当サイトの一部に広告を含みます。
当ページでは、建設業許可における「大臣許可」「知事許可」の違い、申請時の注意点を解説します。
Contents
筆者プロフィール
建設業許可とは
建設業許可とは、建設業を行う際、一定要件に該当する事業者が取得すべき許可を指します。
建設業許可の種類
建設業許可は、許可をもらう主体別に「大臣許可」「知事許可」に分類されます。
大臣許可とは
大臣許可は、建設業法の「営業所」を2つ以上の都道府県に設けて営業する場合に必要な許可です。
令和6年(2024年)3月時点において、大臣許可を取得している事業者は全体の1割未満とされます。
知事許可とは
知事許可は、1つの都道府県内のみに営業所を設けて営業する場合に必要な許可です。
知事許可でも他県で仕事はできる
建設業許可のうち、知事許可を取得した場合でも、許可を取得した都道府県以外の現場で仕事をすることは可能です。
ただし、他県の現場へのアクセスを考え、営業所要件に該当する支店等を置く場合には、あらかじめ許可を受けましょう。
大臣許可、知事許可は併用不可
建設業許可申請において、同じ事業者が「大臣許可」「知事許可」を同時に申請することはできません。
なぜなら、1つの都道府県内のみに営業所を置く場合は知事許可、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は大臣許可と明確に区分されているからです。
「一般」「特定」の場合、併せて取得することは可能です。
建設業許可における営業所要件
建設業法では、下記を満たすものを営業所とします。
- 請負契約の見積、入札、契約締結等、実態的な業務を行っていること
- 電話、机、各種事務台帳等を備え、居住区分と事務室を明確に区分していること
- 契約に関する権限をもつ人が常勤であること
- 専任技術者が常勤であること
このため、登記上の本店、支店というだけで営業所として認められるわけではない点に注意しましょう。
支店での営業に注意
建設業許可を受けた場合、許可を取得していない支店(営業所)において建設業を行うことはできません。
建設業許可は事業所ごとに営業所要件を満たし、営業所の所在地の知事、または、国土交通大臣による許可を取得する必要があります。
逆にいえば、建設業以外の事業であれば、営業所要件を備えない支店等で行うことが可能です。
知事許可から大臣許可への変更は可能
取得時に知事許可だった場合でも、事業拡大等により他県に営業所を設置する場合、大臣許可への変更も可能です。
反対に、大臣許可から知事許可への変更も可能です。
ただし、いずれの場合も新規許可申請と同じ手続が必要なことに注意しましょう。
建設業許可の申請先
建設業許可の申請先は、取得する種類により異なります。
大臣許可の場合
大臣許可の申請先は、国土交通大臣となりますが、実質的には営業所の所在地を管轄する地方整備局にある担当課です。
申請窓口一覧 | ||
地方整備局名 | 担当部署名 | 管轄エリア |
北海道開発局 | 事業振興部建設産業課 | 北海道 |
東北地方整備局 | 建政部建設産業課 | 青森県、岩手県、宮城県 秋田県、山形県、福島県 |
関東地方整備局 | 建政部建設産業第一課 | 茨城県、栃木県、群馬県 埼玉県、千葉県、東京都 神奈川県、山梨県、長野県 |
北陸地方整備局 | 建政部計画・建設産業課 | 新潟県、富山県、石川県 |
中部地方整備局 | 建政部建設産業課 | 岐阜県、静岡県 愛知県、三重県 |
近畿地方整備局 | 建政部建設産業第一課 | 福井県、滋賀県、京都府 大阪府、兵庫県、奈良県 和歌山県 |
中国地方整備局 | 建政部計画・建設産業課 | 鳥取県、島根県、岡山県 広島県、山口県 |
四国地方整備局 | 建政部計画・建設産業課 | 徳島県、香川県 愛媛県、高知県 |
九州地方整備局 | 建政部建設産業課 | 福岡県、佐賀県、長崎県 熊本県、大分県、宮崎県 鹿児島県 |
沖縄総合事務局 | 開発建設部建設産業・地方整備課 | 沖縄県 |
知事許可の場合
知事許可の申請先は、各都道府県の県庁にある担当課です。
申請手数料
建設業許可の申請手数料は、下表の通りです。
申請区分 | 大臣許可 | 知事許可 |
新規 | 15万円 | 9万円 |
許可換え新規 | 15万円 | 9万円 |
般・特新規 | 15万円 | 9万円 |
業種追加 | 5万円 | 5万円 |
更新 | 5万円 | 5万円 |
業種の追加において、上記手数料は申請件数にかかるものなので、同時に複数業種の申請をすることも可能です。
建設業許可を取得する際の注意点
建設業許可の取得時には、下記の点に注意しましょう。
- 申請から許可まで時間がかかる
- 大臣、知事で請け負える工事の条件は同じ
申請から許可まで時間がかかる
知事許可の場合、申請から許可が下りるまで、30日から45日程度を要します。
大臣許可の場合、申請から許可が下りるまで、120日程度を要します。
いずれの場合も目安ですが、急ぎで請け負いたい工事等がある場合、余裕をもって許可申請することをオススメします。
更新の場合、建設業許可の有効期限満了日の3か月前から30日前までに申請をする必要がある点にも注意しましょう。
大臣、知事で請け負える工事の条件は同じ
建設業許可は、「大臣許可」「知事許可」のほか、「一般許可」「特定許可」に分類されます。
このうち、「大臣許可」「知事許可」は営業所の所在地が基準となりますが、「一般許可」「特定許可」は請け負える工事の規模、条件等により区別されます。
このため、大規模な工事の請負を希望する場合、大臣許可を取得すれば良いというものではない点に注意してください。
申請書類も大臣、知事で大きな差はないので、かかる費用と時間、申請先に注意して行いましょう。
建設業許可「大臣」「知事」の違い、注意点まとめ
当ページでは、建設業許可のうち「大臣許可」「知事許可」の違いと、申請時の注意点を解説しました。