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当ページでは、自筆証書遺言の作成のおいて、遺言書が複数枚にわたる場合の契印の必要否を解説します。
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契印とは
契印は、複数枚に渡る書類が連続した1組のものだと示すために押す印鑑のことです。
契約書の作成時等に用いるもので、下記のようなものをいいます。
自筆証書遺言に契印は必要?
自筆証書遺言の作成時、記載内容により複数枚にわたることもあろうかと思います。
結論からいうと、自筆証書遺言書に契印は不要です。
自筆証書遺言書の要件
自筆証書遺言書は、民法に定められる下記の要件を満たさなければ法的な効果を発揮することができません。
- 本文は全て自書する
- 作成年月日を記載する
- 遺言者が署名・押印する
上記の要件さえ満たせば、形式として問題のない遺言書が仕上がりますが、ここに「複数にわたる場合の契印」とは記載がありません。
このことから、複数にわたる場合でも契印は不要と解釈できます。
遺言書は、枚数ではなく通数で算定し、同じ作成者による「1通の遺言書として成立するか」を判断基準とします(参考:遺言書無効確認請求 最高裁判所第三小法廷)
複数にわたる場合はページ数を記載する
自筆証書遺言が複数にわたる場合、契印がなくとも問題はありません。
しかし、自宅にて保管する場合、発見者に不都合な部分だけ抜き取られる可能性もあります。
このような場合に備え、各ページごとに頁数を記載しておくことをオススメします。
もちろん、契印でも構いません。
自宅保管による紛失、変造、隠匿等がご心配な場合、法務局の自筆証書遺言書保管制度のご利用も検討してみてくださいね。
自筆証書遺言書が複数にわたる場合の契印の要否 まとめ
当ページでは、自筆証書遺言書の作成に際し、複数にわたった場合の契印の要否について解説しました。
本記事では、自筆証書遺言が複数枚になった場合の契印の要否について解説しました。