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問題40
会計参与と会計監査人の差異に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、
誤っているものはどれか。
1 大会社、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社は、会計監査人の設
置が義務付けられているのに対して、当該いずれの会社形態においても、会計参与
は任意に設置される機関である。
2 会計参与は会社法上「役員」に位置づけられるが、会計監査人は「役員」に含ま
れない。
3 会計参与は定時株主総会において選任決議が必要であるのに対して、会計監査人
については、定時株主総会において別段の決議がなされなかったときは、再任され
たものとみなす。
4 会計参与は、取締役または執行役と共同して計算関係書類を作成するが、会計監
査人は計算関係書類の監査を行う。
5 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為等
を発見したときは、遅滞なく、これを監査役等に報告しなければならないが、会計
参与にはこのような報告義務はない。
正解:5
この問題は、会計参与と会計監査人の相違点を明確に理解しているかが試されるものです。
両者は会計分やにおいて重要な役割を担いますが、機能や法的な位置づけには差異があることから、整理して覚えましょう。
1:正しい
監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社では、会計監査人を必ず置かなければなりません(会社法第327条第5項)。
いっぽう、会計参与の設置については、原則、任意とされます。
したがって、本肢は正しいです。
2:正しい
会社法において、会計参与は役員に含まれますが、会計監査人は役員に含まれません(会社法第329条第1項)。
したがって、本肢は正しいです。
3:正しい
会計参与の選任は、株主総会の決議によります(会社法第329条第1項)。
いっぽう、会計監査人の再任について、別段の決議がされなかった場合には定時株主総会にて再任されたものとみなされます(同法第338条第2項)。
したがって、本肢は正しいです。
4:正しい
会計参与は、取締役または執行役と共同し、計算関係書類を作成し、会計参与報告を作成する義務を負います(会社法第374条第1項、第6項)。
いっぽう、会計監査人は、株式会社の計算書類等を監査し、会計監査報告を作成する義務を負います(会社法第396条第1項)。
したがって、本肢は正しいです。
5:誤り
会計監査人は、その職務を行うに際し、取締役の職務執行に関し不正の行為または法令もしくは定款に違反する重大な事実を発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告する義務を負います(会社法第397条第1項)。
いっぽう、会計参与の場合、同様の事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主に報告する義務を負います(同法第375条第1項)。
したがって、会計参与に報告義務はないとする本肢は誤りです。