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当ページでは、フリーランスが活用できる節税対策と注意点を解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
節税とは
節税とは、税金制度を賢く利用し、合法的に税金額を抑えることをいいます。
ルールを破って税金額を抑えれば「脱税」となります。
節税のメリット
節税には、下記のメリットがあります。
- マネーリテラシーの向上
- 確定申告が自分でできる
- 自由に使えるお金が増える
- 時間と気持ちに余裕が生まれる
わざわざ説明するまでもないかもしれませんが、既存の制度をうまく活用することで納税額を抑え、手元に残る資産が増え、時間と気持ちに余裕が生まれることが節税最大のメリットだといえます。
フリーランスの節税
フリーランスの場合、1事業年度における所得金額に税率をかけることで、納めるべき所得税額を算出します。
具体的には、収入金額-(必要経費+青色申告特別控除)により所得額を計算し、最後に、各控除を適用することになります。
つまり、活用できる控除枠を正しく知ることで、課税所得額をおさえることが節税効果を最大化するポイントです。
フリーランスが利用できる控除
フリーランスは、下記の控除を利用できます。
種類 | 概要 |
---|---|
配偶者控除・配偶者特別控除 | 一定の所得金額以下の配偶者がいる場合に適用可能 |
扶養控除 | 所得金額38万円以下(令和2年以降は48万円)の扶養親族がいる場合に適用可能 |
医療費控除 | 医療費、医薬品の購入費用のうち、原則、自己負担額が10万円を超える場合に適用可能 |
iDeCo (個人型確定拠出年金) | iDeCoに加入している場合、1年間の支払掛金全額について適用可能 |
小規模企業共済 | 小規模企業共済に加入している場合、1年間に支払った掛金の全額について適用可能 |
ふるさと納税 | 地方自治体に寄付金を支払った金額のうち、一部を除いて適用可能 |
青色申告特別控除 | 確定申告において、青色申告を選択した場合、最大65万円まで控除可能 |
少額減価償却資産の特例 | 取得価格30万円未満の資産について、前倒しでの処理が可能 |
上表のほか、下記の控除が適用される場合もあります。
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寡婦(寡夫)・ひとり親控除
- 障害者控除
- 寄付金控除
- 雑損控除など
自身に合う控除の適用条件を確認し、忘れずに申告しましょう。
見落としがちな経費
フリーランスの営む事業ごとに、経費算入できる内容は異なります。
下記に見落としがちな経費を例示しますので、自身の例と照らし、算入の可否を検討しましょう。
開業費
事業を始める際にかかる費用は、経費計上することができます。
具体的には、開業前に受講したセミナーの受講料、商圏調査等にかかる交通費、広告宣伝費、名刺代、書籍の購入費用まで、幅広く算入できます。
法律上、開業日のいつから経費として認められるかの規定はないため、明らかに開業にかかった費用と認められるものは、忘れずに算入しましょう。
家事按分
フリーランスとして開業する際、公私の区別をつけず、備品等を利用する場合があります。
例えば、自動車、スマートフォン等の電子機器、自宅の一室等がこれにあたります。
この場合、事業に使用した部分のみを経費として算入することができます。これを「家事按分」といいます。
家事按分をする際の割合について、客観的な根拠を示す必要がある点には注意しましょう。
ガソリン代の場合、走行距離や乗車時間、スマホの場合は通話時間等が根拠となります。
税理士報酬
自分で会計処理が難しい場合、税理士に依頼する選択肢もあります。
税理士報酬の目安は下記の通りです。
内容 | 金額 |
---|---|
顧問料 | 月額1万円から3万円 |
訪問量 | 月額5千円から1万円 |
記帳代行 | 月額1万円から3万円 |
決算・確定申告 | 1万円から5万円 |
上表はあくまで目安ですが、開業から間もないフリーランスを相手に、突然高額請求をする税理士は少数です。
税務の専門家の知識とノウハウを借りることで、自分では知り得ない制度を活用できる場合も多く、経営相談に乗ってくれる場合もあります。
開業時から顧問契約を検討される人は少ないですが、1度相談してみると新たな発見があるかもしれません。
業種別の経費率
事業収入に対する経費の割合を「経費率」といいます。
自分が支出している経費率が適正かどうか、下表を参考にするのもいいかもしれません。
業種 | 経費率 |
---|---|
卸業 | 90% |
小売業 | 80% |
製造業 | 70% |
飲食業 | 60% |
サービス業 | 50% |
税額控除
所得控除の場合、課税所得を小さくすることで、所得税額を減らします。
いっぽう、所得控除適用後の所得税額から「直接」控除できる制度があります。
これを税額控除といい、下記が挙げられます。
- 調整控除
- 配当控除
- 分配時調整外国勢相当額控除
- 外国税額控除
- 寄付金に関する各種控除
積極的に投資を行っている場合や特定の企業、団体に寄附を行った場合に使える控除なので、該当する人は事前に確認しましょう。
寄付金には、
(1)ふるさと納税
(2)政党等寄附金特別控除
(3)認定NPO法人等寄附金特別控除
(4)公益社団法人等寄附金特別控除
などが含まれます。
住宅関連控除
下記は、住宅に関する控除です。
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
- 住宅地震改修特別控除
- 認定住宅新築等特別税額控除など
フリーランスが活用できる節税対策、注意点まとめ
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