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当ページでは、労働条件通知書と雇用契約書の違い、労働条件通知書に記載すべき事項と交付のタイミング、その他注意点を解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
労働条件通知書とは
労働条件通知書とは、契約期間、就業場所・時間、従事する業務の内容、賃金等、使用者が労働者を雇用する際、明示しなければならない事項を記載した書類のことをいいます。
労働条件通知書の作成を怠った場合、30万円以下の罰金に科される可能性があります。
このほか、明示義務を負っている事項を記載しなかった場合にも、30万円以下の罰金に処される可能性があります。
労働関連法の改正が続いているため、必ず、内容は確認しましょう。
雇用契約書との違い
雇用契約書は、使用者が労働者を雇入れる際、雇用条件と互いに合意したことを証明するために作成する契約書です。
雇用契約書は2部作成し、双方が署名押印した後、各自で保管しますが、労働条件通知書の場合、使用者から一方的に通知されることになります。
法律上は、労働条件として明示すべき内容を義務化するのみで、雇用契約書にこれを記載しても構いません。
労働条件通知書を交付するタイミング
労働条件通知書は、労働契約を結ぶときに交付します。
労働契約を結ぶときというのは、新卒者の雇入時、求人募集による採用時、既に雇入れている従業員の労働条件に変更があったときを含みます。
労働条件通知書の交付対象は、使用者が雇用する全ての労働者です。
正社員だけでなく、パート・アルバイトさん、常勤非常勤等の区別に関わらず、すべての労働者に交付する義務を負います。
労働条件通知書で明示すべき内容
労働条件通知書には、下記の事項を記載しなければなりません。
- 労働契約の期間
- 就業の場所
- 従事すべき業務の内容
- 始業終業の時刻、休憩時間、就業時転換、所定時間外労働の有無等に関する事項
- 休日、休暇
- 賃金の決定方法、支払時期
- 退職に関する事項
- 昇給に関する事項
短時間・有期雇用労働者の場合、上記に加え、下記事項も明示する義務があります。
- 昇給の有無
- 賞与の有無
- 退職金の有無
- 相談窓口の有無
該当する場合に記載が必要なもの
下記に該当する場合、法律上は口頭での明示でも許されますが、トラブル回避のため、書面上に記載することをオススメします。
- 退職手当の対象となる労働者の範囲
- 退職手当の決定、計算、支払方法、支払時期
- 賞与など臨時に支払われる賃金、最低賃金等
- 労働者に負担を求める食費、作業備品等
- 安全衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償、業務外の相互扶助に関する事項
- 表彰・制裁に関する事項
- 休職に関する事項
電子交付も可能
労働条件通知書の交付について、原則、紙面による明示が義務づけられています。
例外的に、労働者が希望する場合に限り、FAX、電子メール、SMS等の電子交付も認められます。
PDFファイルを添付する方法なら、必要なときに労働者自身でプリントすることもできて便利ですね。
いずれの場合も、交付年月日、交付方法等を記録しておくと、後のトラブル防止にも繋がります。
労働条件通知書と雇用契約書との違い、記載内容と注意点まとめ
当ページでは、労働条件通知書と雇用契約書の違い、明示事項、注意点を解説しました。