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代償分割の方法、メリットと注意点を解説

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当ページでは、代償分割の方法、メリットと注意点を解説します。

筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。

代償分割とは

代償分割とは、遺産の相続人際し、特定の相続人に遺産を現物で取得させ、取得者が他の相続人に対し、代償金を支払う方法です。

一般的に、遺産は「現物分割」「換価分割」「代償分割」から最適な方法を選び、分割します。

現物分割が難しい場合に検討することもあります。

代償分割のメリット

代償分割により、下記のメリットが考えられます。

1.紛争防止

不動産等の現物分割が難しい遺産は、共有状態になることがあります。

共有状態は、公平で合理的な分割方法に見えるものの、トラブルに発展することも多いことから、オススメしかねる方法でもあります。

代償分割の場合、この「共有」を回避し、後のトラブル未然防止にも有効です。

いっぽう、現物分割の場合、対象の遺産を細分化しなくてはならず、本来の目的で使用することが難しいこともありますが、代償分割ならこの心配もありません。

2.遺産を手元に残すことができる

対象の遺産を換価分割する場合、相続人間の公平性は保たれるものの、遺産そのものは手元に残りません。

いっぽう、代償分割の場合、あくまで相続人が取得するため、遺産が他人の手に渡ることを防ぐことができ、心理的にも有効な方法だといえます。

「先祖代々の土地を自分達の代で手放すのは惜しい」と考える人も多いんですよね。

代償分割の注意点

代償分割を行う場合、下記の点に注意しましょう。

1.遺産の評価方法

代償分割の場合、取得する相続人以外に支払う金額を確定させるべく、評価方法を確定しなくてはなりません。

しかし、不動産の評価方法について「これ」と決まったものはなく、複数の評価方法から相続人全員が合意する方法で行うことになります。

例えば、Aの評価方法では1,000万円、Bの評価方法では2,000万円の場合。
不動産を相続する側はA、代償金を受け取る側はBを希望する等の不均衡が生じ、話し合いが調わないケースもあります。

2.代償金が支払えない場合がある

代償分割の場合、取得者からその他の相続人に対し、代償金の支払い義務を負います。

取得する相続人にまとまった資金を用意する能力がない場合、分割払い、他の資産による支払等も考えられますが、原則的には「お金がないと難しい」分割方法であることに変わりはありません。

3.代償分割の明記

代償分割に伴う代償金額の決定は、原則、相続人同士で事由に決めることができます。

対象が不動産の場合、取引額は高額化することもあるため、代償金のやり取りを「贈与」ではないかと摘示される可能性があります。

「相続」「贈与」いずれを適用するかで、課税率が大きく異なるため、注意しましょう。

これを防ぐためには、遺産分割協議書上に「代償分割」と明記し、代償金の支払方法等を具体的に決定・記載すること。

また、相続税の基礎控除額を把握するよう努めましょう。

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代償分割にかかる税金

代償分割に伴い、下記の税金がかかる場合があります。

1.相続税

被相続人の遺産を相続する場合、相続税の基礎控除額を超過する部分には相続税が課されます。

逆に言えば、基礎控除額を超えなければ相続税はかかりません。

基礎控除額を超えるかどうかを判断する際、代償分割によって分割した遺産の課税価格は「時価で評価した場合」「相続背評価額を適用した場合」で異なります。

1-1.時価で評価した場合

不動産を時価で評価した場合、下記の式にて課税額を算出します。

  • 代償金を支払った人
    課税価格=相続税評価額-代償金額×(相続税評価額/代償分割時の時価)
  • 代償金を受け取った人
    課税価格=相続税評価額+代償金額×(相続税評価額/代償分割時の時価)

支払う側は代償金額をマイナス、受け取る側は代償金額をプラスします。

1-2.相続税評価額を適用した場合

相続税評価額により算出した場合、課税額は下記の式にて算出します。

  • 代償金を支払った人
    課税価格=相続税評価額-代償金額
  • 代償金を受け取った人
    課税価格=相続背評価額+代償金額

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2.贈与税

原則、代償分割により相続人同士でやり取りする金銭に贈与税はかかりません。

ただし、課税されないのは遺産分割協議書に「代償分割により代償金を支払う」旨の記載がある場合です。

また、代償金額として定めた額面を超える金額を支払った場合、支払者から受取者への「贈与」とみなされる可能性があります。

遺産分割協議時は評価方法、支払時は過不足のない支払を心がけましょう。

3.所得税

一般的に、代償金の支払は現金一括による場合が多いですが、分割払い、別の不動産等を支払に充てる等の方法も選択できます。

この場合、支払者から受取者への「譲渡があった」とみなされ、所得税が課される可能性があります。

代償分割の方法、メリット、注意点まとめ

当ページでは、代償分割の方法、メリット、注意点を解説しました。

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カテゴリー: 相続・相続税


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