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令和2年(2020年)9月18日に公開された「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を視聴した感想を記述します。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンとは
ヴァイオレット・エヴァーガーデン(Violet Evergarden)とは、暁佳奈先生原作、イラストを高瀬亜貴子先生が担当するライトノベル。
自動手記人形と呼ばれる代筆屋がメインの作品で、第5回京都アニメーション大賞小説部門 唯一の大賞受賞作品でもある。
劇場版までのあらすじ
1. 戦前
戦争孤児のヴァイオレット・エヴァーガーデンは、軍人家系の貴族であるブーゲンビリア家の長男 ディートフリードに拾われる。
ディートフリードは、弟のギルベルトに「(戦争のために)武器として育てろ」と命じられ、文字の読み書き、戦闘術等を教えるが、共に過ごすうちに互いを異性として意識し始める。
ヴァイオレットの名付け親も、ギルベルトです。
4年間にわたる大陸戦争において、「武器」として戦地に立ったヴァイオレットは、「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」の異名をとるほど活躍するも、敵軍の攻撃によりギルベルトは瀕死の重傷、ヴァイオレットは両腕を失う。
両腕を失ってもなおギルベルトを守ろうとするヴァイオレットに対し、ギルベルトは「生きて事由になれ。心から愛してる」と告げ、逃げるよう命ずるも、この直後に意識を失った。
2. 戦後
ヴァイオレットが目を覚ましたのは病院で、入院期間中に終戦。ギルベルトは同院に搬送されておらず、生死不明。
退院が近づく頃、ギルベルトの依頼によりヴァイオレットの後見人を引受けたクラウディア・ポッジンズが訪ねるも、ポッジンズもギルベルトの安否は知らない。
退院後、ギルベルトの新世紀であるエヴァーガーデン家に引き取られたヴァイオレットは、「私は武器として育てられました」「戦争が終わって私に価値がなくなったのなら殺してほしい」と申出る。
そこで、ポッジンズが経営するC.H郵便社にて、ヴァイオレットに新たな仕事を与える。
そこで、ポッジンズの経営するC.H郵便社にて、ヴァイオレットに新たな仕事を与えたところ、彼女は自動手記人形の業務に興味を抱く。
彼女はドールとして働くべく、育成学校に通い、ドールとして本格的働き始める。
劇場版 あらすじ
1. お若いお客様
ヴァイオレットは有名ドールに成長し、ライデン市で開催される「海の感謝祭」で賛歌を記述する。
ある日、闘病中の少年ユリスからの依頼を受け、両親、弟への遺書を代筆することに。
ユリスは、親友のリュカへの遺書も頼むも、容態が思わしくなく、なかなか叶わない。
2. ギルベルトの生死
宛先不明で返送予定の郵便物を確認していたポッジンズは、ギルベルトの筆跡を見つける。
差出人の住所 エカルテ島を、ポッジンズ、ヴァイオレットの2人で訪れたところ、ギルベルトは島で子どもたちの先生をしている。
校門前にヴァイオレットを待たせ、ポッジンズひとりでギルベルトと対面したところ、ジルベールと名乗り、ヴァイオレットとの対面を拒絶。
ギルベルトに会いたい一心のヴァイオレットは、豪雨の中 彼にすがるも、やはり会えることはなく、ポッジンズと2人で島の灯台 兼 島の郵便局に泊まることに。
3.ユリス危篤
その夜、宿泊先にユリスの危篤を知らせる電報が届く。
「ユリスが天国に行った日に両親・弟に遺書を渡す」という約束を果たそうと、豪雨の中、ライデン市に戻ろうとするヴァイオレットの代わりに、アリス、ベネディクトが病院へ。
いまだ果たせていないリュカへの手紙を代筆しようと試みるも、ユリスには話す力も残っておらず、リュカと電話を繋ぐ。
電話越しにリュカに思いを伝え、「ずっと友達でいよう」と約束をしたユリスは息を引き取り、遺書を渡したアリス、ベネディクトは病院を去る。
4. 結末
翌日、ヴァイオレットはギルベルトへの手紙を島の子どもに託し、船へ。
同じ頃、ギルベルトの兄であるディートフリードが彼のもとを訪ね、ヴァイオレットが彼の代わりに毎月母の墓参りをしていること、ブーゲンビリア家は自分が継ぐことを告げ、「お前は自由に生きろ」と告げる。
この直後、ギルベルトにヴァイオレットからの手紙が届き、中身を読んだギルベルトは走り出す。
出航した船上で彼の声を聞いたヴァイオレットは、船から飛び降り、島の浅瀬で感動の再会を果たす。
5.エピローグ
ヴァイオレット、ギルベルトの再会から50年以上の月日が流れ、C.H郵便社は国営化され、博物館となった。
そこに展示されていたエカルテ島限定切手のモデルは、伝説のドールとなったヴァイオレット・エヴァーガーデンその人であり、人口の少ない島ながら、今でも郵便の発送数が国内最大であることが彼女の功績を物語っている。
筆者の感想
筆者が本作を知ったのは、映画公開の翌年。
友人から勧められたこと、その後、たまたま訪れた居酒屋で地上波放送をちらりと見たことがきっかけである。
事前の情報が「泣ける」のみだったこと、断片的に聞こえた台詞の「ドール」から、ヴァイオレットはアンドロイドであり、本来もつはずのない感情を抱くようなストーリーを想像していた筆者にとり、彼女が人間であるだけでも衝撃的だった。
代筆の対象に「遺書」が含まれる点、自分の経験と重なり背筋が伸びた。
代筆では、本人の発言を淡々と書面化すればいいというものではなく、その言葉の裏にある本心を察し、言語化する能力の重要性を再認識した。
恋愛をテーマにした話は苦手なので、改めて視聴することはなかろうと思うが、たまにはよかったと感じられた。
開始10分以内には泣き始め、終盤に至るまでにハンカチを濡らした翌朝、目がボインボインに腫れていたことをここに記す。大事な用事の前夜には視聴しないことを強くオススメする。