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当ページでは、道路占用許可申請の流れと必要書類、道路使用許可との違いを解説します。
Contents
道路占用許可とは
道路占用許可とは、道路法に定められる下記の「道路」において占用行為を行う場合、道路管理者から取得すべき許可を指します(道路法 第32条)
- 高速自動車国道
- 一般国道
- 都道府県道
- 市町村道
占用とは
占用とは、道路に一定の工作物、物件、または施設を設け、道路の空間を独占的・継続的に使用することを指します。
道路占用許可と道路使用許可の違い
道路使用許可とは、道路交通法に定められる下記の道路を使用する場合、当該道路を管轄する警察署から取得すべき許可を指します
- 道路法第2条第1項に規定する道路
- 道路運送法第2条第8項に規定する自動車道
- 一般交通の用に供するその他の場所
端的に言えば、道路占用許可と道路使用許可の違いは、対象となる道路の範囲と根拠法令だといえます。
根拠法 | 道路 | 具体例等 | |
---|---|---|---|
道路占用許可 | 道路法 | 1. 高速自動車国道 2. 一般国道 3. 都道府県道 4. 市町村道 | |
道路使用許可 | 道路交通法 | 1. 道路法第2条第1項に規定する道路 2. 道路運送法第2条第8項に規定する自動車道 3. 一般交通の用に供するその他の場所 | 1. 一般交通の用に供する道で、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道 2. 専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道で①以外のもの 3. 1、2以外で不特定の人や車が自由に通行することができる場所 (不特定人の自由な通行が認められている私道、空地、広場、公開時間中の公園内の道路等) |
道路占用許可は、道路上に設置物を一次的に配置する場合、道路使用許可は、道路上で一定の作業を行う場合に取得が必要な点でも異なります。
道路上に工事用の足場を組む場合や、機械器具を設置する場合には道路占用許可が必要ですが、建設工事、工事車両の駐車等を行う場合には道路使用許可と併せて取得する必要があります。
道路占用許可が必要な場合
下記に該当する行為を行うには、道路占用許可が必要です。
- 建築工事に伴い、道路上に仮設足場を設置する場合
- 道路上に標識、電柱、広告塔等を設置する場合
- 道路上空に袖看板を設置する場合
- 水道、下水道管、ガス管等を設置する場合
道路使用許可が必要な場合
下記に該当する行為を行うには、道路使用許可が必要です。
- 道路において、工事もしくは作業をする場合
- 道路に石碑、広告板、アーチ等の工作物を設置する場合
- 場所を移動せず、道路に露店、屋台等を出す場合
- 道路において、祭礼行事・ロケーション等をする場合
道路を占用できる物件等
道路法上、道路を占用できる物件は下記の通りです(道路法 第32条第1項)
1号 | 電柱、電線、変圧塔、郵便ポスト、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物 |
例:交番、公衆便所、消火栓、くずかご、フラワーボックス、ベンチ、上屋、街灯など | |
2号 | 水管、下水道管、ガス管その他これらに類する物件 |
例:ケーブル管、石油管、熱供給管など | |
3号 | 鉄道、軌道その他これらに類する施設 |
例:モノレール、鉱石運搬のための索道 | |
4号 | 歩廊、雪よけその他これらに類する施設 |
例:日よけ、アーケードなど | |
5号 | 地下街、地下室、通路、浄化槽その他これらに類する施設 |
例:地下タンク貯蔵所、地下駐車場、防火用地下水槽など | |
6号 | 露店、商品置場その他これらに類する施設 |
例:屋台、靴磨き、売店、コインロッカー、材料置場など | |
7号 | 道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれのある工作物、物件又は施設で政令(道路法施行令第7条)で定めるもの(下記参照) |
① 看板、標識、旗ざお、パーキングメーター、幕、アーチ ② 太陽光発電設備、風力発電設備 ③ 津波避難施設 ④ 工事用板囲、足場、詰所など ⑤ 土石、竹木、瓦、工事用材料など ⑥ 耐火建築物を建築する期間中必要となる仮設建築物 ⑦ 都市再開発法に基づく施設のうち一時的に必要となる施設 ⑧ 食事施設、購買施設など ⑨ トンネルの上又は高架下に設ける店舗、倉庫、駐車場、広場など ⑩ 都市計画法に基づく高度地区内の道路の上空に設ける店舗、倉庫など ⑪ 応急仮設住宅など ⑫ 自転車、原付、二輪車を駐車させるために必要な車輪止め装置など ⑬ 高速自動車国道等に設ける休憩所、給油所及び自動車修理所 |
自家用看板は①、オープンカフェは⑧に該当します。
道路占用許可の基準
道路の占用許可について、「公共性の原則」「計画性の原則」「安全性の原則」を満たし、下記の全てを満たす必要があります。
- 物件が、道路法第32条第1項各号のいずれかに該当するものであること
- 道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないものであること
- 占用の期間、場所、物件の構造等について、政令で定める基準に適合するものであること
公共性の原則 | 特定人の営利目的のための公共性のない占用は原則として認めるべきではなく、公共性の高いものを優先させるべきである |
計画性の原則 | 将来の道路計画や都市計画その他道路周辺の土地利用計画と調整されたものでなければならない |
安全性の原則 | 施行令に規定されていない事項についても、道路の構造の保全及び安全かつ円滑な交通の確保の面から、交通の安全を阻害する占用は現に排除すべきである |
道路占用許可申請の流れ
道路占用許可申請は、下記の流れで行います。
- 道路占用内容(占用物、占用日程、占用面積等)確定
- 現場測量
- 書類、図面作成
- 役所での事前協議・仮受付
- 警察署へ道路使用許可申請
- 道路使用許可証の受取
- 役所にて道路占用許可の本申請
- 道路占用料の納付
- 道路占用許可証の受取
道路占有許可の申請先
道路占有許可申請は、下記に行います。
国道 | 国土交通省が設置する国道事務所 |
都道府県道 | 都道府県の土木事務所等 |
市区町村道 | 市区町村役所 |
道路占用許可申請に必要な書類
道路占用許可申請について、下記の書類が必要です。
- 道路占用許可申請書
- 位置図(縮尺1/25,000程度)
- 平面図(縮尺1/500~1/1,000程度)
- 横断図(管理の埋設深)
- 構造図(規格、材質等)
- 保安図(案内看板、交通誘導員の配置計画等)
- 道路使用許可申請書類一式(必要な場合)
占用に関し、上記以外の書類を求められる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
道路専用料の額(令和5年4月~)
道路専用料は、工作物ごとに定められているため、事前に確認しましょう。
下記は、道路法第32条第1項第1号の一部の例示です。
占用物件 | 単位 | 単位 | 専用料 |
---|---|---|---|
道路法第32条第1項第1号に掲げる工作物 | 第1種電柱 | 1本につき1年 | 第一級地 1,900 円 第二級地 800 円 第三級地 570 円 第四級地 480 円 第五級地 430 円 |
第2種電柱 | 第一級地 2,900 円 第二級地 1,200 円 第三級地 870 円 第四級地 730 円 第五級地 670 円 | ||
第3種電柱 | 第一級地 3,900 円 第二級地 1,700 円 第三級地 1,200 円 第四級地 990 円 第五級地 900 円 | ||
第1種電話柱 | 第一級地 1,700 円 第二級地 710 円 第三級地 510 円 第四級地 430 円 第五級地 390 円 | ||
第2種電話柱 | 第一級地 2,700 円 第二級地 1,100 円 第三級地 810 円 第四級地 680 円 第五級地 620 円 | ||
第3種電話柱 | 第一級地 3,700 円 第二級地 1,600 円 第三級地 1,100 円 第四級地 940 円 第五級地 850 円 | ||
その他の柱類 | 第一級地 170 円 第二級地 71 円 第三級地 51 円 第四級地 43 円 第五級地 39 円 | ||
共架電線その他上空に設ける線類 | 長さ1mにつき1年 | 第一級地17円 第二級地7円 第三級地5円 第四級地4円 第五級地4円 | |
地下に設ける電線その他の線類 | 第一級地10円 第二級地4円 第三級地3円 第四級地3円 第五級地2円 | ||
路上に設ける変圧器 | 1個につき1年 | 第一級地1600円 第二級地700円 第三級地490円 第四級地420円 第五級地380円 | |
地下に設ける変圧器 | 専用面積1㎡につき1年 | 第一級地1,000円 第二級地430円 第三級地300円 第四級地260円 第五級地230円 | |
変圧器その他これに類するもの及び公衆電話所 | 1個につき1年 | 第一級地3,4 00円 第二級地1,400円 第三級地1,000円 第四級地850円 第五級地780円 | |
郵便差出箱及び信書郵便差出箱 | 第一級地1,400円 第二級地600円 第三級地420円 第四級地360円 第五級地330円 |
各市町村により、固定資産税評価額等に差があり、一律に専用料を定めることができないため、固定資産税評価額等をもとに市町村を5つに区分し、金額が定められている点に注意が必要です。
道路占用許可に伴い、必要な届出等
道路工事を目的とした道路占用許可の場合、道路工事を行うために「工事着手届」「工事完了届(竣工届)」を求められる場合があります。
提出先は道路管理者となりますが、これらの書類を提出するには、道路占用許可を取得している必要があります。
区分 | 届出の内容 |
---|---|
工事着手届 | ・道路占用許可番号 ・工事の目的 ・施工場所 ・工事期間 ・施工業者名、代表者名、担当者名、連絡先 ・現場監督の名前、連絡先 |
工事完了届(竣工届) | ・足場設置前の道路写真 ・足場設置中の道路写真 ・足場解体後の道路写真 |
道路占用許可を取得する際の注意点
道路占用許可申請を行う場合、下記に注意しましょう。
1. 着工前に許可を取得する
道路工事を行う場合、着工前に道路管理者から許可を取得しましょう。
許可申請の内容に問題がなければ良いのですが、思いがけず、補正・追加書類等を求められることもあります。
2. 道路占用許可証を掲示する
道路占用許可を取得後、占用期間中は道路占用許可証を掲示しなければなりません。
道路占用許可申請の流れ、必要書類、使用許可との違いまとめ
当ページでは、道路占用許可申請の流れと必要書類、道路使用許可との違い、注意点を解説しました。