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遺言書を変更する場合の形式、注意点を解説

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当ページでは、遺言書の内容を変更する場合に必要な手続と注意点を解説します。

筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。

遺言書の書き直し

作成した遺言書を書き直す場合、(1)新たな遺言書を作成する方法、(2)遺言書の一部を変更する方法に分けられます。

(1)新たな遺言書を作成する場合

新しく遺言書を作成する場合、決まった様式はありません。

作成に関する規定を守って作成し、古い遺言書は破棄しましょう。

万が一、古い遺言書を破棄し損じ、死後に複数の遺言書が見つかった場合は、最新の日付が記載されたものを採用します。

(2)遺言書の一部を変更する場合

1度作成した遺言書の一部を変更する場合、遺言書の作成者が正しい方式に従うことを前提に、「いつでもできる」とされます(民法第1022条)

逆に言えば、遺言書の作成者以外が変更することは許されず、方式に従わない変更は、遺言書の全部または一部が無効となる可能性があります。

遺言書の一部を変更する方法

遺言書の一部を変更する方法を下記に分けて解説します。

  • 訂正
  • 加入(加筆)
  • 削除

訂正する場合

訂正とは、遺言書の一部に誤字があったような場合に行う変更方法です。

この場合、訂正したい箇所に二重線を引き、正しい文言を上部または横に書きます。

引いた二重線のそばに、遺言書作成時に押印したものと同じ印鑑を押してください。

訂正前の文字が見えるようにしてくださいね。

最後に、訂正箇所の近く、または、遺言書の末尾に「○行目の○○を△△に訂正した。」と記載し、署名しましょう。

書き加える場合(加入)

加入とは、遺言書の一部に脱字があった場合、抜けた文言を書き加える変更方法です。

加筆したい部分に吹き出しを書き込み、加える文言を記載し、訂正印を押します。

加筆箇所の近く、または、遺言書の末尾に「○行目に「△△△」と○文字加入した」と記載し、署名しましょう。

削除する場合

遺言書に記載した内容の一部を削除したい場合、希望する箇所に二重線を引き、近くに訂正印を押します。

削除箇所の近く、または、遺言書の末尾に「○行目の全文を削除した。」と記載し、署名します。

※全文ではなく一部を削除した場合は字数、特定の条項を全て削除した場合は「○条全文を削除」と記載しましょう。

自筆証書遺言書保管制度を利用している場合

法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用している場合、原本を法務局で保管しています。

このため、変更したい旨を法務局に連絡し、所定の手続をとる必要があります。

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公正証書遺言を作成した場合の変更方法

公正証書遺言を作成した場合、遺言書の原本は公証役場で保管されているため、控えを訂正しても実質的な訂正にはなりません。

遺言書の一部を変更する場合、更正証書、補充証書を作成する方法もありますので、更正証書遺言を作成した公証役場に問い合わせてください。

理論上は、最新の日付が記載される遺言書のみ有効とされるため、新たに自筆証書遺言を作成する方法も有効です。
しかし、公正証書遺言を作成する動機をお持ちの作成者は、新規作成でも公正証書遺言を利用する場合が多いように思います。

公証役場を利用する場合、訂正にも費用がかかる点に注意しましょう。

遺言書を書き直す場合の形式、注意点まとめ

当ページでは、遺言書を訂正する際の方式と注意点を解説しました。

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