅課 | 042-769-9817 |
緑区役所地域振興課 | 044-775-8801 | |
中央区役所地域振興課 | 042-769-9801 | |
南区役所地域振興課 | 042-749-2135 | |
横須賀市 | まちなみ景観課 | 046-822-8087 |
平塚市 | まちづくり政策課 | 0463-21-8781 |
鎌倉市 | 都市整備総務課住宅担当 | 0467-23-3000 |
藤沢市 | 住宅政策課 | 0466-50-3541 |
小田原市 | 都市政策課 | 0465-33-1307 |
茅ヶ崎市 | 都市政策課 | 0467-81-7181 |
逗子市 | まちづくり景観課 | 046-873-1111 |
三浦市 | 都市計画課 | 046-882-1111 |
秦野市 | 交通住宅課 | 0463-82-9642 |
厚木市 | 住宅課 | 046-225-2330 |
大和市 | 建築指導課建築安全係 | 046-260-5427 |
伊勢原市 | 建築住宅課 | 0463-94-4782 |
海老名市 | 住宅まちづくり課 | 046-235-9604 |
座間市 | 都市整備課 | 046-252-7325 |
南足柄市 | 都市計画課 | 0465-73-8026 |
綾瀬市 | 都市計画課 | 0467-70-5625 |
葉山市 | 政策課 | 046-876-1111 |
寒川町 | 都市計画課 | 0467-74-1111 |
大磯町 | 都市計画課 | 0463-61-4100 |
二宮町 | 都市整備課 | 0463-71-5956 |
中井町 | 企画課 | 0465-81-1112 |
大井町 | 企画財政課 | 0465-85-5003 |
松田町 | 定住少子化担当室 | 0465-84-5541 |
山北町 | 環境課 | 0465-75-3656 |
定住対策課 | 0465-75-3650 | |
開成町 | 都市計画課 | 0465-83-2331 |
箱根町 | 企画か | 0460-85-7111 |
真鶴町 | 政策推進課 | 0465-68-1131 |
湯河原町 | 地域政策課 | 0465-63-2111 |
愛川町 | 環境課 | 046-285-2111 |
清川村 | 村づくり観光課 | 046-288-3864 |
空き家所有者向けの相談窓口(神奈川県)
窓口 | 連絡先・受付時間 | 運営元 |
---|---|---|
空き家総合相談窓口 | ☎045-664-6901 📧akiyasoudan@machikyo.or.jp 10:00-1200/13:00-16:00 土日祝日休み | 公益社団法人かながわ住まいまちづくり協会 |
おわりに
空き家を適切に管理し、活用することは、所有者の責任であると同時に、地域社会にも貢献できる重要なことです。特定空き家に指定されないためにも、早期の対応と適切な管理が求められます。もし、空き家についてお困りの場合は、ぜひ専門の窓口で相談してみましょう。適切な対策を講じ、空き家の問題を解決することで、安心した生活環境を作る手助けになります。