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当ページでは、終活のはじめ方、終活を行うメリットと注意点を解説する。
終活とは
終活とは、人生の最期を穏やかに迎えるために備えることを指す。
人生を振り返り、整理を行う様子は「決算」によく似ていると思う。
(1)終活の適齢
終活を行う年齢に決まりはないが、「50代~60代が行うもの」という印象を持つ人が多い。
恐らく、仕事や子育ての一段落と同時に、体力低下等の変化を感じ始めるときなのだろう。
自分の死亡時期を知ることは誰にもできないため、年齢問わず、とりあえず着手してみることをオススメしたい。
(2)終活の必要性
終活の要否は個々で判断することになるが、下記の理由から筆者は必要だと考えている。
- ケガ・病気は突然やってくる
- 自分の意思が他人への迷惑を防ぐ
- 終わりを意識することで今を活きる
- 家族とコミュニケーションがとれる
「まだ元気だから」「家族に任せる」「手間をかけるのが面倒」といった意見もあるが、決定権はあなた自身にある。
終活をするメリット
終活によるメリットのうち、本人が得られる実質的な利益について考える。
- 住環境の改善、日常生活の効率化
- 介護への備え
- 資産の把握と支出の適正化
- 価値観の再認識
1.住環境の改善、日常生活の効率化
終活を通じ、不要品を処分・整理することで住居スペースに物理的な余裕が生まれ、管理・処分等の手間カットに繋がる。
高齢になればなるほど体力が落ちるため、物理的負担の軽減は「生きやすさ」に通ずるかと思われます。
2.介護への備え
将来、自分が介護を受けることを想定して終活を進めることで、漠然とした不安・疑念に輪郭をつけることができ、精神面にかかる負荷を軽減することができる。
自宅のバリアフリー化、福祉施設の利用検討などを行うことで、余計な心配が減り、自宅で過ごす時間がより快適なものとなるだろう。
3.資産の把握と支出の適正化
終活の際、自分の資産を正しく把握し、生活費や医療・介護にかかる費用をはじめとする「生きるために必要な金額」を算出することで金銭面で見通しが立てやすくなる。
収支を見直すことで不要な契約等を解約することで、生活資金に余裕が生まれる可能性があります。
4.価値観の再認識
終活に係る判断基準は、自分の価値観である。
これまでの人生におけるやり残した事や、死ぬまでにやっておきたいことを明確化することで、日々の生活や人間関係の見直しに繋がり、より充実した日々を過ごせるようになるだろう。
終活を行う際の注意点
終活を行う際、下記に注意したい。
- 心理的に負担がかかる
- 時間・手間がかかる
- 家族と衝突する可能性がある
- 後戻りできない場合がある
1.心理的に負担がかかる
終活は、自分の最期を考えることであり、暗い気持ちになることがある。
これに釣られ、思い出したくなかった記憶が蘇る可能性があるため、無理をせず、少しずつ進めることをオススメする。
2.時間・手間がかかる
終活の範囲は、いまの自分が関わるもの全てであり、1つ1つを行うには膨大な時間と手間を要する。
はじめから難しく考えず、優先順位をつけ、できる限り簡略化して進めるといいだろう。
計画を立てるのが苦でなければ、長期・短期目標を作成し、スケジュールに落とし込む方法も有効です。
専門家に相談・依頼する方法も👌
3.家族と衝突する可能性がある
自分の最期について、家族に希望を伝えようとしても避けられたり、否定的な姿勢を示され、衝突することがある。
どうしてもわかってほしい場合は、一次的に当事者同士で話し合い、二次的には第三者を入れて話し合うことになるだろう。
そうでない場合、無理をして理解を得ようとする必要はなく、互いに過ごしやすい環境の整備に努めるといい。
終活や相続について、最終的な決定権をもつのはあなたであることは忘れないで欲しい。
4.後戻りできない場合がある
終活の過程で手放した財産について、後に事情が変わり、「手放すんじゃなかった」と感じる可能性がある。
こうした事態を回避するには、終活の初期段階から入念な計画を立て、予測されるリスクを考慮した対策を考えることになる。
計画を複数用意しておくと、予期せぬ出来事にも柔軟に対応できるかと思います。
終活でやること
終活では、下記を行う。
1.エンディングノートを作成
エンディングノートとは、人生の終末に向かい、自分の情報・希望を記録するものを指す。
(1)エンディングノートと遺言書の違い
両者の最も大きな違いは、法的な効果の有無である。
遺言書 | エンディングノート | |
---|---|---|
法的な効果 | あり | なし |
形式に関するルール | あり | なし |
記載する内容 | ・相続割合の指定 ・相続人に関する事項(廃除、遺言認知など) ・相続財産の処分方法 ・遺言の執行に係る内容など | 自由 |
かかる費用 | 0円~数万円 方法により異なる | 原則、0円 ※市販のエンディングノートを購入する場合に必要 |
開封時のルール | 家庭裁判所での検認が必要 ※一部形式を除く | 自由 |
このため、死後に特別な希望がある場合は、エンディングノートだけでなく遺言書を作成することをオススメする。
(2)介護・医療に関する意思
介護・医療に関し、下記を明記することをオススメする。
具体的な希望 | ・介護、治療に関する具体的な希望 ・病歴と薬歴、アレルギーに関する事項 ・利用したい介護サービスの種別 ・延命治療の有無、臓器提供、余命宣告 など |
かかりつけ医 | ・主治医や専門医の連絡先 |
終末期の過ごし方 | ・住環境 ・看取ってほしい人 など |
2.財産の整理
あなたが所有するものは全て「遺品」となり、具体的には下記の通り。
- 現金、預貯金
- 不動産
- 株式等の有価証券
- 自動車、バイクなど
- パソコン、スマホ、タブレット等の中身
- 契約しているサービス
- 自宅内にある物品すべて
- ローンなどの債務全般
生きている間に不要品は処分し、譲りたい相手、希望する処分方法などを書き出すと良いだろう。
(1)迷ったら保留
遺品整理を行う際、決めかねる場面もあるだろう。
この場合、無理に廃棄を選ぶと取り返しの付かない可能性もあるため、1度保留して整理を進める方が得策だろう。
終活を「処分」と捉えるとしんどくなるので、あくまでも「棚卸」「整理」の意識をもって行いましょう。
3.住環境の見直し
将来に向け、下記の検討をオススメする。
リフォームや引っ越し、住み替えの検討 | ・手すり、段差の解消など ・医療機関、介護機関、生活必需品を揃えやすい環境への引っ越し ・家族が行き来しやすい場所への引っ越しなど |
生活支援サービスの確認 | ・訪問介護、デイサービス等、希望する介護サービスと支援を受けられる体制を確認 |
4.葬儀、墓の準備
あなた自身の葬儀・墓について、下記を検討しよう。
(1)墓を選定する際の注意点
墓の選定時には、下記に注意したい。
承継者の有無 | 承継者がいる場合、管理費等を確認する 承継者がいない場合、永代供養や樹木葬、散骨、墓じまい等も視野に入れる |
かかる費用 | 墓石代、永代使用料、管理料など |
立地 | 管理する親族等が通いやすい場所かどうか |
墓石の種類 | 和式、様式、デザイン等が存在し、価格が異なる |
宗教 | 墓地の種類により宗派、宗旨を限定している場合がある |
終活の相談先
終活は、公的機関が実施する相談会や、各事業者が行うイベント・セミナー、弁護士・司法書士・行政書士等の士業者などに相談することができる。
終活全般 | ・住所地の市区町村役所 ・金融機関 ・弁護士、税理士、司法書士、行政書士などの士業者 ・民間事業者 |
医療・介護 | ・住所地の市区町村役所 ・地域包括支援センター ・医療ソーシャルワーカー |
財産管理 | ・金融機関 ・FP |
葬儀、墓 | ・葬儀社 ・寺院 ・霊園の管理者 |
終活のはじめ方、メリットと注意点まとめ
当ページでは、終活のはじめ方とメリット、注意点を解説した。