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当ページでは、兄弟姉妹間で起きる可能性の高い相続トラブルの例と、対処法を解説します。
Contents
兄弟姉妹で起こりがちな相続トラブルの例
兄弟姉妹間の相続において、下記に該当する場合は注意が必要です。
- 不動産など分割しづらい財産がある
- 連絡がとれない兄弟姉妹がいる
- 一部の兄弟姉妹が被相続人を世話していた
- 遺言書の内容に偏りがある
- 兄弟姉妹の配偶者、子が口をはさむ
1.不動産など分割しづらい財産がある
遺産のうち、不動産や有価証券等、分割が難しい財産が含まれる場合、分割方法や各相続人の相続割合に関する話し合いがまとまらず、長期化する可能性があります。
分割が難しい場合に「共有」を選択することもありますが、後々のトラブルに発展する場合が多く、あまりオススメできる方法ではありません。
2.連絡がとれない兄弟姉妹がいる
相続人のうち、連絡がつかない兄弟姉妹が含まれる場合のほか、被相続人の生前には知らなかった兄弟姉妹の存在が明るみに出ることがあります。
一部の例外を除き、原則、遺産分割協議等の相続手続は、相続人全員で行わなければ無効となるため、1人でも非協力的だと様々な手続が滞る可能性があります(民法 第906条-914条)
3.一部の兄弟姉妹が被相続人を世話していた
被相続人の生前、兄弟姉妹の一部が介護等の世話をしていた場合、他の兄弟姉妹との間で、相続割合についての話し合いが調わない可能性があります(民法 第1,050条)
平等な分割は世話をしていた相続人が不満を抱くいっぽうで、世話をしていた相続人が多く受け取れば、その他の相続人が不満を抱くという具合に、釣り合いをとるのが困難なケースです。
4.遺言書の内容に偏りがある
被相続人が作成した遺言書において、遺産の分割割合に大きく偏りがある場合には、兄弟姉妹感でトラブルに発展する可能性があります。
遺言書が作成されている場合、原則、遺言書に沿って相続手続を進めることになるものの、法律で定められる最低保障額である「遺留分」を下回る指定がある場合には、該当する相続人同士で訴訟に発展することもあります(民法 第1,042条)
5.兄弟姉妹の配偶者、子などが口をはさむ
人が死亡した場合、法律で定められた相続人(「法定相続人」といいます)が相続することになりますが、このことを正しく理解していない親族から、自身の相続分を請求される場合があります(民法 第886条-891条)
兄弟姉妹での相続トラブルを防ぐ方法
兄弟姉妹での相続トラブルを防ぐ方法は、次の通りです。
- 遺言書や信託等で生前に備える
- 生前からコミュニケーションをとっておく
- 専門家に依頼する
1.遺言書や信託等で生前に備える
原則、被相続人が遺言書を備えている場合には、その内容に沿った相続手続がなされます(民法 第985条)
いっぽう、遺言書がない場合は、相続人全員による話し合い(「遺産分割協議」といいます)により、誰が、何を、どのくらい相続するのかを決定し、相続手続を行います。
相続人同士がもめる原因の多くは、被相続人の意思がわからず、明確な基準がないため、各相続人の主観による主張が衝突することだと考えています。
こうした事態を避けるには、生前に遺言書を作成するほか、家族信託等を検討するといいでしょう。
家族信託とは、信用している人に対し、財産の管理・運用等を託し、任せる契約を指します。
2.生前からコミュニケーションをとっておく
相続は、人が死亡したときに開始します(民法 第882条)
このため、相続トラブルが発生するのは、必ず、被相続人の死亡後となります。
「死人に口なし」の言葉通り、何の対策も講じないまま死亡すれば、相続人同士の摩擦は避けられません。
本来、相続対策は相続人のためだけに行うものではなく、被相続人本人のために行うものだと考えています。
病気や怪我により判断能力が低下した場合、誰に面倒を見てもらい、どこで最期を迎えたいのか等、自分自身の希望を叶えるために活用しましょう。
ご自身の資産ですから、生きている間に自身の幸せのために使い切ってくれるのが、最大の相続対策だと思います。
3.専門家に依頼する
終活において、どのような対策をとればいいのかわからない場合には、専門家の手を借りるのも良いでしょう。
専門家の知恵を借りる最大のメリットは、知識を知識として蓄えるだけでなく、実際の相続手続を通し、経験として得た知見をフルに活用できる点にあります。
特に「相続専門」と掲げている専門家に依頼すると、自分に起こり得るトラブルの予測と対策について、きめ細やかなサポートを期待できます。
兄弟姉妹での相続トラブルが起こった場合
相続トラブルが発生した場合、下記の専門家に相談しましょう。
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 行政書士
- 金融機関・行政
1. 弁護士
弁護士に相続関連の手続を依頼する場合、依頼人の代理人として、相手方との交渉から裁判に至るまで一貫して任せることができます。
ただし、後述する他の専門家と比べると報酬額が高くなる傾向にあることと、全ての弁護士が相続問題に強いわけではない点に注意しましょう。
弁護士は、取扱う事件の範囲がとても広く、必ずしも相続関連の訴訟が得意とは言い切れません。
このため、「相続専門」と看板を出している先生への相談がオススメです。
2. 司法書士
司法書士に相談・依頼する場合、生前の後見制度、相続財産に不動産が含まれている場合に必要となる「登記」を依頼でき、手続に必要な書類作成のほか、見えづらいリスクに備えられる可能性が高くなります。
ただし、各手続で必要な「登録免許税」とは別に、司法書士に支払う報酬が発生するため、見積もり書等で事前に必要費を確認しておくと安心です。
「実費」は必ずかかる手数料、「報酬」は司法書士に支払う報酬を指します。
3. 税理士
税理士に相続手続を依頼するメリットは、「税金」に関する手続きや、適用できる控除額の最大化が期待できる点です。
相続税は、基礎控除額を超えた場合にのみかかるため、全ての相続で必要なものではありません。
自身の相続は課税対象か否かを確認するには、相続財産の算定方法や、各種控除等の知識が不可欠ですが、日常生活において、これらの知識を得るのは至難の業です。
相続専門の税理士に依頼すると、各相続人が活用できる控除枠の有無を熟知しており、安心して任せる事ができます。
ただし、税理士はあくまでも税関連の専門家であり、相続手続全体に精通しているわけではない点に注意しましょう。
4. 行政書士
行政書士に相続手続を依頼する場合、煩雑な相続手続を一貫して任せられるメリットがあります。
一般的な相続手続では、戸籍謄本類の収集、相続財産の調査・特定、遺産分割協議書の作成等々、さまざまな手続を同時に進める必要があります。
1つずつのの手続は、決して難しくないものの、手続全体を把握しないまま着手すると、重複したり、二度手間となり、時間・コストともに浪費する結果になることも。
多少費用がかかっても、物理的な手間を削減し、正しい手続をとりたい場合に活用するといいでしょう。
ただし、登記や税関連手続、相続人同士でもめ事が起こった場合には直接的な対処ができないため、自分の対処できない分野に対し、対策を講じている人を選ぶのがオススメです。
「相続専門」とか、取扱い業務に「相続」とある専門家を選びましょう。
5.金融機関・行政など
○○士といった士業以外にも、懇意にしている金融機関や、手続の窓口となる法務局や税務署などでも、相続手続に関する相談を受付けています。
金融機関の場合、手続を代行してくれるサービス(商品)を提供しているところも増えているので、窓口にて確認しましょう。
ただし、登記や税関連について金融機関は仲介者。
いわゆる「仲介料」が上乗せされた金額となるため、他と比較すると費用が高額になるのが一般的なので、相見積もり等とられることをオススメします。
兄弟姉妹間で起こりがちな相続例、対処法まとめ
当ページでは、兄弟姉妹で起こりがちな相続トラブルについて解説しました。