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改正消費生活用製品安全法の施行日、改正対象と注意点を解説

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当ページでは、令和6年6月26日に公布された「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律」の施行日と、改正内容、注意点を解説します。

消費生活用製品安全法の施行日

令和6年6月19日に成立し、同月26日に公布された「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律(以下、「改正法」といいます。)」の施行日は、公布の日から1年6か月以内の政令で定める日です。

(1)消費生活用製品安全法とは

消費生活用製品安全法とは、日本において消費者が日常的に使用する製品の安全確保を目的とする法律で、主に下記で構成されます(消費生活用製品安全法第1条)

特定製品の指定
(第2条、第3条)
特に危険性の高い製品を「特定製品」に指定し、基準に適合するもののみが販売を許可される
技術基準
(第8条)
製品に関する技術基準を定め、基準を満たさない製品の販売を禁止
事業者の義務
(第10条、第11条、第35条、第36条)
製品の表示や報告義務、リコールの実施など、製造販売業者に対し、一定の義務を課す
罰則
(第55条~第60条)
違反行為に対し、罰則を規定

改正される項目

本改正項目は、下記の通りです。

インターネット取引の拡大に対応した制度改正
(製品安全4法)
1.海外事業者を規制対象化(国内管理人の選任)
2.ネットモール事業者に対する違反等の出品削除を要請し、要請した旨を公表
3.国内管理人を含む届出事業者に関する情報の公表制度を措置
4.法律や法律に基づく命令等の違反行為者の氏名等について、公表制度を措置
子供用の製品の規制整備1.「子供用特定製品」のカテゴリーを創設し、対象製品を事前規制化
2.中古品については特例措置

製品安4法とは

製品安全4法とは、消費者の安全を守るために定められた下記の法律を指します。

消費生活用製品安全法
(消安法)
特定製品に技術基準を設け、基準に適合しない製品の販売を禁止する法律
消費者が日常的に使用する製品の安全性を確保することが目的
電気用品安全法
(電安法)
電気用品の安全基準を定め、基準を満たす製品に「PSEマーク」の表示を義務づける法律
電気製品の火災、感電事故防止が目的
ガス事業法
(ガス事法)
ガス設備およびガス機器の安全性を確保し、ガスに関連する事故防止を規制する法律
液化石油ガス法
(液石法)
液化石油ガス(LPガス)の供給および使用に関する安全対策を規定する法律
LPガスの保管・取扱いについて基準を設け、ガス漏れ、爆発事故を防止するもの

(1)製品安全4法の概要

製品安全4法では、危害発生のおそれがある製品(PSマーク対象製品)を指定し、製造・輸入事業者に対し、国が定める技術基準に適合することを義務づけています。

また、製造・輸入事業者は、技術基準を満たす製品に自らPSマークを表示して販売する義務を負うほか、重大製品事故の発生を認知したときは10日以内に消費者庁に報告しなければなりません。

(2)製品安全4法とPSマーク対象品

製品安全4法に定められるPSマーク対象品は、下記の通りです。

区分品目対象品PSマーク
消費生活用製品安全法
(消安法)
12品目・ライター、レーザーポインター、乳幼児用ベッド等(4品目)
・石油ストーブ、マグネットセット、水で膨らむボール等(8品目)
PSC
電気用品安全法
(電安法)
457品目・コンセント、延長コード、直流電源装置、携帯発電機等(116品目)
・LEDランプ、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ等(341品目)
PSE
ガス事業法
(ガス事法)
8品目・ガスふろバーナー等(4品目)
・ガスこんろ等(4品目)
PSTG
液化石油ガス法
(液石法)
16品目・カートリッジガスこんろ、液化石油ガス用ガス栓等(7品目)
・一般ガスこんろ等(9品目)
PSLPG

出典:1.PSCマーク制度 経済産業省

PSマークには、円形と菱形があります。これらの違いは、下記の通りです。
円形のPSマーク:自主検査を行い、技術基準適合性が確認できれば表示可能
菱形のPSマーク:自主検査に加え、国に登録した検査機関により技術基準適合性が確認されれば表示可能

改正により影響を受ける事業者等

本改正により、取引DPFを介して安全性に問題のある製品を販売する国内外の事業者、これらの事業者に対し、製品販売の場を提供する取引DPF提供者等への影響が考えられます。

(1)取引DPFとは

取引DPF(取引デジタルプラットフォーム)とは、下記のいずれかの機能をもつものを指します(改正消安法第2条第8項)

  1. 当該取引デジタルプラットフォームを利用する一般消費者が、その使用に係る電子計算機の映像面に表示される手続に従って当該電子計算機を用いて送信することによって、消費生活用製品の販売等の事業を行う者に対し、同製品の通信販売に係る売買契約の申込みの意思表示を行うことができる機能
  2. 当該デジタルプラットフォームを利用する一般消費者が、その使用に係る電子計算機の映像面に表示される手続に従って当該電子計算機を用いて送信することによって、競り等の方法により消費生活用製品の販売等の事業を行う者の同製品の通信販売に係る売買契約の相手方となるべき一般消費者を決定する手続に参加することができる機能

端的に言えば、1はオンラインショッピングサイト、2はネットオークションのことを指します。

1.インターネット取引の拡大に対応した制度改正

近年、インターネット取引の拡大に伴い、国内外の事業者と国内の消費者とが直接取引をする機会が増大しています。

特に、海外事業者が販売する場合、規制対象となる製造・輸入事業者が国内に存在しないケースが増えていることが問題視され、本改正に至りました。

1-1.海外事業者の規制対象化(国内管理者の選任)

海外事業者が取引DPFを利用するなどして、国内の輸入事業者を介さず、国内消費者に直接「特定製品」を販売する場合、当該海外事業者を消安法等において「届出を行える対象」として明確化し、国内における責任者として「国内管理人」の選任を求めることになりました(改正消安法第6条2号)

1-2.取引デジタルプラットフォーム提供者に対する出品削除要請等の創設

取引DPFにおいて提供されるしょうひ生活用製品について、国内消費者に危険が及ぶおそれがあると認められ、かつ、その製品の出品者によるリコール等の必要な措置を期待できないときは、取引DPF提供者に対し、当該製品の出品削除を要請できるようになりました(改正消安法第32条の3第1項、第39条の2第1項)

1-3.届出事項の公表制度の創設

届出事業者の氏名や特定製品の型式の区分、国内管理人の氏名等を公表する制度が創設されました(改正消安法第10条)

旧法では、担当の大臣に対し、届出事項に係る情報提供を請求できると定められているのみでしたが、改正法では、担当大臣に下記事項について届出があると、届出に係る情報および届出があった旨を公表することになります。

  1. 届出事業者の氏名または名称および住所
  2. 当該特定製品を製造する工場または事業場の名称および所在地
  3. 特定製品の輸入時業者について、当該特定製品の製造事業者の氏名または名称および住所、国内管理人の氏名または名称および住所

当該届出は任意ですが、消費者が事業者を特定し、責任の所在を知ることができる事項の積極的な届出は、事業を行う上で有益かと思われます。

1-4.法令等違反行為者の公表制度の創設

法律や法律に基づく命令等に違反する行為を行った者の氏名について、公表することができる制度が創設されました(改正消安法第46条の2)

2.子供用の製品の規制整備

子供用の製品について、誤飲などが起きやすく、通常の製品に比べ配慮が必要です。

欧米等諸外国においては、概ね玩具に関する安全規制が導入されている一方、日本では特定製品に指定される一部製品を除き、事前規制が存在しませんでした。

そのため、諸外国で技術基準に適合しないことを理由に販売禁止となった製品が日本に流入したとしても、国内での流通防止ができない状況だったため、本改正が行われることとなりました。

2-1.子供用の製品に係る規制の創設

子供用特定製品について、その製品・輸入事業者に対し、国が定める技術基準への適合と、対象年齢・使用上の注意等の警告表示等を行わない製品について、販売等を禁止することとなりました(改正消安法第4条第2項、第12条の2)

上記に違反し、表示しないまま販売等を行った場合、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金またはこれらの併科、30万円以下の罰金の対象となります(第58条第1項1号、第59条8号)

2-2.子供用特定製品の中古品特例

子供用特定製品の中古品について、国内消費者に対する注意喚起や安全確保のための体制整備等を行い、担当大臣の承認を受けた場合、上記の使用に関する注意表示が確認できない場合であっても、販売等が可能となります(第4条第3項3号)

改正消費生活用品安全法の施行日、改正対象と求められる対応まとめ

当ページでは、改正消費生活用品安全法の施行日と改正対象、注意点を解説しました。

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カテゴリー: コラム


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榊原沙奈
(さかきばら さな)
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