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当ページでは、年金の「合意分割」「3号分割」の違いと、注意点を解説します。
Contents
合意分割とは
合意分割とは、夫婦の合意、または裁判所の判断により分割割合を定め、婚姻期間中に納付した厚生年金保険料を分割する制度を指します。
夫婦が共働きの場合や、平成20年3月31日以前に国民年金の第3号被保険者期間がある場合に選択することがあります。
3号分割とは
3号分割とは、国民年金の第3号被保険者だった期間につき、配偶者の厚生・共済年金記録を分割する制度を指します。
合意分割の対象期間は、平成20年3月31日以前ですが、3号分割は同年4月1日以降が対象となる点で異なります。
合意分割と3号分割の違い
両者の違いは下記の通りです。
合意分割 | 3号分割 | |
---|---|---|
分割割合の決定方法 | 夫婦間の話し合い | 合意なく50% |
対象期間 | 平成20年3月31日以前 | 平成20年4月1日以降 |
得なのはどちらか
合意分割と3号分割のうち、片方のみが得であり、他方は損をするような運用はなされていません。
なぜなら、これらは併用可能だからです。
年金分割の流れ
年金分割は、第3号被保険者だった配偶者が年金事務所に請求し、第2号被保険者である配偶者の納付記録を分割して行います。
(1) 請求期限
年金分割には、離婚した日の翌日から2年以内という期限が設けられているため、忘れずに行いましょう。
ただし、請求期限内に相手方が死亡した場合、死亡日から1か月以内が期限となる点に注意しましょう。
(2) 分割対象額の確認方法
年金分割により、分割の対象となる金額を確認するには、「年金分割のための情報通知書(厚生年金保険制度)」を使用します。
情報通知書の請求は、離婚前後にかかわらず行うことができ、近くの年金事務所に所定の書類を提出します。
情報通知書の請求手続
情報通知書の請求には、下記の書類が必要です。
- マイナンバーカード等(請求書にマイナンバーを記入する場合)
- 基礎年金番号を確認できる書類(請求書に基礎年金番号を記入する場合)
- 婚姻期間を証明できる書類(戸籍謄本:全部事項証明書)またはそれぞれの戸籍抄本(個人事項証明書)
合意分割の請求手続
合意分割の請求ができるのは、離婚後です。
(1) 必要書類
請求前1か月以内に交付された夫婦の生存を証明できる書類 | 下記のいずれか1つ 戸籍謄本(全部事項証明書) 戸籍抄本(個人事項証明書) 住民票 | |
分割割合を証明できる書類 | 話し合いにより定めた場合 いずれか1つ | ア:公正証書の謄本または抄録謄本 イ:公証人の認証を受けた私署証書 ウ:年金分割および按分割合に合意している旨を記入し、自らが署名した書類 ※ウの場合、夫婦そろって持参する必要あり |
裁判所による手続により定めた場合 | ア:審判(判決):審判(判決)書の謄本または抄本および確定証明書 イ:調停(和解):調停(和解)調書の謄本または抄本 ※家裁で住所または氏名の秘匿決定を受けた場合、秘匿時効届出書面謄本および秘匿決定謄本が必要 | |
上記「ウ」による場合 | 請求者本人(代理人含む)の本人確認書類等 |
3号分割の請求方法
3号分割は、離婚後に下記の書類を提出して行います。
- 請求日前1か月以内に交付された相手方の生存を証明できる書類
- 事実上離婚状態にあることを理由に請求する場合、その状態を証明できる書類
年金分割の注意点
離婚後に年金分割をする場合、振替加算が停止される可能性があります。
振替加算は離婚後でも受けることができますが、年金分割を行うと、振替加算を受けていた配偶者の被保険者期間が240か月未満を上回り、停止される場合があります。
このため、厚生年金保険の被保険者期間により、振替加算・年金分割のうち、どちらが有利になるかを確認しておくと安心です。
年金「合意分割」「3号分割」の違い、注意点まとめ
当ページでは、年金の「合意分割」「3号分割」の違いと、注意点を解説しました。