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当ページでは、著作権の移転登録に必要な手続と注意点を解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
著作権の移転登録とは
著作権の移転登録とは、譲渡契約等により著作権の権利者が変更した際、文化庁から受ける登録をいいます。
著作権を譲渡する側を「登録義務者」、譲受ける側を「登録権利者」といいます。
移転登録の効力
著作権には、原則、「著作物を想像した時点で自動で発生する」という特徴があります。
しかし、第三者の著作物と争いが生じた場合、客観的な証拠がなければ優劣がつけられません。
このような場合に備えるために、文化庁への登録制度はあります。
著作権の移転登録をすることで、著作権に関する権利を第三者に対抗できる効果が発生します。
相続時の移転登録について
著作権の移転が発生する場合として、譲渡契約等の他にも、相続、合併・分割による承継等があります。
これらの場合、相続人は被相続人(死亡人)の権利を承継するため、第三者への対抗を考える必要がなく、移転登録手続は不要です。
ただし、著作権に関し、相続人同士でトラブルに発展する場合があるため、遺産分割協議書に記載しましょう。
令和元年(2019年)7月1日より、相続その他の一般承継による著作権移転についても登録が可能となりました。が、登録は必須ではないので、慎重に検討しましょう。
移転登録の流れ
著作権の移転登録は、下記の流れで行います。
- 提出書類の作成
- 登録申請
- 登録
1.提出書類の作成
1-1.移転登録に必要な書類
- 著作権登録申請書
- 譲渡契約書の写しまたは譲渡証書
- 著作物の明細書
- 著作物の内容または体様を示す添付書類
- 単独申請承諾書
- 委任状(代理人が申請する場合)
- 同意書(代理人が申請する場合)
著作権登録申請書
著作物の題号、登録権利者、登録義務者など、登録原簿に記載する事項を記入します。
登録免許税として、収入印紙(18,000円)を貼付します。
消印は不要です。
譲渡契約書の写し 又は 譲渡証書
移転登録の原因となった事項を証明する書面を添付します。
著作物の明細書
著作物を特定するための書面なので、「題号」「種類」「内容」等を記載します。
対象の著作物が既に登録されている場合、不要です。
著作物の内容 又は 体様を示す添付書類
言語化しづらい美術や建築の著作物については、写真や図面を添付する場合があります。
単独申請承諾書
原則、移転登録申請は「登録義務者」「登録権利者」が協力して行いますが、登録義務者の承諾がある場合に限り、登録権利者が単独で申請することができます。
委任状・同意書
登録申請に関し、代理人を指定した場合は「委任状」が必要です。
また、委任契約に関与しない他の当事者が委任に同意したことを示すため、「同意書」を添付する必要があります。
2.登録申請
登録申請は、原則、電子メールにて文化庁著作権課著作物流通推進管理係宛(ckanri@mext.go.jp)に提出します。
登録申請1件について、18,000円の登録免許税がかかります。
著作隣接権を移転する場合、1件9,000円です。
3.登録
申請後、文化庁の書類審査が行われます。
書類に不備がなければ、1週間から1か月ほどで「登録済通知書」が交付されます。
著作権の移転登録手続、注意点まとめ
当ページでは、著作権の移転登録手続と注意点を解説しました。