当サイトの一部に広告を含みます。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
電子定款とは
電子定款は、会社の基本情報・規則を電子ファイル形式で作成したものをいいます。
紙媒体で作成したものを「定款」「紙定款」と呼んで区別します。
電子定款のメリット
紙ではなく、電子による定款作成では、下記のメリットがあります。
1.印紙代の削減
紙定款の場合、印紙税法の対象となるため、申請に際し、印紙代4万円が必要です。
電子定款の場合、この費用がかからないため、設立費用が4万円削減できます。
ただし、公証人に支払う手数料は必要な点に注意しましょう。
2.手間の削減
紙定款の場合、印刷や製本、発起人全員の署名押印を要しますが、電子定款ならこの手間を省くことができます。
また、登記・供託オンライン申請システム、マイナポータルからの申請が可能なため、公証役場まで持参する手間もかかりません。
ただし、認証済の定款はインターネット経由でのやり取りができず、オンライン認証をした場合でも、1度は公証役場に出向く必要があります。
電子定款の注意点
電子定款を作成する場合、下記に注意しましょう。
1.作成に専用機器が必要
電子定款を作成する場合、電子署名を行うために専用ソフト、ICカードリーダーライタ等が必要です。
1度の申請にこれらの機器を揃えるより、行政書士や司法書士等に作成を依頼する方が合理的な場合もあるため、慎重に検討しましょう。
2.申請後の修正変更が有料
紙定款の場合、申請後の内容修正は、訂正印を用いる事で可能です。
いっぽう、電子定款で作成した場合、申請後の修正は再申請による方法しかなく、再度手数料を支払わなければならない場合があります。
認証手続前に公証人と電子メールまたはFAX等でやり取りし、内容を確認してもらいましょう。
電子定款の作成に必要なもの
電子定款を作成する際、下記が必要です。
- マイナンバーカード
- ICカードリーダーライタ
- 電子署名ソフト
- 電子署名プラグインソフト
1.マイナンバーカード
マイナンバーカードについて、通知カードと混同されている人がいます。
電子定款の作成には、市区町村役所で受け取るプラスチック製のカードが必要です。
2.ICカードリーダーライタ
マイナンバーカードの読取りに、ICカードリーダーライタが必要です。
これから購入される場合、マイナンバーカードの読取りに対応しているかどうか事前に確認しましょう。
3.電子署名ソフト
PDFに変換した定款に電子署名をするには、電子署名ソフトが必要です。
代表的なのは、Adobe Acrobatですね。
4.電子署名プラグインソフト
PDFに変換した定款に電子署名を行う際に必要です。
Adobe Acrobatを使用する場合、登記・供託オンライン申請システムの無料ソフトを利用します。
電子定款作成の流れ
電子定款は、次の流れで作成します。
- 電子定款の原本作成
- 公証役場に面談予約
- 電子署名
- オンライン申請
- 公証役場にて受取
1.電子定款の原本作成
定款に記載すべき事項を決め、Word等の文書作成ソフトで定款の原本を作成します。
定款には、下記の事項を記載します。
- 商号
- 事業目的
- 本店所在地
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名、住所
上記は会社法に定められた「絶対に記載しなければならない事項」なので、他に必要な事項を適宜記載する必要があります。
2.公証役場に面談予約
株式会社、一般社団法人、一般財団法人等の場合、公証役場での認証手続が必要です。
認証手続を行う前に、公証人に定款内容を確認してもらうため、公証役場に面談予約をします。
電子メールまたはFAX等で内容を確認してもらうことができます。
3.電子証明書を取得・読込
公証人により不備がないことを確認してもらったら、PDFファイルに変換し、電子署名を行います。
電子署名を行うには、代表者のマイナンバーカードに対応するスマホ、または、ICカードリーダーライタ等が必要です。
これから購入される場合、「マイナンバーカード対応」のものを購入しましょう。
4.オンライン申請
電子定款の申請は、「登記・供託オンライン申請システム」または「法人設立ワンストップサービス」から行います。
5.公証役場にて受取
公証役場から認証完了の連絡を受け、電子定款を受け取るため、下記を用意して公証役場に行きましょう。
電子定款の作成・認証に必要なもの、メリット、注意点まとめ
当ページでは、電子定款の作成・認証に必要なもの、メリットと注意点を解説しました。