当サイトの一部に広告を含みます。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
労災保険とは
労災保険は、正式名「労働者災害補償保険」といい、労働者が災害に遭った場合、国が会社に代わり補償を行う制度です。
補償の対象となるのは、業務災害と通勤災害の2種類で、保険料は事業主が全額負担します。
補償内容
労災保険による補償内容は次の通りです。
労災保険の加入対象者
労災保険に加入できるのは、原則、労働者(従業員)で個人事業主(代表者)は対象外となります。
しかし、例外規定も設けられており、一定要件を満たすことで個人事業主等が加入できる制度もあります。
ウーバーイーツの保険制度
フードデリバリーサービスのウーバーイーツでは、配達時の「対人・対物賠償責任保険」、配達員の「傷害補償制度」を提供しています。
ウーバーイーツ保険の注意点
ウーバーイーツが提供する保険制度は、あくまでも必要最小限度です。
対人・対物賠償責任保険では、配達外の事故は免責事項(補償対象外)とされているだけでなく、弁護士特約も附帯しません。
極めつけは、事故相手との示談交渉を自分で行うのが基本なのだそうです。
安易にウーバー保険を選ばず、加入前に自身で選んだ業務賠償責任保険と比較検討することをオススメします。
ウーバー配達員が労災保険に加入する場合
令和3(2021)年9月から、それまで(1)中小事業主等、(2)一人親方等、(3)特定作業従事者、(4)海外派遣者を対象に運用されてきた「労災保険の特別加入制度」に、下記の人が加入できることになりました。
- 第一種特別加入者:中小事業主等
- 第二種特別加入者:一人親方等、特定作業従事者
- 第三種特別加入者:海外派遣者
このうち、第二種特別加入者に該当する「一人親方等」にフードデリバリー配達員が追加されました。
つまり、ウーバー配達員も労災への加入が認められるのです。
特別加入の保険料
特別加入の場合、労災保険の「給付基礎日額(休業給付の計算基礎となる金額)」を任意に設定することができ、給付基礎日額に応じた保険料を納付することになります。
保険料率は、1,000分の12です。
- 保険料算定基礎額=給付基礎日額×365日
- 労災保険の保険料=保険料算定基礎額×1,000分の12(保険料率)
下記は、給付基礎日額に応じた年間保険料です。
給付基礎日額 | 保険料算定基礎額 | フードデリバリー配達員の保険料 |
25,000円 | 9,125,000円 | 109,500円 |
24,000円 | 8,760,000円 | 105,120円 |
22,000円 | 8,030,000円 | 96,360円 |
20,000円 | 7,300,000円 | 87,600円 |
18,000円 | 6,570,000円 | 78,840円 |
16,000円 | 5,840,000円 | 70,080円 |
14,000円 | 5,110,000円 | 61,320円 |
12,000円 | 4,380,000円 | 52,560円 |
10,000円 | 3,650,000円 | 43,800円 |
9,000円 | 3,285,000円 | 39,420円 |
8,000円 | 2,920,000円 | 35,040円 |
7,000円 | 2,555,000円 | 30,660円 |
6,000円 | 2,190,000円 | 26,280円 |
5,000円 | 1,825,000円 | 21,900円 |
4,000円 | 1,460,000円 | 17,520円 |
3,500円 | 1,277,500円 | 15,324円 |
特別加入に必要な手続
特別加入の手続は、都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体が行います。
令和6(2024)年2月時点では、「建設業と運送業の一人親方労災保険組合 配達員特別加入部会」が特別加入団体に該当します。
ウーバー配達員の労災加入要件と特別加入制度を解説 まとめ
当ページでは、ウーバー配達員の労災加入要件と特別加入制度を解説しました。