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当ページでは、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(後遺症)を対象とする支援制度をご紹介します。
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状とは
COVID-19の罹患後症状とは、COVID-19に罹患した後において、感染症自体は消失したにもかかわらず、罹患時期から持続する原因不明の症状、回復後に新たに表出した症状、症状消失後に再発する症状全般を指します。
WHOでは、COVID-19に罹患した人につき、「少なくとも2か月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかないもの」であり、「COVID-19の発症から3か月経過時点にもみられる」としています。
(1)罹患後症状の代表例
下記は、罹患後症状の代表例です。
- 疲労感・倦怠感
- 関節痛
- 筋肉痛
- 咳
- 喀痰
- 息切れ
- 胸痛
- 脱毛
- 記憶障害
- 集中力低下
- 頭痛
- 抑うつ
- 嗅覚障害
- 味覚障害
- 動悸
- 下痢
- 腹痛
- 睡眠障害
- 筋力低下など
(2)罹患後症状の感染可能性
一般的に、COVID-19発症2日前から発症後7~10日の間はウイルスを排出しているといわれますが、この期間以後に罹患後症状がある場合でも、他人に感染することはないとみられています。
(3)罹患後症状の予防法
罹患後症状を予防するには、COVID-19に感染しないことが最有効とされ、手洗いなど手指の消毒、こまめな換気、効果的なマスクの着用といった基本的な感染対策が求められます。
(4)罹患後症状の治癒可能性
罹患後症状について、いまだ明確な答えは出ていませんが、ほとんどの場合、時間の経過と共に症状が改善するといわれています。
その一方で、症状が残存する場合もあるため、引き続き感染対策を実施することが望ましいでしょう。l
(5)罹患後症状の治療法
罹患後症状に特化した治療法は確立されておらず、国内外で研究が進められているところです。
そのため、時間の経過により表出する各症状に応じた対症療法を行うのが一般的です。
症状が改善せず持続する場合、他の疾患も疑われるため、かかりつけ医・地域の医療機関等で適切な検査を受けると良いでしょう。
罹患後症状に活用できる支援制度
罹患後症状に対し、下記の支援制度を活用できる可能性があります。
- 労災保険
- 健康保険
- 障害保険
- 障害者手帳(身体障害者手帳)
- 障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)
1.労災保険
業務によりCOVID-19に感染し、罹患後症状がある場合、一定要件を満たすことで労災保険給付の対象となります。
区分 | 種別 | 概要 |
---|---|---|
認定条件 | 業務又は通勤を起因とする発症 | |
補償内容 | 療養給付 | 業務または通勤に起因する病気やケガの療養のために、病院等で治療を受ける場合に支給 |
休業補償給付・休業特別支給金 | 業務または通勤に起因する病気やケガの療養のために、就労できない日数が4日以上となった場合に支給 | |
障害補償給付 | 労災による病気やケガで障害が残った場合に支給 障害等級第1級~第7級:年金形式 障害等級第8級~第14級:一時金として一括 | |
傷病給付 | 業務または通勤に起因する病気やケガについて、療養開始から1年6か月を経過した日、または同日後に完治していない場合や、傷病による障害の程度が傷病等級に該当する場合に支給 | |
遺族補償給付 | 労災により従業員が死亡した場合、残された遺族に支給 遺族に年金受給者が含まれるかどうかで支払方式が異なる | |
葬祭料給付 | 業務災害または通勤災害により死亡した従業員の葬祭を目的として支給 31.5万円に給付基礎日数30日分を加えた金額、または給付基礎日額の60日分のいずれか高い方が支払われる | |
介護給付 | 業務災害または通勤災害を原因とする障害(補償)年金、または傷病(補償)年金を受給している場合、一定の障害をもち、介護を受けている場合に支給 | |
申請方法 | 1.医療機関を受診し、診断書の交付を受ける 2.労働基準監督署に労災申請を行う 3.休業3日目まで勤務先から賃金をもらう 4.休業4日目以降、労災給付を受ける |
原則、労災申請は事業主を通して行いますが、事業主が非協力的な場合、労働者自らが申請することも可能です(参考:労災保険給付請求手続き)
2.健康保険
業務外の事由により、療養を要するために就労できない場合、健康保険制度の被保険者は、要件を満たすことで、各保険者より傷病手当金の支給を受けられます。
対象者 | 公的医療保険に加入する人のうち、下記が対象 ・組合健保 ・協会けんぽ ・共済組合 ・船員保険の加入者本人 |
支給条件 | 1.業務外の事由による病気やケガの療養のための休業 2.仕事ができない状態であること 3.連続して3日間休み、4日目以降も休む場合 4.給与の支払を受けていない |
支給金額 | 1日当たりの支給額=支給開始日以前12か月間の「標準報酬月額」を平均した額÷30(日)×2/3 |
支給期間 | 最長1年6か月 |
申請方法 | 全国健康保険協会の窓口に申請書・添付書類を提出 |
3.障害保険
罹患後症状により、日常生活が著しい制限を受ける、または日常生活に著しい制限を加えることを要する程度の障害が残る場合、一定要件をみたすことで障害年金の給付対象となります。
ただし、同一の事由に対し、労災保険法による障害補償給付が行われる場合、一部減額される可能性があります。
また、傷病手当金が支給される場合は、傷病手当金の全部または一部が支給停止となる点に注意しましょう。
4.障害者手帳(身体障害者手帳)
身体障害者手帳とは、身体障がい者福祉法に定められた障害に該当する人に対し、交付される手帳を指します。
交付対象者 | 下記の障害があり、いずれも一定以上の存続・永続すること ①視覚障害 ②聴覚又は平衡機能の障害 ③音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害 ④肢体不自由 ⑤心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害 ⑥ぼうこう又は直腸の機能の障害 ⑦小腸の機能の障害 ⑧ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害 ⑨肝臓の機能の障害 |
申請先 | お近くの福祉事務所または市役所 |
必要書類 | ・医師の診断書・意見書 ・身体に障害のある人の写真 |
5.障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)
精神障害者保健福祉手帳とは、一定程度の精神障害の状態にあることを認定したことを証明するものです。
精神障害者保健福祉手帳の等級は、精神疾患の状態・能力障害の状態の両面から総合判断し、1級~3級に分類されます。
交付対象者 | 1.精神疾患をもつ人のうち、精神障害のため長期にわたり日常生活・社会生活に制約を受けると認められる人 2.手帳の交付を希望する人 | |
障害等級 | 1級 | 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えるこ とを必要とする程度のもの | |
3級 | 日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会 生活に制限を加えることを必要とする程度のもの | |
必要書類 | ① 精神保健指定医その他精神障害の診断又は治療に従事する医師の診断書 (精神障害に係る初診日から6か月を経過した日以後におけるもの) ② 精神障害を支給事由とする次のいずれかの年金給付を受けていることを証する書類の写し (ア)年金証書および直近の年金振込通知書または年金支払通知書 (イ)特別障害給付金資格者証および直近の国庫金振込通知書 | |
申請者 | 原則:精神障害者本人 例外:家族、医療機関職員等の代行も可 |
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に対応する支援制度まとめ
当ページでは、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に対する支援制度をご紹介しました。