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当ページでは、認知症がどんな病気で、症状が出た場合の対策、予防策をご紹介します。
Contents
認知症とは
認知症とは、色々な原因により、脳の神経細胞の働きが少しずつ低下し、記憶や判断能力等の認知機能が低下する状態をいいます。
その結果、日常生活に支障を来す場面も多く、決して他人事ではありません。
一般的には高齢であるほど発症しやすいといわれますが、65歳未満でも発症します。
(1) 加齢による「物忘れ」との違い
年を重ねると、物事を忘れやすくなることがあります。これを「物忘れ」といいます。
認知症と似ていますが、次の違いが見られます。
- 忘れる範囲
- 進行速度
- 忘れている自覚の有無
- 日常生活への支障
認知症の原因となる病気
認知症には、原因となる病気があります。
- アルツハイマー型認知症
- 血管型認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
1. アルツハイマー型認知症
認知症のうち、最も多い型がアルツハイマー型認知症だといわれています。
記憶障害からはじめることが多いものの、失語、失認、失行が目立つ事もあります。
2. 血管型認知症
脳梗塞、脳出血などの脳血管障害により、一部の神経細胞が傷付き認知症を来すものを血管型認知症といいます。
傷付いた脳血管の場所により、起こる症状は変わります。
3. レビー小体型認知症
脳にたんぱく質がたまることで認知症を発症するのが、レビー小体型認知症です。
記憶障害など認知機能障害が起こりやすいだけでなく、幻覚症状、歩きづらさを感じるパーキンソン病などを伴うこともあります。
4. 前頭側頭型認知症
脳の前頭葉、側頭葉を中心に病状が進行し、行動障害型または言語障害型の症状を起こすものを前頭側頭型認知症といいます。
認知症らしき症状を察知した場合
認知症かも知れないと感じるような言動を察知したら、次の機関に相談しましょう。
- かかりつけ医
- もの忘れ外来(全国の外来一覧)
- 認知症疾患医療センター(とうきょう認知症ナビ)
- 認知症の電話相談窓口(公社 認知症の人と家族の会)
身内が認知症の診断を受けた場合
親族が認知症の診断を受けた場合、下記のような対策を講じましょう。
- 早期受診・リハビリの実施
- 認知症の正しい知識を身につける
- 介護保険等を利用する
- 周りをうまく頼る
- 介護以外の時間を積極的に持つ
1.早期受診・リハビリの実施
認知症のはじまりは、ほんの些細なもの忘れからです。
高齢者の場合、もの忘れと判別がしづらく、素人目ではほぼわかりません。
少しでも怪しいと思ったら、すぐに専門医を受診しましょう。
認知症に似ている別の病気である可能性もあるし、早期治療で治る認知症もあります。その後の介護等へ繋げるためにも、医師の診断は不可欠ですよ。
2.認知症の正しい知識を身につける
一言で認知症と言っても、タイプにより症状、進行速度、求められる対応は異なります。
身内がどれに該当し、自分に何ができるのか。
どのように向き合っていけばいいのかを知るためにも、正しい知識を身につけましょう。
3.介護保険等を利用する
認知症は、介護保険などのサービス対象になる可能性があります。
サービスを受けることを「甘え」「怠慢」と考えている人もいますが、プロの手を借りることで新たな発見があったり、介護者自身が休息をとるチャンスにもなります。
4.周りをうまく頼る
介護をしていると、どうしても視野が狭まります。
1人で抱え込まず、行政や介護保険サービス等を積極的に利用し、悩みや不安は打ち明けましょう。
5.介護以外の時間を積極的に持つ
介護者にも、自分の人生があります。
症状が進行すればするほど、自分の時間は削られ、心身共に疲弊していくことも少なくありません。
このような言い方をするのは不適切かも知れませんが、認知症の身内が亡くなった後も、自分の人生は続いていきます。
自分の人生にとって必要なものは何か、ゆっくり考える時間も持ちましょう。
認知症になるとできなくなること
認知症を発症した場合、一切の契約を行為ができなくなります。
金融機関 | 預貯金の入出金 定期口座の契約・解約 融資審査への申込など |
不動産 | 賃貸借契約 売買契約 所有不動産の改修・建替え・解体工事契約 土地の測量など |
相続 | 遺言書の作成、変更、取消し 任意成年後見契約の締結 家族信託契約の締結など |
金融商品 | 生命保険の契約・解約・変更手続 有価証券に関する取引全般 現物資産の売買など |
認知症の発症で困る事例
認知症を発症した場合、下記に注意しましょう。
- 口座凍結による支払滞納
- 老後資金に充てるための売買契約ができない
- 遺言書の有効性に関する対立
1. 口座凍結による支払滞納
金融機関に対し、親族から本人が認知症である旨を伝えると、口座が凍結される場合があります。
この際、水道光熱費等のライフラインに関する支払について、当口座を指定している場合には注意が必要です。
この場合、金融機関側が「代理人登録等」の制度を行っていれば、然るべき手続をとることで親族が管理できるほか、成年後見制度の活用等が考えられます。
2. 老後資金に充てるための売買契約ができない
本人の介護等に関し、福祉施設への入所を見当する際、その資金に充てようと実家の売却を検討することもあるでしょう。
この場合、何の対策も講じないまま、本人が認知症を発症していれば、売却が非常に困難となり、親族内で費用を負担しなければなりません。
老後資金に不安がある場合、健康なうちに何らかの対策をとっておく必要があります。
3. 遺言書の有効性に関する対立
認知症により、判断能力が低下している状態で作成する遺言書は無効ですが、本人の判断能力を証明するのは非常に難しいものです。
本人の死後、残された遺言書の内容について相続人同士でもめた場合、最終的には裁判所に判断を委ねるしかなく、相続人同士の関係が悪化する可能性があります。
話し合いで同意に至れば良いのですが、なかなかそうはいかない場合が多く、訴訟が長期化することもあります。
認知症発症後の対策
認知症になってしまった場合、下記の対策が考えられます。
- 法定後見制度の活用
- 代理人登録の利用
1. 法定後見制度の活用
法定後見制度とは、判断能力が低下した本人を法的に助け、財産・権利を保護するため、家庭裁判所により選任された後見人等が、財産管理・法律行為を行う制度を指します。
1-1. 法定後見制度 活用までの流れ
法定後見制度を利用する場合、下記の流れで手続をとる必要があります。
- 申立て
- 面接
- 審判
1-2. 申立費用
法定後見制度を利用するには、家庭裁判所に申立て、審判を受ける必要があります。
この際、申立費用として2万円程度がかかるほか、本人の健康状態等につき、鑑定が必要と認められる場合には鑑定費用を負担しなくてはなりません。
申立費用 | 2万円前後 |
鑑定費用 | 5万円~10万円 |
弁護士・司法書士等への報酬 | 依頼先により異なる |
後見人への報酬 | 本人の資産状況により異なる 本人の財産から後見人に対し、貢献終了まで報酬を支払う必要あり |
2. 代理人登録の利用(事前)
金融機関により名称は異なりますが、あらかじめ代理人を指名しておくことで、預金者本人に代わり、指名された代理人が入出金等を行うことができます。
代理人を指名する際に必要な書類、要件のほか、当制度の導入自体も金融機関ごとに異なるため、事前に確認しましょう。
三井住友銀行 | 代理人指名手続 |
みずほ銀行 | 代理人予約サービス |
三菱UFJ銀行 三菱UFJ信託銀行 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 | 予約型代理人サービス |
AEON銀行 | 代理人手続の届出 |
認知症になるとできなくなること、対処法まとめ
当ページでは、認知症の基本と予防法、対処法をご紹介しました。