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当サイトでは、親の死亡時に発生する「相続」に備え、考えておくべき事10のことを解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
相続開始のタイミング
相続は、被相続人(死亡人)の死亡と同時にスタートします。
相続開始までに考えておきたい10項目
下記は、相続と密接に関係する項目です。
つまり、生前から相続開始までに考えておかなければならない項目でもあります。
- 住まい
- 介護
- 病院
- 保険
- 治療方針
- 財産
- 葬儀
- 埋葬(お墓)
- 不要品の整理
- 遺言書の作成
1.住まい
年齢が上がるにつれ、健康に不安を抱える人が増える傾向にあり、認知症発症リスクも高まります。
病気または障害等により判断能力が低下した場合、選択肢は急激に狭まり、周囲が手を貸すことも難しくなってしまうのが現状です。
このため、下記の点を話し合っておきましょう。
- 「自宅」「施設」のどちらで最期を迎えたいか
- 不動産を所有している場合、誰に承継させたいか
- 不動産に関し、老後の必要資金を把握できているか
「自宅」「施設」のどちらで最期を迎えたいか
病気・ケガは、何の前触れもなく起こります。
万が一に備え、自分の最期をどこで迎えたいかは、日頃から話し合っておくことをオススメします。
自宅を選んだ場合、必要があればバリアフリー化も検討しましょう。
自治体により、バリアフリーを目的とするリフォームを対象とする補助金・助成金制度を設けているところもありますので、お住まいの地区を管轄する市区町村役所までご確認ください。
施設の場合、複数箇所から資料を取り寄せ、利用できる施設・サービス、料金、入居要件等を比較検討しておきましょう。
不動産を誰に承継させたいか
財産に不動産がある場合、現在の権利関係を確認しましょう。
権利関係は、「全部事項証明書」または「名寄帳」にて確認することができます。
全部事項証明書は、不動産所在地を管轄する法務局、名寄帳は市区町村単位で発行されるため、不動産所在地を管轄する市区町村役所にて取得することができます。
管轄外の区域にある不動産は記載されないため、どのエリアに所有不動産があるのか確認しましょう。
共有関係、または、抵当権等が設定されている場合、承継させたい推定相続人(自身の死亡時、相続人になる予定の人)または特定の相手がいるのなら、持分の取得等を検討する必要があります。
老後の必要資金を把握できているか
老後の必要資金を把握できていない場合、将来の生活において資金不足に陥る可能性があります。
老後資金の不足に備えるには、(1)積立投資、(2)年金制度の活用、(3)資産の売却が考えられます。
FP、年金アドバイザー、税理士等の専門家に相談することで、自分達に合ったプランを提案してくれるだけでなく、然るべきサポートを受けられる可能性があります。
2~5.介護・医療
核家族化が進む現代において、高齢者の孤独死が問題となっています。
健康なうちから予防医療を受けるのが理想ですが、多忙な人ほど後回しに。
もしものとき、家族が対応に困らないよう、次のポイントを抑えて話し合いを行いましょう。
- どこで、誰の介護を受けたいか
- 介護・医療にかかる費用、制度を把握しているか
- 突然倒れた場合の対策は講じているか
- 信頼できるかかりつけ医はいるか
- 臓器提供、延命治療、緩和治療等の選択に希望はあるか
- 最期をだれに、どこで看取ってほしいか
- 医療保険・介護保険の契約内容は適切か
終末期の患者は、感情や治療・投薬方針等の決定時の意図をうまく伝えられない場合があります。
健康なうちに本人の希望を知っておくことで、もしもの時に迅速な決定を促す効果が期待できます。
6+9+10.財産・遺品
自分の財産を正しく把握している人が少ないものの、財産調査を他人に任せることに抵抗を感じる人が多いため、本人自身で把握しておいてくれるよう、財産調査を促しましょう。
財産が把握できれば、老後のライフプラン、希望する分割方法・割合等が計画しやすくなります。
- どのような目的で資産を保有しているのか
- だれに、何を、いくら残したいか
- 必要書類、保管場所の共有をしているか
- 貸金庫、取引口座のある金融機関情報、暗証番号は控えているか
- 各財産の名義は現状に合っているか
- 大切なものの処分方法に希望はあるか
- 他人に見られたくないものはあるか
本人の財産は、本人に使い切ってもらうのが1番ですが、相続を検討しているのなら、「だれに」「なにを」「どのくらい」相続させたいのか明確にします。
強い希望がある場合、遺言書の作成や家族信託の締結等が考えられますが、そうでなければ死後事務契約を結んでおく方法もあります。
7+8.葬儀とお墓
生前に葬儀やお墓について話し合うのは、社会的に避けるべきと考えられているようです。
しかし、本人の希望を聞いておかなければ、家族や関係者間で意見が対立し、手続が進まない可能性があります。
下記のポイントを抑え、できる限り具体的に希望を確認しましょう。
- 葬儀・供養方法に希望はあるか
- 参列者の希望
- 喪主の希望と本人への確認
- 宗派、檀家、葬儀社、戒名の希望
- 遺影に希望はあるか
- お墓の購入、維持費等の負担費用について
お墓が遠方で、親族による管理が難しい場合、改葬または墓じまいという選択肢もあります。
供養方法に希望がある場合、これに添った葬儀社をいっしょに検討するといいでしょう。
親が死ぬまでに考えておくべき相続手続10選 まとめ
当ページでは、親が亡くなるまでに考えておくべき相続手続10選をお送りしました。