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建設業「建築工事業」許可の工事内容、クリアすべき要件、必要な手続きを解説!

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 本記事では、建設業「建築工事業」許可の取得を検討されている事業者様に向け、工事内容、申請までにクリアすべき要件・必要資格、手続きの流れを解説します。

「建築工事業」とは

 建築工事業の工事内容は、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事を指し、「建築一式工事」に該当します。

 たとえば、一棟の住宅建設工事等の一式工事を、原則、元請として請け負うもの、建築確認が必要な増築等が含まれます。

屋外に避難階段を設置する工事も、建築物の躯体の一部とし、この「建築一式工事」または「鋼構造物工事」に該当することとなります。つまり、用途ではなく、材料や構造物との関係を重視するんですね。

「建築工事業」許可を取得するためにクリアすべき6つのポイント

建設業「解体工事業」許可を取得するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 経営能力があること
  2. 専任技術者がいること
  3. 財産的基礎があること
  4. 必要な社会保険に加入していること
  5. 請負契約に関して誠実性があること
  6. 欠格要件等に該当しないこと

1.経営能力があること

 「建築工事業」許可を取得するには、法人の場合、常勤役員のうち1人以上、個人の場合は事業主本人について、建設業を営む会社の役員、または個人事業主としての5年以上の経験が求められます。

区分建設業許可必要書類対象期間
法人あり①履歴次項全部証明書
②建設業許可通知書の写し など
証明対象となる期間をすべて含むもの
なし①履歴事項全部証明書
②工事請負契約書または注文書
③②に対応する通帳
④②に対応する請求書 など
個人事業主あり①確定申告書の控え
(※税務署受付印のあるものまたは電子申請をしたことがわかるもの)
②建設業許可通知書の写し など
なし①確定申告書の控え
(※税務署受付印のあるものまたは電子申請をしたことがわかるもの)
②工事請負契約書 または 注文書
③②に対応する通帳
④②に対応する請求書 など

過去の預金通帳を紛失した場合、最大10年前まで遡り、出入金記録を再発行してもらうことができますので、取引先の金融機関に問い合わせましょう。

2.専任技術者を設置すること

 「建築工事業」許可を取得するには、営業所ごとに常勤の専任技術者を設置していることが求められます。ただし、誰でも専任技術者になれるわけではない点に注意が必要です。

一般建設業許可の場合

 建築工事許可の取得に必要な専任技術者となり得るのは、以下のいずれかに該当する人です。

  1. 「建築工事業」の専任技術者となり得る資格を持っている
  2. 以下のいずれかに該当する
    (a)大学の指定学科を卒業+「建築一式工事」に関する3年以上の実務経験がある
    (b)高校の指定学科を卒業+「建築一式工事」に関する5年以上の実務経験がある
  3. 「建築一式工事」に関する10年以上の実務経験がある

1.「建築工事業」の専任技術者となり得る資格を持っている

 建築工事業の専任技術者となり得る資格とは、以下のようなものをいいます。

資格区分資格
技術検定一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(建築)
建築士試験一級建築士
二級建築士

2.以下のいずれかに該当する
(a)大学の指定学科を卒業+「建築一式工事」に関する3年以上の実務経験がある
(b)高校の指定学科を卒業+「建築一式工事」に関する5年以上の実務経験がある

 建築工事業の指定学科とは、以下を指します。

  • 建築学
  • 都市工学

この要件を満たすことを証明するため、以下の書類を提出する必要があります。

建設業許可必要な書類
「建築一式工事」の事業者についてあり①卒業証書
②厚生年金被保険者記録照会回答票
③建設業許可通知書の写し 等
なし①卒業証書
②厚生年金被保険者記録照会回答票
③工事請負契約書または注文書
④③に対応する請求書
⑤③に対応する通帳 等

3.「建築一式工事」に関する10年以上の実務経験がある

 建築一式工事に関する実務経験を証明するため、以下の書類を提出します。

建設業許可必要な書類
「建築一式工事」の事業者についてあり①厚生年金被保険者記録照会回答票
②建設業許可通知書の写し 等
なし①厚生年金被保険者記録照会回答票
②工事請負契約書または注文書
③②に対応する請求書
④②に対応する通帳 等

<特定建設業許可の場合>

 特定建設業における「建築工事業」の専任技術者となるには、「建築工事業」の専任技術者(特定建設業)となり得る資格を持っていなければなりません。

資格区分資格
技術検定一級建築施工管理技士
建築士試験一級建築士

3.財産的基礎があること

財産的基礎について、申請する建設業許可の区分により内容が異なります。

一般建設業許可の場合

 一般建設業許可を申請する場合、申請時において、以下のいずれかを満たす必要があります。

  1. 自己資本の額が500万円以上であること
  2. 500万円以上の資金調達力があること

1.自己資本の額が500万円以上であること

 「自己資本」とは、法人の場合、貸借対照表の「純資産合計の額」、個人の場合、貸借対照表における「期首資本+事業主借+事業主利益ー事業主貸+引当金+準備金」の額をいいます。

2.500万円以上の資金調達力があること

 500万円以上の資金調達力を証明するため、取引先金融機関が発行する500万円以上の預金残高証明書を提出する必要があります。

特定建設業許可の場合

 特定建設業許可を申請する場合、申請時において、以下のすべてを満たす必要があります。

  1. 資本金の額が2,000万円以上であること
  2. 自己資本の額が4,000万円以上であること
  3. 流動比率が75%以上であること
  4. 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと

1.資本金の額が2,000万円以上であること

 資本金とは、法人の場合、貸借対照表における「資本金の額」をいいます。一方、個人の場合、貸借対照表における「期首資本」をいいます。

2.自己資本の額が4,000万円以上であること

 自己資本とは、法人の場合、貸借対照表における「純資産合計の額」、個人の場合、貸借対照表における「期首資本+事業主借+事業主利益ー事業主貸+引当金+準備金」の合計額をいいます。

3.流動比率が75%以上であること

 流動比率は、「流動資産合計÷流動負債合計×100」にて算出します。ただし、貸借対照表における「流動資産合計」が「流動負債合計」より多い場合には計算する必要はありません。

4.欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと

 欠損の額が資本金の20%を超えていないかどうかの確認は、以下の方法で算出します。

法人資本金に対する欠損の額の割合(%)
=(マイナスの繰越利益剰余金ー(資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金))÷資本金×100
個人期首資本金に対する欠損の額の割合(%)
=(事業主損失+事業主借ー事業主貸)÷期首資本金×100

 ただし、貸借対照表における「繰越利益剰余金」がプラスの場合や、「資本剰余金(資本剰余金合計)、利益準備金及びその他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く)の合計額」が「繰越利益剰余金のマイナスの額」を上回る場合、計算する必要はありません。

4.必要な社会保険に加入している

 建設業許可「清掃施設工事業」を申請するには、適用除外になる場合を除き、必要な社会保険への加入が求められます。

【関連記事】建設業許可の要件「社会保険への加入」について

健康保険・厚生年金保険

 法人の場合、従業員の数にかかわらず、加入する必要があります。個人の場合、常勤の従業員が5人以上いる場合に限り、加入が必要です。

雇用保険

 法人・個人にかかわらず、以下に該当する労働者が1人以上いる場合、雇用保険への加入手続きが必要です。ただし、法人の役員や個人事業主が加入することはできません。

  1. 引続き31日以上の雇用が見込まれる
  2. 1週間の所定労働時間が20時間以上

5.請負契約に関して誠実性があること

 建設業許可「清掃施設工事業」の申請にあたり、法人の場合はその法人、役員等、支店、または営業所の代表者、個人の場合は本人、または支配人等に対し、請負契約に関して不正、または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことが求められます。

不正な行為とは

 不正な行為とは、請負契約の締結、または履行に際し、詐欺・脅迫・横領等法律に違反する行為が該当します。

不誠実な行為とは

 不誠実な行為とは、工事内容・工期等について、請負契約に違反する行為が該当します。

6.欠格要件に該当しないこと

 欠格要件とは、以下のようなものをいいます。

  1. 許可申請書、またはその添付書類の中の重要な事項について虚偽の記載がある、または重要な事実の記載が欠けているとき
  2. 法人の場合はその法人、役員等、法定代理人、支店、または営業所の代表者、個人の場合は本人、または支配人等が以下の要件に該当するとき
    ア.精神の機能の障害により建設業を適正に営むことができない人、または破産者で復権を得ない人
    イ.建設業許可を取り消されてから5年を経過しない人
    ウ.許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない人
    エ.建設工事を適正に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、または危害を及ぼすおそれが大きいとき
    オ.営業停止を命じられ、その停止期間が経過しない人
    カ.禁固以上の刑(禁固、懲役、死刑)に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない人
    キ.一定の法律に違反し、または罪を犯したことにより罰金刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない人
    ク.暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない人
    ケ.暴力団員等がその事業活動を支配する人

「清掃施設工事業」の建設業許可の申請手続き

 「清掃施設工事業」の許可申請は、以下の流れで行います。

  1. 申請先となる都道府県より「建設業許可申請の手引き」、「建設業許可申請の様式一覧」を受け取る
    👉申請先ホームページからダウンロードする、または窓口にて購入できます
  2. 添付書類を収集する
  3. 申請書類を作成する
  4. 申請
    👉申請書の正・副本、添付書類、申請手数料を持参、または郵送にて提出
  5. 建設業許可の取得
    👉許可が下りると、事業所宛に「建設業許可通知書」が郵送されます

申請窓口

申請者の営業所が1つの都道府県内にのみ設置されている場合には「都道府県知事」、営業所が2つ以上の都道府県に設置されている場合は「国土交通大臣」宛に申請を行います。

都道府県知事の場合

都道府県担当窓口都道府県担当窓口
北海道建設部建設政策局
建設管理課
滋賀県土木交通部
管理課
青森県県土整備部
管理課
京都府建設交通部
指導検査課
岩手県県土整備部
建設技術振興課
大阪府住宅まちづくり部
建築振興課
宮城県土木部事業管理課兵庫県県土整備部
県土企画局
総務課
建設業室
秋田県建設部
建設政策課
奈良県県土マネジメント部
建設業・契約管理課
山形県県土整備部
建設企画課
和歌山県県土警備部
県土整備政策局
技術調査課
福島県土木部
技術監理課
建設産業室
鳥取県県土整備部
県土総務課
茨城県土木部
監理課
島根県土木部
土木総務課
建設産業対策室
栃木県県土整備部
監理課
岡山県土木部
監理課
建設業班
群馬県県土整備部
建設企画課
広島県土木建築局
建設産業課
建設業グループ
埼玉県県土整備部
建設管理課
山口県土木建築部
監理課
建設業班
千葉県県土整備部
建設・不動産産業課
建設業班
徳島県県土整備部
建設管理課
東京都都市整備局
市街地建築部
建設業課
香川県土木部
土木監理課
契約・建設業グループ
神奈川県県土整備局
事業管理部
建設業課
愛媛県土木部
土木管理局
土木管理課
新潟県土木部
監理課
建設業室
高知県土木部
土木政策課
山梨県県土整備部
県土整備総務課
建設業対策室
福岡県建築都市部
建築指導課
長野県建設部
建設政策課
建設業係
佐賀県県土整備部
建設・技術課
富山県土木部
建設技術企画課
長崎県土木部
監理課
石川県土木部
監理課
建設業振興グループ
熊本県土木部
監理課
岐阜県県土整備部
秘術検査課
大分県土木建築部
土木建築企画課
静岡県交通基盤部
建設業課
宮崎県県土整備部
管理課
愛知県都市整備局
都市基盤部
都市総務課
鹿児島県土木部
監理課
三重県県土整備部
建設業課
沖縄県土木建築部
技術・建設業課
福井県土木部土木管理課
出典:都道府県知事許可に関する問い合わせ先(国土交通省ホームページ)をもとに作成

国土交通大臣の場合

地方整備局名担当部・課など管轄区域
北海道開発局事業振興部
建設産業課
北海道
東北地方整備局建政部
建設産業課
青森県、岩手県、宮城県
秋田県、山形県、福島県
関東地方整備局建政部
建設産業第一課
茨城県、栃木県、群馬県
埼玉県、千葉県、東京都
神奈川県、山梨県、長野県
北陸地方整備局建政部
計画・建設産業課
新潟県、富山県、石川県
中部地方整備局建政部
建設産業課
岐阜県、静岡県
愛知県、三重県
近畿地方整備局建政部
建設産業第一課
福井県、滋賀県、京都府
大阪府、兵庫県、奈良県
和歌山県
中国地上整備局建政部
計画・建設産業課
鳥取県、島根県、岡山県
広島県、山口県
四国地方整備局建政部
計画・建設産業課
徳島県、香川県
愛媛県、高知県
九州地方整備局建政部
建設産業課
福岡県、佐賀県、長崎県
熊本県、大分県、宮崎県
鹿児島県
沖縄総合事務局開発建設部
建設産業・地方整備局
沖縄県
出典:国土交通大臣許可に関する申請先・問い合わせ先(国土交通省ホームページ)をもとに作成

申請費用

 建設業許可申請では、以下の金額が必要です。

申請区分知事許可大臣許可
新規9万円15万円
許可換え新規
一般・特定 新規
業種追加5万円
更新
出典:3.その他(申請区分、許可手数料、提出先及び提出部数)(国土交通省ホームページ)をもとに作成

建設業に関する相談窓口

 建設業に関する相談窓口として、以下が設置されています。

建設業フォローアップ相談ダイヤル☎0570-004976
📧hqt-kensetsugyo110@ml.mlit.go.jp
10:00~12:00
13:30~17:00
(土日祝、閉庁日を除く)
建設業に関する総合的な相談窓口
労務単価、品確法の運用指針、社保加入対策など建設業に関する相談を総合的に受け付けてくれる
建設業取引適正化センター東京 ☎03-3239-5095
📧tokyo@tekitori.or.jp
大阪 ☎06-6767-3939
📧osaka@tekitori.or.jp
請負契約に関するトラブルの相談窓口
元請・下請間等の取引で困った場合、相談先となる関係行政機関や紛争処理機関等を紹介してくれる
駆け込みホットライン☎0570-018-240
📧hqt-kakekomi-hl@gxb.mlit.go.jp
10:00~12:00
13:30~17:00
(土日祝、閉庁日を除く)
建設業法に係る違反行為の通報を受付
法令違反の疑いがある建設業者には、必要に応じ立入検査等を実施し、違反行為があれば指揮監督が行われる
2025年3月22日時点の情報をもとに作成

カテゴリー: 未分類


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榊原沙奈
(さかきばら さな)
ヲタク行政書士®
やぎ座のO型、平成弐年式
法人設立、事業承継が得意
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