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当ページでは、お布施の金額、渡す際のルールと相続税を計算する際の取扱について解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′) / 榊原行政書士事務所 代表行政書士 / 3級FP技能士 / やぎ座のO型 / 趣味は写真を撮ること、神社をめぐること
お布施とは
お布施とは、仏式の謝礼を指し、僧侶の読経等に対して渡す金銭をいいます。
お布施の金額(相場)
法律上、お布施の金額は定められておらず、お布施の多寡により供養の内容が異なることはありません。
ただ、包む方としては相場がわからないと困ることもありますので、下記に一例をご紹介します。
(1)葬儀等のお布施
株式会社 鎌倉新書が行った「第5回 お葬式に関する全国調査(2022年)」では、お布施の平均費用は22.4万円でした。
多い順に、
1万円から10万円未満が28.4%
10万円から20万円未満が23.9%
20万円以上30万円未満が15.3%
という結果です。
出典:第5回 お葬式に関する全国調査(2022年)|株式会社 鎌倉新書
葬儀のお布施には、読経料(枕経、通夜、葬儀、火葬場、初七日法要)、戒名料が含まれているものとみなし、戒名により金額は異なります。
戒名とは、仏様の世界において使用する死亡人の名前をいいます。
戒名をつけるのは、出家せずとも迷わず極楽浄土に向かうためですが、浄土真宗、日蓮宗では、戒名ではなく「法名」「法号」といいます。
(2)お車料、御膳料
お車料と御膳料の相場は、5,000円から1万円です。
お車料とは、僧侶の交通費を指しますが、僧侶から領収書を提出されるわけではないため、寺院から会場までの距離を勘案し、金額を決定します。
御膳料とは、僧侶をもてなす食事に代わるものとして支払うものです。
本体、遺族・親族等の食事に同席していただくところを金銭でお支払するので、他の親族にお出しする食事と同額程度で構いません。
喪主が送迎用の車両を出す、食事を出す場合には不要です。
(3)初七日法要
仏教において、死亡人が極楽浄土に行けるように7日ごとに法要を行います。
そのうち、はじめの法要が初七日(しょなぬか)法要です。
場合により、葬儀の後に初七日法要を行うこともあるため、葬儀時のお布施と併せて、初七日のお布施を包むことがあります。
価格相場は3万円から5万円です。
(4)四十九日法要
死亡人の命日から7日ごとに行う忌日法要のうち、最も重要なものとして扱われるのが四十九日法要です。
初七日から六十七日までの法要を「中陰」といい、生前の罪に対し、7日ごとに裁きを受けながら、死亡人の来世を決める期間だといわれています。
四十九日法要で包むお布施の相場は、3万円から5万円です。
四十九日で満中陰となり、死亡人は仏様の世界に生まれ変わり、その家は忌明けを迎えるものと考えられています。
(5)納骨法要
一般的に、納骨は他の法要と併せて行うことが多く、お布施も一緒に包みます。
法要と分ける場合の相場は、3万円から5万円です。
(6)初盆
初盆とは、死亡人が亡くなり、四十九日以降に初めて迎えるお盆を指します。
死亡日が6月で、四十九日法要と重複する場合、四十九日法要と併せて行う場合と翌年に初盆を行う場合とに分かれます。
どちらにするかは菩提寺の住職 または 葬儀屋にご相談ください。
初盆のお布施は、3万円から5万円が相場です。
(6)一周忌法要
一周忌法要とは、死亡人が亡くなって満1年のタイミングで行われる法要を指します。
四十九日までの法要は、死亡人が極楽浄土に行けるよう祈るものですが、四十九日後の法要は、仏様に感謝の意を伝えることで、死亡人をより良い世界に導いてもらう目的で行います。
一周忌法要で包むお布施の相場は、3万円から5万円です。
(7)三回忌法要
三回忌法要とは、一回忌法要の次にあたり、死亡人の死亡日から満2年後に行います。
年忌は数え年となり、一回忌は命日を指すため、丸2年で三回忌となります。
三回忌法要で包むお布施は、1万円から5万円です。
(8)七回忌法要以降
七回忌法要は、死亡人の死亡から満6年後に行います。
七回忌以後は、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌まであり、最後に行う三十三回忌を「弔い上げ」といいます。
五十回忌、百回忌を行うところもありますが、宗教宗派、地域の慣習等により十七回忌を弔い上げとする場合もあります。
これらの年回忌で包むお布施は、1万円から5万円とされています。
(9)お盆参り
お盆とは、先祖の霊が帰ってくる期間を指し、お墓のある家庭では、お盆の初日にお墓に参ります。これをお盆参りといいます。
お盆参りの際に包むお布施は、5,000円から1万円が相場です。
お彼岸等にお寺でお経をあげてもらう場合、3,000円から1万円が相場です。
お布施の包み方
お布施を包む際は、奉書紙(ほうしょがみ)という和紙を使用する方法と、白封筒を使用する方法があります。
奉書紙を使用する場合、半紙等で現金を包み(中包みといいます)、中包みを奉書紙で包みましょう。
奉書紙には裏表があり、ざらざらした面が裏、つるつるした面が表です。
白封筒を飼養する場合、郵便番号欄の記載がないものを選びましょう。
二重封筒は、「不幸が重なること」を連想されるため、割けるのが無難とされます。
この場合、中包みは不要ですので、封筒の裏面に住所、金額を記載します。
お布施に水引は不要とされますが、地域・慣習によりかける地域もあるため、事前に確認しましょう。
お布施の書き方
お布施を包んだ奉書紙 または 封筒について、正面中央部に「御布施」と記載しましょう。
奉書紙を使用する場合、中包みに御布施の金額を旧漢数字にて記載します。
旧漢数字とは、一は壱、二は弐、三は参、万は萬…という具合です。
お布施を渡す際のマナー
お布施を渡す際、手渡しではなく、お盆に載せて渡すのがマナーとされています。
お盆がない場合、袱紗(ふくさ)に包み、僧侶に直接お渡ししましょう。
渡すタイミングは、葬儀・法要の開始前が理想ですが、渡しそびれた場合には、式の後でも構いません。
お布施は控除対象になる
相続税の計算において、原則、お布施は控除対象になります。
お車料、御膳料も葬儀費用として控除することができます。
ただし、初七日以降の法要は葬儀費用とは別となり、控除することができない点に注意しましょう。
このため、葬儀と初七日法要を併せて行う場合、明確に区分して取り扱いましょう。
お布施の金額、相続税との関係まとめ
当ページでは、お布施の金額と注意点、相続税を計算する際の取扱い方法を解説しました。