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当ページでは、損益分岐点の計算方法と、経営等での活用法を解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
損益分岐点とは
損益分岐点は、売上高と費用がプラマイゼロになる数値をいいます。
事業を営む上で黒字にするには、損益分岐点よりも高い売上を実現する必要があり、非常に重要な数字だといえます。
変動費と固定費
損益分岐点を計算するには、費用を「変動費」「固定費」に分けて考える必要があります。
変動費は、売上や生産量により変動する費用をいいます。
固定費は、売上や生産量が変動しても変わらない(固定的)費用をいいます。
変動費の具体例として、仕入原価、外注費、配送料などで、固定費はテナント料(賃借料)、保険料、減価償却費、人件費等が挙げられます。
変動費率
変動費率は、売上高に占める変動費の割合を指し、「変動費÷売上高×100」で計算します。
限界利益
限界利益は、売上高から変動費を差し引いた利益をいいます。
固定費を引く前の状態で、「売上高-変動費」で算出します。
売上高に占める限界利益の割合を限界利益率といい、「限界利益÷売上高×100」で計算します。
限界利益の高さは固定費を回収する能力を表すため、高ければ高いほど確実かつ早期に固定費を回収できる=収益を上げられることがわかります。
損益分岐点の計算方法
損益分岐点は「販売量」「売上高」の2面から求めることができます。
販売量の損益分岐点
売上高の損益分岐点
損益分岐点を簡単に計算する方法
損益分岐点は、Excelでグラフ化することができます。
Excelで損益分岐点計算をする
Excelでの損益分岐点の計算は、次の流れで行います。
(1)シミュレーションする数値を入力
「変動費率」「売上高」を手入力します。
「変動費」は自動計算させましょう。
「固定費」を手入力し、合計額を算出します。
最後に「損益分岐点売上高」の算出式を入力すれば、自動計算表の完成です。
(2)グラフ化
表をドラッグし、「挿入」より「グラフの挿入」を行えば、自動でグラフができます。
数値のみで確認するのに対し、グラフにすることで視認性もあがり、把握しやすくなるのでオススメです。
Excelのほか、ウェブ上で自動計算ツールを公開しているサイトもあります。下記にリンクを貼付しますので、気になる方はご覧下さい。
損益分岐点の活用方法
損益分岐点は次のように活用することができます。
1.限界利益率で商品開発
限界利益率は、「限界利益÷売上高×100」の計算式で算出します。
この際、会社全体の数値を使わず、商品・サービスごとに計算するとより利益率の高い商品を探ることができます。
売上の増加には、限界利益率の高い商品・サービスをより多く開発し、提供することが不可欠です。
自社の商品を知ることに役立てましょう。
2.割引販売の限界を知る
多数の在庫を抱えている場合、どう処分しようか悩むことがあります。
うまく処分するために割引販売を考える際、やみくもに減額すると大赤字になる可能性も。
損益分岐点計算を活用し、自社に与える影響をきちんと把握した上で戦略を講じましょう。
3.変動費・固定費で自社の傾向を知る
損益分岐点を計算するには、「変動費」「固定費」「売上高」の把握が必須です。
より多くの売上をたてるには、変動費・固定費ともに低い状態が望ましいため、算出した数値が高い場合、改善策を講じる必要があります。
低ければ低いほどいいというわけではないため、自社にとっての適正な数値を探りましょう。
損益分岐点に関する注意点
損益分岐点は絶対的なものではありません。
「変動費」「固定費」の変動に伴い、損益分岐点も変動するため、自社を取り巻く環境の変化に応じ、定期的な見直しが不可欠です。
また、損益分岐点は理論上の予測値に過ぎません。
経営をするうえで予測不能な事態は必ず起きるため、あまり過信せず、余裕のある経営計画を策定しましょう。
損益分岐点の計算方法、活用法 まとめ
当ページでは、損益分岐点の計算方法と活用法を解説しました。