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キャッシュレス決済のトラブル事例、対処法を解説

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当ページでは、キャッシュレス決済の種類、メリットと注意点、消費生活相談に寄せられた実際のトラブルと、対処法を解説します。

キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済とは、現金を使わない決済方法を指します。

代表的なのは、クレジットカード決済、スマホ決済、交通系IC等です。

キャッシュレス決済のタイミング

キャッシュレス決済は、その方法により決済のタイミングが異なります。

前払いあらかじめ金額をチャージし、チャージ金額の範囲内で利用するプリペイド式
即時払い利用直後に銀行口座から引き落とされる支払方式
後払い利用金額分を後日請求される支払方式

1. 前払い

キャッシュレス決済のうち、前払いタイプの代表例です。

  • 電子マネー
  • プリペイドカード
  • 交通系IC
  • QRコード・バーコード決済のうち、チャージ額の枠内で支払うもの

Suica、PASMO等の交通系ICのほか、LINEペイ等が具体例です。

2. 即時払い

キャッシュレス決済のうち、即時払いタイプの代表例です。

  • デビットカードQRコード
  • バーコード決済のうち、銀行口座と紐付けているものの一部

QUICPay、VISAタッチ等ですね。

3. 後払い

キャッシュレス決済のうち、後払いタイプの代表例です。

  • クレジットカード
  • QRコード・バーコード決済のうち、クレジットカードと紐付けているもの

各社クレジットカード、楽天PAY・AEON Pay・PayPayが具体例です。

キャッシュレス決済の種類

代表的なキャッシュレス決済方法は、下記の通りです。

決済方法概要支払回数
タイミング
クレジットカード利用額が後日銀行口座から引き落とされる
原則18歳以上から発行可能
1回、2回、分割、リボ払い、ボーナス払い
月極後払い
デビットカード使用と同時に、紐付けている銀行口座から引き落とされる
与信審査がなく、中学生を除く15歳以上なら発行可能
1回のみ
即時払い
電子マネーカードもしくはスマートフォンを専用端末にかざし、決済が完了原則1回
前払い
即時払い
後払い
QRコードあらかじめスマートフォンにダウンロードした決済アプリで支払い前払い
即時払い
後払い

キャッシュレス決済のメリット

キャッシュレス決済には、下記のメリットがあります。

  1. 現金を持ち歩かなくていい
  2. 会計がスムーズ
  3. ポイントが貯まる
  4. 入出金管理がしやすい

1. 現金を持ち歩かなくていい

キャッシュレス決済を利用する場合、現金を持ち歩く必要がありません。

現金の場合、紛失や盗難等の物理的危険が常に伴いますが、キャッシュレス決済では、所持品を最小限度に抑えられるため、管理しやすいメリットもあります。

2. 会計がスムーズ

キャッシュレス決済を利用すると、会計時の精算がスムーズになるのもメリットだといえます。

会計の都度、現金を探す、出すという手間が削減するだけでなく、お釣りを受け取る際に落とす心配もありません。

3. ポイントが貯まる

キャッシュレス決済サービスの多くは、利用額に応じたポイントが付与されます。

次回購入時の支払に充当できる場合や、用意された商品・サービスと交換する等、提供する会社により使い道は異なりますが、現金決済では得られないメリットでもあります。

4. 入出金管理がしやすい

キャッシュレス決済を利用した場合、利用履歴がデータ化され、いつでも確認することができます。

プロペイド型を利用する際には、チャージ履歴も残るため、入出金管理が楽になります。

キャッシュレス決済の注意点

キャッシュレス決済を行う際は、下記に注意しましょう。

  1. 個人情報の提供時に注意する
  2. 災害時に使えない可能性がある
  3. 加盟店でしか使用できない
  4. 事前準備が必要
  5. チャージ後の返金手続が困難

1. 個人情報の提供時に注意する

キャッシュレス決済を利用する際、一定の個人情報を開示・提供する必要があります。

サービス提供者の利用目的や規約は、契約・作成前にきちんと確認しましょう。

また、虚偽の情報を知らせると、何かあった時の保証が受けられないだけでなく、法律に抵触し、違約金等のペナルティが科される可能性があります。

2. 災害時に使えない可能性がある

キャッシュレス決済の利用には、通信環境が大前提となります。

そのため、災害時やシステム障害が起きた際に使用できず、支払ができない可能性がある点に注意しましょう。

3. 加盟店でしか使用できない

キャッシュレス決済について、商品・サービスを提供する事業者のうち、対象となるサービスに加盟している店舗でなければ使用できません。

例えば、クレジットカードは「Visa」「Mastercard®」「JCB」「アメリカン・エキスプレス®」「Diners Club」「銀聯」「ディスカバー」の7ブランドに分けられますが、Visaは使えるのに銀聯は使えないという事もあり得ます。

特に電子マネーやQR・バーコード決済について、この傾向が強いため、事前に利用の可否を確認することをオススメします。

4. 事前準備が必要

キャッシュレス決済を利用するには、いずれの方法も事前の準備が必要です。

例えば、クレジットカード決済を利用する場合、クレジットカード会社に申込、審査を経て発行を受けるまで、1週間から1か月ほどの時間がかかります。

いっぽう、交通系ICの場合は、デポジットさえ支払えば即時に発行されますが、あらかじめチャージしておく等の準備が必要です。

5. チャージ後の返金手続が困難

プリペイド型の電子マネーを利用する場合、チャージできる金額は固定されているのが一般的で、1度チャージすると現金化するのが難しくなります。

反対に、電子マネー決済を利用した買い物に関する返品交換時において、電子マネーでの返金対応が難しい場合もあります。

こうした特徴を理解したうえで、うまく付き合っていきましょう。

キャッシュレス決済に関するトラブル事例

メリットの多いキャッシュレス決済ですが、下記のようなトラブルが報告されています。

  1. 第三者による不正利用
  2. 残高不足時、自動で当座借越が実施され高額支払に発展
  3. 払戻しができない
  4. ポイント還元キャンペーン中にもかかわらず、ポイントが取得できない
  5. 未成年者による高額課金

1. 第三者による不正利用

クレジットカード決済について、下記のトラブルが報告されています。

  • クレジットカードで利用した覚えがない金額が金融機関の口座から引き落とされていた。カードの不正利用にどう対処すべきか。
  • 6年前から複数のクレジットカードでショッピングやキャッシングを続け、毎月の返済が高額。今後の返済が厳しく債務整理したい。

(出典:消費生活相談事例

1-1. 問題点

クレジットカードの不正利用について、契約者が気づくのは「見覚えのない請求があったとき」です。

不正利用の代表的な原因は、下記の通りです。

  • フィッシング詐欺
  • スキミング
  • なりすまし
  • 利用サイト等からの情報漏えい

決済方法も簡単で、その場で完了するため、被害が膨らむ可能性も。

1-2. 対処法

クレジットカードの不正利用が疑われる場合、下記の対処法が考えられます。

  1. 利用明細の確認
  2. 家族等の利用を確認
  3. クレジットカード会社・警察に届出

不正利用が疑われる場合、クレジットカード会社に連絡し、一時停止、または 無効化の手続をとりましょう。

ただし、これらの方法をとってしまうと、クレジット決済を選択しているサブスクサービス等の支払が滞るため、各種サービスの決済方法の変更手続が必要です。

加入時には、このような不正利用時の補償内容も確認しておくと安心ですね。

2. 残高不足時、自動で当座借越が実施され高額支払に発展

デビットカード決済に関し、下記の事例が報告されています。

  • デビットカードの利用限度額を超えると、自動的に借入になる。カード利用時にレシートに残額が記載されるようにしてほしい。

(出典:消費生活相談事例

当座借越とは、普通口座の預金残高が不足した場合、同一口座の定期預金を担保に、不足額を自動で借り入れできるサービスを指します。

要は、自動で借金を作ってしまっているわけです。

2-1. 問題点

本事例の場合、ブランドデビットカード決済の仕組みをきちんと理解していないことが原因と考えられます。

2-2. 対処法

使用するブランドデビットカードについて、決済の仕組みを理解した上での使用を心がけ、残高をこまめに確認しましょう。

ただし、当座借越の利息は日割り計算を採用している金融機関が多いため、少額を短期間で借り入れる場合、利息が高額化するリスクは少ないといえ、うまく活用する方法もありますよ。

残高の確認が面倒な場合は、クレジットカード決済等、他の決済方法を検討しましょう。

3. 払戻しができない

国際ブランド付きプレペイドカード決済について、下記の相談が報告されています。

  • 中学生の息子がネットでプリベイトカードを購入。短期間に7万円も使った。規約の年齢確認が緩すぎるのが問題だ。改正希望。

(出典:消費生活相談事例

3-1. 問題点

クレジットカードの場合、カード会社が加盟店に立替払いを行います。

そのため、カード作成時の審査・与信が必要となりますが、同じ国際ブランド付きのプリペイドカードの場合、前払いのために審査も与信も必要ありません。

このような性質から、未成年者でも親権者の同意なく作成ができ、利用額が高額化する点が問題視されています。

3-2. 対処法

国際ブランド付きプリペイドカードは多数ありますが、いずれも異なる特徴をもっています。

クレジットカードやデビットカードの場合、盗難・紛失による不正利用に対し、カード会社から補償を受けられる場合がほとんどですが、ブランドプリペイドカードの場合、ほとんど補償制度はありません。

下記は補償サービスのあるプリペイドカードサービスの一例です。

V-プリカセキュリティロックをかけた状態での不正利用は補償対象
ANA JCBプリペイドカードクレジットカード同様、届出から60日前までの不正利用は補償対象
LINE Payカード10万円まで補償
auWALLETプリペイドカード不正利用と認められるものは補償対象
SoftBankカード紛失盗難デスクに届出を行った時点の残高のみ補償

各カードの違いを保護者が理解し、未成年者の適切な利用を促す必要があります。

4. ポイント還元キャンペーン中にもかかわらず、ポイントが取得できない

QRコード決済について、下記の相談が報告されています。

  • 携帯電話会社が運営するQR決済のキャンペーン。ポイントが付与される条件が分かりにくい。表示の改善を求めたい。

(出典:消費生活相談事例

4-1. 問題点

当事例について、ポイント還元に関するキャンペーンについて、きちんと条件を理解しないまま利用していることが原因だと考えられます。

4-2. 対処法

各社が実施するポイント還元に関するキャンペーンには、一定条件がつけられています。

付与されるはずのポイントが付与・反映されない場合、下記を確認しましょう。

  • キャンペーン期間内に利用したか
  • 対象キャンペーンに「エントリー」をしたか
  • 必要なアプリ・サービスとの連携を設定したか
  • 1度の購入額が対象額に達しているか
  • 付与上限額を超えていないか
  • 付与される日を勘違いしていないか など

ポイント還元について満たすべき条件は複雑な場合も多く、一読して理解することは難しい場合もあります。

このため、決済金額等の条件は事前に確認されることをオススメします。

5. 未成年者による高額課金

キャリア決済について、下記の相談が報告されています。

  • キャリア決済でいつもは5万円程の請求額なのに今月は10万円の請求があった。息子がゲームで課金をしたのかもしれない。

(出典:消費生活相談事例

5-1. 問題点

子どもがアプリ等に高額課金した場合、課金の理由が考えられます。

  1. 決済時のパスワード設定を怠った
  2. 決済完了メールを確認していない、または 子が削除した
  3. 子が有料コンテンツであることを知らずに購入した、または お金を使っていることを認識していない
  4. 端末にキャリア決済情報が残っていた(親の”おさがり”を子が使用している場合)

5-2. 対処法

大前提として、未成年者の行った高額課金について、親権者による契約取消は不可能と考えていただければ間違いありません。

子の高額課金に関する最も有効な手段は、課金できない環境を整えることです。

親のスマホを子に貸す場合、決済パスワードを都度入力するよう設定する、または 2段認証等を行うようにしましょう。

また、決済完了時の確認メールはすぐに確認できるアドレスに設定しておくことをオススメします。

子が単独でスマホを使用している場合、ペアレントコントロール設定を行いましょう。

iOS1. 親子のApple IDを連携
2. スクリーンタイム>iTunesおよびApp Storeでの購入
3. アプリ内課金>許可しない
4. パスワードを要求>常に必要
Android1. Googleアカウントにてファミリーリンクで親子のIDを連携
2. ファミリーリンクまたはGoogleアプリを開く
3. 購入とダウンロードの承認 または 購入の承認>対象となるコンテンツを選択

キャッシュレス決済のトラブル事例、注意点まとめ

当ページでは、キャッシュレス決済に関するトラブル事例と対処法を解説しました。

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榊原沙奈
(さかきばら さな)
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法人設立、事業承継が得意
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