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寺院墓地の特徴、かかる費用、注意点を解説

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当ページでは、寺院墓地の特徴、かかる費用、注意点を解説します。

筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな(90′) / 榊原行政書士事務所 代表行政書士 / 3級FP技能士 / やぎ座のO型 / 趣味は写真を撮ること、神社をめぐること

寺院墓地とは

寺院墓地とは、寺院が主体的に管理・運営する墓地をいい、下記の特徴があります。

  1. 檀家ファースト
  2. 境内にお墓がある
  3. 近くに住職(僧侶)がいる

1.檀家ファースト

原則、寺院墓地は檀家(門徒・信徒)のためにあり、互いに支え合う存在です。

特定の寺院の檀家になると、寺院を支援する代わりに、葬祭・供養等を専属で行ってもらうことができます。

2.境内にお墓がある

多くの寺院では、境内にお墓を設置し、利用者にとって馴染みのある光景が広がります。

3.近くに住職(僧侶)がいる

寺院墓地の場合、併設する寺院で毎日のように住職が読経し、手厚い供養が受けられます。

庫裡(くり)のある寺院では、僧侶が常駐しているので、安心感がありますよね。

寺院墓地にかかる費用

寺院墓地を利用する場合、下記の費用がかかります。

  1. 永代使用料
  2. 管理費
  3. 墓石代
  4. 入檀料、護持会費、お布施等

1.永代使用料

永代使用料とは、墓地を使用する権利の取得費用を指します。

日本の法律において、個人が自由にお墓を建てることはできないため、霊園等に墓地を借ります。ここで場所代として支払うのが永代使用料です。

永代使用料を支払った場合、使用者・承継者がいる間、継続的に使用することができます。

墓地の立地、区画、寺院の設備等により価格は変動しますが、20万円から200万円が相場だといわれています。

2.管理費

寺院墓地の管理費は寺院により異なり、年間5,000円から3万円程度が相場です。

管理費のほか、「寺院施設使用料」「お布施」「冥加金(みょうがきん)」等の名目で納めることもあります。

神社寺院は、俗世と一線を画す意味で、名目にこだわる風潮がありますが、実質的には管理費と考えてもらって間違いないかと思います。

3.墓石代

寺院墓地を利用する場合、墓地とは別に、墓石代が必要です。

墓石代は、素材、デザイン等で変動しますが、平均94.7万円でした(出典:お墓の消費者全国実態調査(2024年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向|株式会社鎌倉新書

4.入檀料、護持会費、お布施等

入檀料とは、檀家になる際に支払うもので、宗派・寺院により異なります。

護持会費とは、寺院の管理・運営にかかる費用で、寺院により「定額制」「お布施」等とばらつきがありあますが、任意のところもあります。

お布施とは、葬祭・供養等につき、利用者が御礼の気持ちを示すもので金額に指定はありません。

参考までに、寺院へのお布施の全国平均は47.3万円(2017年)とされています(出典:「葬儀業界の現状」第37回消費者契約法専門調査会 資料5-1

上記お布施には、読経料(枕経、お通夜、葬儀、火葬場、初七日法要)、戒名料も含まれます。

寺院墓地の宗派制限

寺院墓地を選ぶ際、宗派・宗旨の制限を受ける場合があります。

寺院により運営方針が異なりますが、利用前に確認しておくと安心です。

寺院墓地を利用するメリット

寺院墓地を利用する場合、下記のメリットがあります。

  1. 安心感が得られる
  2. 立地条件が良い

1.安心感が得られる

寺院墓地の場合、管理・運営を寺院が行うため、お墓の管理、葬祭、供養に至るまで、相談に応じてもらえるメリットがあります。

葬儀後、回忌法要を行うのが一般的ですが、檀家の場合、当該寺院にて行えるのもメリットだと言えます。

檀家になると、住職やご家族との接点も増え、手厚い供養を受けられる可能性があります。

2.立地条件が良い

民営墓地や公営墓地の場合、郊外に設置される場合がほとんどですが、寺院墓地の場合、市街地や住宅地にあることが多く、足を運びやすいメリットがあります。

また、寺院墓地は小規模な区画割りが一般的なため、比較的手入れも簡単です。

通いやすく、あまり手間がかからないのは、寺院墓地のメリットでしょう。

寺院墓地を利用する際の注意点

寺院墓地を利用する場合、下記に注意しましょう。

  1. 寺院、住所により内容が異なる
  2. 制約が多い

1.寺院、住職により内容が異なる

寺院墓地の場合、寺院が管理・運営を担います。

このため、寺院や住職により、利用者へのサービスより信仰に過重が偏る場合があります。

住職は仏道に精通していても、サービス業には疎い場合も多いため、過度な期待は禁物です。

2.制約が多い

寺院墓地の場合、宗派・宗旨が限定的だったり、墓石の大きさ、形、指定事業者等の制約があるところが存在します。

宗教・宗旨不問の場合でも、その後の法要等は当該寺院のやり方にならうのが一般的ですので、利用前に確認しましょう。

墓石・デザインに希望がある場合、「指定石材店」の有無を確認することをオススメします。

指定石材店とは、寺院が許可した石材店のみ墓地を建てられるもので、管理する墓地全体の統一を目的に、寺院が設定しているものです。

檀家を離れる場合

引っ越しや改宗を機に、檀家を離れることは可能です(「離檀」といいます)

ただし、一定の費用・手間がかかる点には注意しましょう。

離檀後、新たなお墓を建てる場合は「改葬」にあたり、墓石を撤去し、新たなお墓を作らない場合には「墓じまい」が必要です。

(1)改葬手続

改葬する場合、お墓の所在地を管轄する市区町村役所に「改葬許可申請書」を提出します。

改葬許可申請書には、寺院の署名押印が必要なため、原則、無断での遺骨の持ち出し、散骨等は認められません。

(2)墓じまい

墓じまいの場合も同様に、「改葬許可申請書」を提出します。

(3)離檀手続

離檀については、寺院により必要な手続・費用が異なります。

離檀料は、法律で定められた金額はなく、利用者から寺院に対する「御礼の気持ち」を表すものです。

ただし、檀家規則に金額が定められている場合は従う必要があります。

離檀料の相場は5万円から30万円程度といわれますが、高額な離檀料を請求された場合でも応じる必要はなく、あくまで「自分のできる範囲」で構いません。

寺院墓地に入る方法

寺院墓地に入るには、希望する寺院墓地に連絡しましょう。

多くの寺院墓地では、入檀を利用条件に定めていますが、必ずしも入檀しなければならない寺院ばかりではありません。

寺院の宗派・宗旨、規則や運営方針、立地条件のほか、住職のお人柄等も事前に確認しましょう。

寺院墓地の特徴、かかる費用、注意点まとめ

当ページでは、寺院墓地の特徴、かかる費用、注意点を解説しました。

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榊原沙奈
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