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当ページでは、相続情報証明制度を利用できない事例と注意点を解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′) / 榊原行政書士事務所 代表行政書士 / 3級FP技能士 / やぎ座のO型 / 趣味は写真を撮ること、神社をめぐること
法定相続情報証明制度とは
法定相続情報証明制度とは、被相続人の相続関係について、法務局による証明を受けられる制度をいいます。
法定相続情報証明制度のメリット
法定相続情報証明制度の活用により、次のメリットはがあります。
- 物理的な負担軽減
- コスト削減
1.物理的な負担軽減
通常、相続手続に必要な戸籍書類について、複数の自治体から取得し、各機関に持参 または 送付して提出する必要があります。
いっぽう、法定相続情報証明制度を活用すると、複数の戸籍書類を「法定相続情報一覧図の写し」1枚にまとめることができ、複数の書類を用意する手間がかかりません。
場合により、膨大な戸籍書類を取り扱うこともあるため、とんでもなく助かる制度です。
2.コスト削減
相続手続では、戸籍書類のほか、印鑑登録証明書等の書類を取得する必要があります。
この際、各自治体に手数料を支払う必要がありますが、法定相続情報一覧図の写しの発行は無料です。
戸籍書類は1通300円から750円程度ですが、手続が必要な機関数によってはバカになりません。
法定相続情報証明制度が利用できない事例
法定相続上法制度は、下記に該当する場合には活用できない点に注意しましょう。
- 被相続人、相続人が他国籍の場合
- 相続放棄、相続欠格者がいる場合
1.被相続人、相続人が他国籍の場合
法定相続情報証明制度では、被相続人、相続人に日本国籍をもたない人が含まれる場合、活用することができません。
なぜなら、法定相続情報一覧図の作成に必要な戸籍謄本が存在せず、要件を満たせないからです。
戸籍は、日本国民のみを対象に編成されるため、外国籍だとつくられないんですね。
2.相続放棄、相続欠格者がいる場合
相続人の一部に、相続放棄をした、または、相続欠格者がいる場合、相続手続を「法定相続情報一覧図の写し」のみで行うことができません。
なぜなら、相続放棄等は戸籍上に記載されないからです。
この事例で相続情報一覧図の写しを使用するには、「相続放棄申述受理証明書」「確定判決謄本」「相続欠格証明書」等を添付する必要がある点に注意しましょう。
相続廃除の場合、戸籍上に記載がされますので、権利関係変動後の戸籍書類を提出しましょう。
法定相続情報証明制度 活用の流れ
法定相続情報証明制度を活用するには、下記の手続が必要です。
1.必要書類の取得
法定相続情報証明制度では、下記の書類を取得する必要があります。
- 被相続人の出生から死亡までの連続する戸除籍謄本
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人の戸籍謄抄本
- 申出人の氏名、住所を確認できる公的書類
- 各相続人の住民票の写し
事例により、追加で書類を求められる場合があるため、事前に確認しましょう。
代理人が手続をする場合、委任状、互いの関係がわかる書類、身分証明書の写し等が必要です。
2.法定相続情報一覧図を作成
取得した戸籍書類を基に、法定相続情報一覧図を作成します。
法定相続情報一覧図の様式、記載例は、法務省ホームページにて確認することができます。
3.法務局に申出
法定相続情報一覧図を作成後、「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」と必要を併せて提出します。
3-1.申出先
申出先は、下記のいずれかを管轄する法務局(登記所)です。
- 被相続人の本籍地
- 被相続人の最後の住所地
- 申出人の住所地
- 被相続人名義の不動産の所在地
4.法定相続情報一覧図の写しを交付
申出後、登記官による認証後、法定相続情報一覧図の原本を登記所にて5年間保管されます。
申出人は、相続手続に必要な通数を請求し、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることができ、申出の際に提出した戸籍書類は、写しの交付と併せて返却されます。
5.各機関窓口にて利用
交付された法定相続情報一覧図の写しは、相続手続を行う金融機関等において提出して利用します。
法定相続情報証明制度が利用できない事例 まとめ
当ページでは、法定相続上法制度が利用できない事例と注意点を解説しました。