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当ページでは、出生時育児休業給付金の支給要件、計算方法を解説します。
Contents
- 筆者プロフィール
- 出生時育児休業給付金とは
- 出生時育児休業給付金の支給要件
- 1.子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日までに、4週間以内の期間を定め、出生時育児休業を取得した被保険者であること
- 2.休業開始前2年間に完全月が12か月以上あること
- 3.休業期間中の就業日数が最大10日以下であること
- 4.子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、労働契約の期間が満了しないこと
- 休業中の就業可能日数について
- 支給申請期間
- 支給額の計算方法
- 受給資格の確認・支給申請手続
- 育児休業給付金の受給中に第2子を妊娠した場合
- 育児休業給付金入金のタイミング
- 不正受給に対する罰則規定
- 出生時育児休業給付金の支給要件、計算方法、注意点まとめ
筆者プロフィール
出生時育児休業給付金とは
出生時育児休業給付金は、雇用保険者の被保険者(被扶養者を含みます)が子を出産した場合、子育てに専念する目的で取得する休業期間中の生活を支えるために支給されます。
出生時育児休業給付金の支給要件
出生時育児休業給付金は、下記の要件を満たした場合に受給することができます。
- 子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日までに、4週間(28日)以内の期間を定め、産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した被保険者であること
- 休業開始前2年間に完全月が12か月以上あること
- 休業期間中の就業日数が、最大10日以下であること
- 有期雇用労働者の場合、子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでないこと
1.子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日までに、4週間以内の期間を定め、出生時育児休業を取得した被保険者であること
出生時育児休業給付金の対象となるのは、下記のいずれにも該当する休業をいいます。
- 被保険者が初日と末日を明らかにして行った申出に基づき、事業主が取得を認めた休業
- 出生日または出産予定日のいずれか早い日から、出生日または出産予定日のいずれか遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間において、4週間の範囲で取得したもの
産後休業は、出生時育児休業給付金の支給対象外ですので、注意しましょう。
2.休業開始前2年間に完全月が12か月以上あること
完全月とは、賃金支払基礎日数が11日以上ある月を指します。
賃金支払基礎日数が11日に満たない場合、賃金の支払基礎となった時間数が80時間以上であれば足ります。
3.休業期間中の就業日数が最大10日以下であること
最大10日とは、28日間の休業を取得した場合の日数・時間をいいます。
最大数である10日を超えた場合、終業時間数が80時間以下であれば、出生時育児休業給付金の対象となります。
休業期間が28日間よりも短い場合、その日数に比例し短くなります。
4.子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、労働契約の期間が満了しないこと
休業中の就業可能日数について
出生時育児休業給付金の受給期間中、最大10日まで就業することが可能です。
休業期間が28日間より短い場合、その日数に比例し、短くなることに注意しましょう。
休業期間が14日の場合、最大5日(5日を超える場合40時間)
休業期間が10日の場合、最大4日(4日を超える場合28.57時間)
となります。
支給申請期間
出生時育児休業給付金の支給申請は、子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から可能です。
締切は、当該日から起算して2か月を経過する日の属する日の末日までで、「育児休業給付金受給資格確認票・出生時育児休業給付金支給申請書」を提出して行います。
出生時育児休業は、同じ子について2回まで分割して取得できますが、申請は1度にまとめて行わなければならない点に注意しましょう。
支給額の計算方法
出生時育児休業給付金の支給額は、次の計算にて算出します。
休業期間の日数は、28日が上限です。
出生時育児休業期間中に事業主から賃金が支払われた場合
出生時育児休業期間中に、事業主から賃金が支払われた場合、支払われた賃金額に対応する範囲において支給額が調整されます。
支払われた賃金額 | 支給額 |
---|---|
休業開始時賃金×休業期間の日数の13%以下 | 休業開始時賃金×休業期間の日数×67% |
休業開始時賃金×休業期間の日数の13%超~80%未満 | 休業開始時賃金×休業期間の日数×80%-賃金額 |
休業開始時賃金×休業期間の日数の80%以上 | 支給なし |
出生時育児休業期間中の賃金とは
出生時育児休業期間を対象として事業主から支払われた賃金とは、下記に該当するものをいいます。
- 出生時育児休業期間に就労等した日数・時間に応じて支払われた額
- 就業規則等で月給制等となっており、出生時育児休業期間を対象とした日数・時間が特定できない場合、日割り計算をして得た数
日割り計算をして得た数とは
「支払われた賃金額×(出生時育児休業取得日数÷出生時育児休業期間を含む賃金月の賃金支払対象期間の日数)」
で求めます。
休業開始時賃金日額の上限額
令和6年(2024年)7月31日までに出生時育児休業を取得する場合、休業開始時賃金日額の上限は15,430円です。
つまり、出生時育児休業給付金の支給上限額(休業日数28日)は、15,430円×28日×67%=289,466円になります。
受給資格の確認・支給申請手続
出生時育児休業給付金を受給するには、出生時育児休業の開始時点において、事業主が下記の時給資格確認・支給申請手続を行う必要があります。
提出者 | 被保険者を雇用する事業主 |
提出書類 | (1)雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 (2)育児休業給付受給資格確認票・出生育児休業給付支給申請書 |
添付書類 | (1)賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカード、育児休業申出書、育児休業取扱通知書等 (2)母子健康手帳、医師の診断書等、育児の事実、出産予定日または出生日を確認できる資料 |
提出先 | 事業所の所在地を管轄するハローワーク |
提出期限 | 子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から申請可能 当該日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日が提出期限 |
育児休業給付金の受給中に第2子を妊娠した場合
第1子に係る育児休業給付金の受給中に、第2子を妊娠した場合、第2子に係る産前休業開始日の前日に第1子に係る育児休業が終了します。
このため、第1子に係る育児休業給付金は、産前休業開始日の前日までの支給となります。
第2子の育児休業開始時点において、受給資格を満たすことで、第2子に係る育児休業給付金を受給することができます。
育児休業給付金入金のタイミング
育児休業給付金の入金日は、育児休業給付金支給決定通知書をご確認ください。
支給決定日から概ね1週間程度で、指定口座に入金されます。
ハローワークに申請しているにもかかわらず、通知書が届かない場合、審査中であることが考えられるため、事業所の所在地を管轄するハローワークまでご確認ください。
個人情報保護の観点から、電話口での問合せには解答してもらえないため、大変だと思いますが、ハローワークを訪れる必要がある点には注意が必要です。
不正受給に対する罰則規定
不正な手段により育児休業給付の支給を受けた、または、受けようとした場合、不正受給の処分対象となります。この場合、不正受給した金額の3倍を納めなければなりません。
不正受給に事業主等が加担した場合、事業主等も連帯して処分を受けることになります。
支給申請を行う際は、事前に記載内容を確認しましょう。
出生時育児休業給付金の支給要件、計算方法、注意点まとめ
当ページでは、出生時育児休業給付金の支給要件、計算方法、注意点を解説しました。