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自転車の交通ルールと罰則、注意点を解説

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当ページでは、自転車の交通ルール、違反した場合に罰則対象となるもの、注意点を解説します。

筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな(90′) / 榊原行政書士事務所 代表行政書士 / 3級FP技能士 / やぎ座のO型 / 趣味は写真を撮ること、神社をめぐること

自転車が対象の罰則規定

自転車で道路を通行する際、下記に該当すると、一定のペナルティが科される可能性があります。

  1. 信号無視
  2. 遮断踏切立入
  3. 指定場所一時不停止等
  4. 歩道通行時の通行方法違反
  5. 制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
  6. 酒酔い運転
  7. 通行禁止違反
  8. 交差点安全進行義務違反等
  9. 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
  10. 交差点優先者妨害
  11. 通行区分違反
  12. 環状交差点安全進行義務違反
  13. 路側帯通行時の歩行者の通行妨害
  14. 安全運転義務違反
  15. 妨害運転(交通の危険のおそれ・著しい交通の危険)

自動車のあおり運転を自転車に当てはめると、執拗にベルを鳴らす行為、逆走、不要な急ブレーキ等が摘発対象となります。

上記に当てはまる違反について、14歳以上の運転者が3年間に2度該当した場合、自転車運転講習の受講義務を負います。

受講命令違反に対し、5万円以下の罰金もあり得ます。

自転車の交通ルール

道路交通法上、自転車は「軽車両」として扱われます。

区分定義
自転車ペダル 又は ハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車であって、身体障害者用の車いす、歩行補助車等 及び 小児用の車以外のもの
普通自転車一般に使用されている自転車で、車体の大きさ 及び 構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で 他の車両をけん引していないもの
内閣府令(1)車体の大きさ:長さ190cm以内 / 幅60cm以内
(2)車体の構造
 a.4輪以下であること
 b.側車をつけていないこと(補助輪を除く)
 c.運転者以外の乗車装備を備えていないこと(幼児用乗車装置を除く)
 d.ブレーキが走行中容易に操作できる位置にあること
 e.歩行者に気概を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと
タンデム自転車2以上の乗車装置 及び ペダル装置が縦列に設けられた二輪の自転車
出典:道路交通法

普通自転車とその他の違い

普通自転車の場合、例外的に歩道を通行することが可能であり、やむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければなりません。

普通自転車以外の場合、歩道を通行することはできないものの、押して歩くことにより歩行者と見なされ、歩道の通行が認められます。

側車付の自転車、けん引している自転車は、押していても歩行者とはみなされず、歩道の通行が認められない点に注意しましょう。

自転車の最高速度

自転車には、法定速度がありません。

ただし、道路標識等により最高速度の指定がある道路では、当該速度を遵守する必要があります。

また、歩道を通行する際は徐行し、他に歩行者がいない場合に限り、すぐに徐行できる速度での進行が認められます。

徐行の目安は、時速8kmから10km程度です。

自転車の定員数

原則、自転車に運転者以外が乗ることは認められませんが、下記に該当する場合は例外的に認められます。

(1)一般の自転車

運転者が16歳以上の場合、幼児用座席を設置した自転車に、小学校就学前の子を1人まで乗せることができます。

このほか、運転者が子守バンド(抱っこひも)等で背負う場合、幼児1人まで認められます。

(2)幼児2人同乗用自転車

運転者が16歳以上の場合、運転者のための乗車装置 及び 2つの幼児用座席を設置するために必要な要件を満たす自転車において、小学校就学前の子を2人まで乗せることができます。

この場合、子守バンドを使用しても、もう1人を背負って乗ることは認められません。

子を2人乗せる場合の注意点

子を2人乗せる場合、一定の安全基準を満たす「幼児2人同乗用自転車」であることが必要です。

要件を満たさない自転車に子を2人乗せた場合、ペナルティが科される可能性があります。

幼児用座席の安全基準

幼児用の座席には、一般財団法人製品安全協会が定める下記の基準(SG基準)が設けられています。

  • 前形の幼児用座席(体重上限15kg以下)
  • 後形の幼児用座席(体重上限24kg以下)

使用を禁止される自転車

下記に該当する自転車は、使用を禁じられています。

  • ブレーキを備えていない自転車(ノーブレーキピスト自転車等)

乗車前の確認事項

上記のほか、乗る前に下記を確認しましょう。

ブレーキ前後輪にかかること
時速10kmのとき、3m以内の距離で停止させられること
照灯前照灯は白色 または 淡黄色
夜間において、前方10mの障害物を確認できる光度があるもの
反射器材夜間、後方100mから自動車のライトで照らし、その反射光を容易に確認できるもの

道路の通行方法と罰則

1.原則

自転車は軽車両にあたり、歩道等と車道の区別がある道路において、車道を通行する必要があります。

違反した場合、3ヶ月以下の懲役 又は 5万円以下の罰金が科される可能性があります。

2.車道を通行する場合

車道を通行する際、道路の中央から左側を通行しなければなりません。

違反した場合、3ヶ月以下の懲役 又は 5万円以下の罰金等に処される可能性があります。

2-1.車両通行帯がある場合

車両通行帯がある道路を走る場合、1番左側御通行帯を通行しなければなりません。

違反した場合、5万円以下の罰金が科される可能性があります。

2-2.車両通行帯がない場合

車両通行帯がない場合、追い越し等の場合を除き、道路の中央より左側に寄って通行しなければなりません。

3.一方通行道路の場合

一方通行道路において、「自転車を除く」の補助標識があり、普通自転車の通行(逆行)が認められる場合も、道路の左側を走行する必要があります。

禁止場所を通行した場合、3ヶ月以下の懲役 又は 5万円以下の罰金が科される可能性があります。

4.歩行者用道路の場合

警察署長の許可を受け、または、禁止対象から除かれている場合、歩行者用道路を通行することができます。

ただし、徐行しなければならない点に注意しましょう。

違反した場合、3ヶ月以下の懲役 又は 5万円以下の罰金等が科される可能性があります。

4-1.歩道の場合

普通自転車の通行可能な歩道のうち、普通自転車の通行指定部分がない場合、中央から車道寄りを徐行し、歩行者の通行を妨げる場合には一時停止しなければなりません。

普通自転車通行指定部分がある場合、当該部分を徐行し、この場合も「歩行者優先」が前提です。

このため、歩行者の通行を妨げる場合には一時停止しなければなりません。

いずれも違反した場合は、2万円以下の罰金 又は 科料に処される可能性があります。

5.路側帯を通行する場合

自転車は、著しく歩行者の通行を妨げる場合を除き、路側帯の中を通行することができます。

路側帯の通行は義務ではなく、路側帯より外側を走ることも可能です。

ただし、相互通行はできないので、道路の左側部分の路側帯を通行し、歩行者の通行を妨げない速度・方法で進行しましょう。

違反した場合、2万円以下の罰金 又は 科料に処される可能性があります。

5-1.歩行者用路側帯の場合

路側帯のうち、白の2本線で標示される路側帯は「歩行者用路側帯」で、自転車がこの中を通行することはできません。

違反した場合、3ヶ月以下の懲役 又は 5万円以下の罰金に処される可能性があります。

6.普通自転車専用通行帯がある場合

普通自転車専用通行帯とは、道路標識等により指定される、普通自転車が通行しなければならない車両通行帯を指します。

当該通行帯が設けられている場合、自転車はここを通行しなければなりません。

相互通行はできないため、道路の左側に設けられた専用通行帯を通行する必要があります。

違反した場合、5万円以下の罰金に処される可能性があります。

7.自転車道がある場合

自転車道とは、縁石、柵、これらに類する工作物により区画された車道部分を指します。

自転車道がある場合、普通自転車は、やむを得ない場合を除き、ここを通行する必要があります。

自転車道では、相互通行可能ですが、自転車道の左側を通行しなければなりません。

違反した場合、2万円以下の罰金 又は 科料に処される可能性があります。

8.自転車ナビマーク・自転車ナビラインがある場合

自転車ナビマーク・自転車ナビラインとは、自転車の通行導線を知らせる法定外表示を指します。

表示がある場合、これらに従って通行しましょう。

自転車での横断

自転車で横断する場合、下記を遵守する必要があります。

横断歩道歩行者がいない場合、横断歩道上を通行可能
歩行者の通行を妨げるおそれがある場合、自転車から降りて通行
自転車横断帯自転車横断帯を通行

自転車の停止位置

自転車で通行する場合、下記の位置で停止しましょう。

停止線がある場合停止線の直前
停止線がない場合
(1)交差点直近に横断歩道等がある場合
(2)交差点直近に横断歩道等がない場合
(3)交差点以外の場に横断歩道等がある場合
(4)交差点以外の場に横断歩道等がない場合
(1)直前で停止
(2)交差点の直前で停止
(3)直前で停止
(4)信号機の直前で停止

交差点の通行方法

自転車は、交差点を下記の方法で通行しなければなりません。

内容罰則
信号機の信号灯に従う義務信号機の表示する信号 または 警察官等の手信号等に従わなければならない3ヶ月以下の懲役 又は 5万円以下の罰金等
【車道を走行している場合】
歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示がない場合
対面の車両用信号機に従う
【車道を走行している場合】
歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示がある場合
対面する歩行者用信号機に従う
【歩道を走行している場合】
歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示がない場合
対面する歩行者用信号機に従う
【歩道を走行している場合】
歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示がある場合
対面する歩行者用信号機に従う
矢印信号機の場合自転車で右折する場合、直進方向の矢印に従って二段階右折
歩車分離式信号機の場合歩道を進行中の場合、対面の歩行者用信号に従う
車道進行中の場合、対面の車両用信号機に従う
スクランブル交差点歩道を進行中の場合、対面の歩行者用信号に従う
車道進行中の場合、対面の車両用信号機に従う

自転車で右折する方法

自転車で右折する場合、二段階右折が必要です。

あらかじめ、道路の左端に寄り、かつ、交差点の側端に沿って徐行する必要があります。

関連リンク

自転車の交通ルール、罰則、注意点まとめ

当ページでは、自転車が守るべき交通ルールと罰則、注意点を解説しました。

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榊原沙奈
(さかきばら さな)
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