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当ページでは、建設業の決算変更届に必要な書類、注意点を解説します。
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決算変更届とは
決算変更届とは、建設業許可を取得した建設事業者から許可権者である行政庁に対し、毎年提出を義務づけられている届出を指します。
具体的には、対象となる事業年度において行った工事、建設事業者の資産状況等を記載します。
会計上の決算と同様の数字も使いますが、まったく同じ分けではない点に注意しましょう。
決算変更届の提出期限
決算変更届の提出期限は、事業年度の終了日から4か月以内です。
決算変更届を提出しなかった場合
決算変更届を提出しなかった場合、下記のリスクを負います。
- 建設業許可の更新等ができない
- 建設業の実績証明として認められない
1.建設業許可の更新等ができない
建設業許可の有効期間は、取得日から5年間です。
有効期間満了後も継続して建設業を行う場合、期間満了日の30日前までに更新申請が必要です。
この際、決算変更届を行っていないと、建設業許可の更新申請や業種区分の追加申請を受け付けてもらえません。
ただし、過去5年分の決算変更届をまとめて行うことで、これらの申請を受付けてもらえる可能性があります。
この場合、通常の決算変更届に添付すべき書類が揃わず、代わりの書類を取得・作成する手間がかかったり、行政から始末書等を求められるなど、なかなかヘヴィです。
2.建設業の実績証明として認められない
決算変更届を行った場合、提出書類に記載される業務内容は一般公開されます。
しかし、決算変更届を提出しなければ公開することができず、公的な証明を受けられないことになります。
自称する実績と、行政の公開する実績とでは、信憑性に天地の差がありますよね。
決算変更届に必要な書類
決算変更届では、下記の書類を提出します。
- 決算変更届出書
- 工事経歴書
- 直前3年の工事施工金額
- 財務諸表
- 事業報告書(任意様式)
- 納税証明書
- その他
1.決算変更届出書
提出先により名称は異なりますが、決算変更届を行う際のメインとなる書類です。
様式は各都道府県で用意されるものを使用します。
2.工事経歴書
工事経歴書とは、直前の事業年度において行った工事について、許可業種ごと、請負金額の大きい順に記載します。
細かなルールは都道府県により異なるため、事前に確認しましょう。
3.直前3年の工事施工金額
申請事業者が行った直前3年の施工金額を、許可業種ごと、元請・下請に区分して記載します。
元請の場合は、公共工事と民間工事別に記載する必要があります。
4.財務諸表
財務諸表とは、事業者の決算時に作成するものとほぼ同じですが、そのまま使用できるわけではない点に注意しましょう。
建設業法に定められた形に直す必要があります。
5.事業報告書
神奈川県の場合、事業報告書に決まった様式はないため、任意様式にて作成します。
具体的には、会社の概況、前年度と前々年度との変化等について記載します。
6.納税証明書
法人の場合は法人事業税、個人の場合は個人事業税に関する証明書を添付します。
法人は、県税事務所で取得する法人事業税の納税証明書、個人は前々年所得分の納税証明書を添付しましょう。
※「未納がない旨の証明書」ではなく、事業年度が記載された「納税証明書」です。
7.その他
下記は、変更の合った場合のみ提出が必要です。
- 使用人数
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表
- 定款の写し
- 健康保険等の加入状況
決算変更届を行う際の注意点
決算変更届を行う際、下記に注意しましょう。
1.経営事項審査を受ける場合
経営事項審査を受ける場合、工事経歴書、財務諸表は「税抜き」にて作成しましょう。
工事経歴書に記載する工事数、記載方法が異なる点に注意です!
2.提出期限の遵守
決算変更届は、毎年提出する必要があります。
提出期限に遅れた場合、決算変更届にその旨が記載されるだけでなく、罰則対象となる可能性もありますので、必ず期限内に提出しましょう。
3.特定建設業許可の場合は資産要件に注意
特定建設業許可を取得している場合、一般建設業よりも財産要件が厳しく、事前の確認が必要です。
特定建設業許可の要件を満たせない場合、一般建設業許可を新たに取得する必要がある点に注意しましょう。
4.工事経歴書の作成に注意
工事経歴書の作成は、取得している業種区分が多いほど骨が折れる作業です。
しかし、建設事業者の実績を示す大事な書類です。
内容が粗末になってしまっては本末転倒ですので、各業種、工事について、正しい内容を記載しましょう。
建設業「決算変更届」必要書類、注意点まとめ
当ページでは、建設業における「決算変更届」に必要な書類、届出時の注意点を解説しました。