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当ページでは、一人親方が建設業許可を取得するメリット、申請に関わる注意点を解説します。
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一人親方とは
建設業における「一人親方」とは、法人ではなく個人事業として、労働者を使用せず、単独で事業を請負う人を指します。
一人親方でも建設業許可を取得できるか
結論からいうと、一人親方でも建設業許可を取得することができます。
令和5年(2023年)時点において、建設業許可を取得する事業者の1割弱が個人事業でした(参照:建設業許可業者数調査の結果について|国土交通省)
建設業許可が必要な場合
建設業許可が必要なのは、下記に該当する場合です。
建築一式工事 | 次のいずれかに該当する場合 (1)1件の請負代金が1,500万円未満の工事 (2)請負金額の額にかかわらず、木造住宅で延面積が150㎡以上の工事 |
建築一式工事以外の建設工事 | 1件の請負代金が500万円以上の工事 |
上記の範囲内で建設業を請負う場合、建設業許可を取得しなくとも適法に工事を行うことができます。
建設業許可の取得要件
一人親方が建設業許可を取得するには、下記の要件を満たす必要があります。
- 人的要件
- 誠実性要件
- 財産的要件
- 社会保険加入要件
- 欠格事由に該当しないこと
一人親方の場合、特に「1.人的要件」に注意しましょう。
1.人的要件
建設業許可を取得するには、「経営業務の管理責任者(経管責任者)」「専任技術者」を設置する必要があります。
1-1.経管責任者
経管責任者には、建設業の経営に関する業務実績をもつ人を選任する必要があります。
具体的には、下記の要件を満たさなければなりません。
- 許可を受けようとする建設業に関し、経管責任者として5年以上の実績があること
- 許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、経管責任者として6年以上の実績があること
- 許可を受けようとする建設業に関し、経管責任者に準ずる地位にあり、一定の経験をもつ人
1-2.専任技術者
専任技術者について、取得しようとする建設業に関する資格等をもつ人を選任し、各営業所に常勤職員として配置する必要があります。
具体的には、下記のいずれかを満たす人を選任します。
- 国家資格者
- 実務経験者
- 許可を受けようとする建設業に関し、10年以上の実務経験がある人
一人親方が建設業許可を取得するメリット
一人親方が建設業許可を取得することにより、下記のメリットが考えられます。
- 500万円以上の建設工事を請負うことができる
- 外部からの信用度が増す
1.500万円以上の建設工事を請負うことができる
個人・法人に関係なく、建設業許可を取得することで500万円以上(建築一式工事の場合、1,500万円以上)の工事を請負うことができます。
請負い金額に制限がなくなることにより、それまでよりも更に、活躍できる可能性が高まります。
2.外部からの信用度が増す
一人親方が建設業許可を取得することにより、元請事業者、注文者、融資等を検討する場合の金融機関からの信用度が増します。
建設業許可の取得には、決められた要件を満たさなければならず、特に、一人親方の場合には実務経験を問われる場も多いです。
これをクリアし、建設業許可を取得すること自体が信用に繋がる可能性があります。
一人親方が建設業許可を行う際の注意点
一人親方が建設業許可を行う場合、下記に注意しましょう。
- 一定の場合、建設業許可を承継できない
- 毎年の決算報告、更新手続が必要
1.一定の場合、建設業許可を承継できない
個人事業から法人成りする場合、建設業許可を承継することができます。
しかし、承継するにも一定の要件を満たす必要があり、1つでも欠けた場合、新たに申請する必要があります。
相続の場合、死亡から30日以内に認可申請を行うことが求められるほか、1度廃業すると、いくら後継者がいた場合でも承継が難しい等の事情が生じます。
2.毎年の決算報告、更新手続が必要
建設業許可を受けた後、許可事業者は毎年、決算終了後4か月以内に決算報告を行う必要があります。
この決算報告は、確定申告等の会計上の報告とは異なり、行政宛てに、許可を取得した業種区分ごとの工事経歴書を添付して行う必要があるなど、一定の手間がかかります。
このほか、有効期間満了後も継続して建設業を行う場合、新規申請と同様の書類を用意し、手数料(一般許可の場合、5万円)を支払う必要があります。
個人事業主が建設業許可を取得するメリット、注意点まとめ
当ページでは、個人事業主(一人親方)が建設業許可を取得するメリット、注意点を解説しました。