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当ページでは、空き家を所有しているものの、どう活用すれば良いかわからない人向けに、特定空家制度の概要、空き家に指定された場合のリスク、空き家の活用法について解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
空き家とは
空き家とは、建築物またはこれに附属する工作物を使用していない状態が続いているものと、その敷地を指します。
ただし、国や地方公共団体が所有・管理しているものは除外されます。
空き家に指定される要件
空き家のうち、次の要件に該当するものを「特定空き家」といいます。
- 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
- 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
要するに、近隣に良くない影響を及ぼし、早急な処理を求められる空き家が「特定空き家」になります。
保安上の危険判断
保安上の危険があるかどうかを判断するのは、行政です。
このとき、行政が判断基準として用いるのが「応急危険度判定士」のマニュアルです。
応急危険度判定士は、大地震や余震により被災した建築物の調査、その後の余震による倒壊の危険性、外壁や窓ガラスの落下、附属設備・機器の落下、転倒リスクを判定する資格者のことをいいます。
特定空家に指定されるまでの流れ
特定空家に指定されるまで、次のようなプロセスを辿ります。
- 助言
- 指導
- 勧告
- 命令
具体的には、勧告までに改善が見られないと特定空家に指定されることとなり、行政による処置が執られます。
特定空家に指定されたると起きること
特定空家に指定されると、次の処置がとられます。
- 固定資産税・都市計画税の特例対象から外される
- 50万円以下の罰金を支払わなければならない可能性
- 行政代執行による費用を請求される
固定資産税等の特例対象から外される
不動産を所有していると、固定資産税・都市計画税がかかります。
しかし、専用住宅の敷地に供されている面積のうち200㎡までは小規模住宅用地として扱い、「小規模宅地の特例」という制度の対象になります。
この制度が適用されれば、200㎡以下の固定資産税は1/6に、200㎡を超える部分の一般住宅用地にかかる固定資産税も1/3まで軽減されます。
都市計画税の場合、200㎡以下は1/3、200㎡を超える部分は2/3まで軽減されます。
しかし、特定空家に指定されてしまうと、この特例の要件である「住宅として使用している」に当てはまらないので、特例対象から外れます。
こうなると、都市計画税は最大3倍、固定資産税は最大6倍になる可能性があります。
50万円以下の罰金を支払わなければならない可能性
行政から勧告があった時点でも適切な処理をせず、命令に至った場合、不動産の所有者は、50万円以下の罰金を支払わなければなりません。
行政代執行による費用請求
行政からの命令があり、50万円の罰金を支払ってもなお適切な処置を施さない場合、行政が代執行を行います。
代執行とは、本来は所有者が執るべき処置を行政が代わりに行うことをいいます。
具体的には「強制撤去」などが行われるので、不動産は取り壊され、跡形もなくなります。
また、撤去にかかる費用はすべて所有者が支払わなければなりません。
所有者からしてみれば、勝手に取り壊しておいて費用だけ請求してくるなんて…という気持ちになるかもしれませんが、急に代執行が行われるわけではないので、早めに手を打ちましょう!
特定空家に指定された場合の解除法
万が一、特定空家に指定された場合でも、適切な処置をとることで解除は可能です。
そもそも、特定空家に指定されるまでには助言・指導というプロセスもありますから、どうして特定空家に指定されたのか、原因はわかるはずです。
この原因を丁寧に取り除いた上で、行政に解除を申立てましょう。
特定空家に指定されないためには
特定空家に指定されないためには、「住む」「貸す」「売る」「活用」の4つの方法が考えられます。
空家を所有しているものの、どう扱えばいのかわからない、どこに相談すればいいのかわからない…という人は、下記までご相談下さい。
公益社団法人 かながわ住まいまちづくり協会
電話:045-664-6901
FAX:045-664-9359
メール:akiyasoudan@machikyo.or.jp
空き家(特定空家)まとめ
当ページでは空家(特定空家)に指定される要件、指定された場合に起きることと対処法について紹介しました。