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最近、筆者が通い始めたばかりのコーヒー豆屋さんで「ゲイシャ」というコーヒー豆を購入しました。
コーヒー初心者なので、マスターのオススメを私好みに焙煎・挽いてもらうのですが、後から調べてびっくり。
ゲイシャというコーヒー豆は、希少価値の高い高級品種なのだそう。
当ページでは、ゲイシャのうち「ゲシャビレッジ農園」のゲイシャ種の歴史、特徴、実際に淹れてみた様子をご紹介します。
筆者プロフィール
ゲシャビレッジ農園ゲイシャ種とは
ゲイシャ種は、コーヒー豆の中でも高級品種とされるものの1つです。
「ゲイシャ」と聞くと、華やかな着物をまとった「芸者」を連想しますが、実際のところ、芸者さんどころか日本と関係のない品種です。
植物名が「ゲイシャ種(Geisha)」であること、東アフリカにあるエチオピア「ゲシャ地方」に自生していたことが由来のコーヒー豆ですが、ゲシャからゲイシャへ転じた理由として、現地に出入りした日本人の聞き間違いだったともいわれています。
ゲイシャ種が高級な理由
ゲイシャ種は、非常にデリケートで栽培が難しいコーヒー豆の1つです。
日本で流通するコーヒー豆のほとんどは、コーヒー豆の原種である「アラビカ種」。
ゲイシャ種もこのアラビカ種に属しますが、原種であるが故に、病気や害虫に弱く、霜、乾燥、高温多湿にも弱いかなり繊細な品種でもあります。
商業用に栽培される植物は、安定した生産を目指した品種改良がされるのが一般的なのですが、アラビカ種はこれを行っていないので、生まれたときと同じ環境でなければうまく育てないんですね。
ゲイシャ種の歴史
ゲイシャが注目され始めたのは、つい最近だったといいます。
ゲイシャ種 歴史
- 1931年 エチオピア ゲシャ地域で発見される
- 1963年 パナマでゲイシャ種栽培がはじまる
- 1970年-1980年 さび病が大流行し、ゲイシャ種が下火に
- 2004年 パナマで行われた品評会で過去最高の落札額を記録
世界が驚嘆したゲイシャ
ゲイシャが世界的に有名になったのは、2004年にパナマで行われた品評会「ベスト・オブ・パナマ」。
ここで1位に輝いたのがエスメラルダ農園のゲイシャ種で、最高価格21ドル/ポンド(※)で落札され、2007年まで連続1位を記録しました。
※1ポンド=約450g
その後は、「エスメラルダスペシャル」というエスメラルダ農園限定枠が設けられ、2021年には約2,568ドルと、当時の100倍まで値をのばしています…!
ゲシャビレッジ農園とは
2011年、映像クリエイターのレイチェル・サミュエルさんは、「世界で1番のコーヒーを産出すること」をビジョンに掲げ、エチオピア南西部にあるゲシャ村にて、500ヘクタールの農園開発をスタート。これがゲシャビレッジ農園のはじまりです。
遡ること4年前である2007年。
レイチェルさんは、エチオピアコーヒーのドキュメンタリー映像を作成するため、現地を度々訪れ、エチオピアコーヒーのサプライチェーンに従事する人達にインタビューを重ねます。
この中で、コーヒー農園をもつことに憧れを抱くようになり、当初の目的だったドキュメンタリー映像を取り終えた後、農園を開くため、本格的に情報収集をはじめました。
ゲシャ村との出会い
もともとゲシャ村を知っていたわけではなく、エチオピア中いろいろな場所へ足を運ぶ中で出会ったのがゲシャ村でした。
「首都アジスアベバ(アディス・アベバ)から2日かかる場所でコーヒーが栽培されており、環境的にも良い」との情報をもとにベンチ・マジを訪れたのがきっかけで、ほぼ一目惚れのようにここでの農園開発を決めました。
コーヒーで元気に
当時、首都アディス・アベバから農園までは来るまで丸2日かかりました。単に農園を訪問するのも大変ですが、農園開発に必要な建設資材を運搬することも困難を極めました。
しかし、レイチェルさんは諦めません。
まずは川に橋を架けることからはじめ、人手を確保し、1歩ずつ着実に困難を乗り越え、1年をかけ農園開設に至ります。
開設時に最も印象的だったことに「女性がよく働くこと」を挙げたレイチェルさん。
それまでのゲシャ村では、家庭内で男性がお金を持っていましたが、女性が率先して働くことで、彼女達がお金を管理できるようになりました。このお金で子ども達に教育の場を与え、病院で治療を受けることができるように。
コミュティ内では週に2回マーケトットが開かれるようになり、エリア全体での活動が活発になったことを感じているといいます。
コーヒーが女性の社会進出、現地振興に貢献したというわけですね。
農園経営で大変なのは○○管理
現在の農園管理で最も大変なことは、スタッフの管理だといいます。
中でも品質に対する認識を共有することは最大の課題であり、ここでも女性達が活躍し、コミュニティ全体の品質向上と緩やかな団結を促しています。
コーヒーは天候に左右されやすく、特にゲイシャ種は繊細なので、より管理を徹底する必要があります。
コーヒーだけでは天候の影響で収穫量に大きく差が出るため、他の作物で補うアグロフォレストリーという方法を取り入れているそうです。
これからもゲイシャ種を
ゼロどころか、ほぼマイナススタートだったゲシャビレッジ農園。
たぐいまれなる品質を誇る稀少品種ゲイシャ種の栽培は、並大抵の努力では続けられませんが、それでもなお、ゲイシャ種栽培を続ける理由。
それは、世界最高峰の品質を目指し、守り続けることで、エチオピアの素晴らしさを世界に広め、地域住民の生活住民の向上を目指すことに他なりません。
参考記事
ゲシャビレッジ農園ゲイシャ種 特徴
次の通りです。
ゲシャビレッジ農園ゲイシャ種の特徴
- 特徴…フローラルで甘酸っぱい風味
- 生産地…南西部ベンチ・マジ地域ゲシャ村
- 標高…1900-2100m
- 収穫期…12-1月
- 精製…ウォッシュド、ナチュラル、スペシャル
ゲシャビレッジ農園ゲイシャ種を淹れてみる
マスターオススメの浅煎り(ミディアムロースト)中挽きにていただきました。
まずは開封から。
緊張しつつ、キッチンばさみでいきます。
1杯分約10gです。
これまで見たオルキデア、レッドマウンテンより赤味が強いように感じますが、香り自体はコーヒーの種子を煎ったときの香ばしさを感じます。
びびりながらフィルターへ。
恐らく、筆者の人生で最も高級で稀少な品種であろう事にプレッシャーを感じつつ、蒸らしていきます。
焙煎後、12時間ほど経っているものの、市販の粉と比べるとよく膨らみます。(市販品と比べるのはナンセンスかもしれませんが…)
その後も順調に抽出を続け、
最後の1滴が落ちるよりもはやくフィルターを外し、
温めておいたカップへ注ぎます。
完成です。
クリスマスが終わり、桜のマグしたのですが、これが大正解。
飲んだ瞬間、「あれ…?紅茶入れたんだっけ…????」と錯覚を起こしたほど、明るく、華やかで、ライトです。
コーヒー特有の重厚感や苦みは全くなく、りんごのような爽やかな酸味を感じました。
もともとコーヒーの酸味に苦手があったのですが、筆者が苦手だった酸味はコーヒー豆の鮮度が落ちていたこと、淹れ方に問題があったのだとよくわかります。
正直なところ、筆者はもう少しコーヒー特有の重厚感が好きなので、朝の一杯には物足りなさを感じますが、午後のブレイクタイムなど気分転換に欲しい一杯です。
リンク
ゲシャビレッジ農園ゲイシャ種 まとめ
当ページでは、ゲシャビレッジ農園ゲイシャ種をご紹介しました。
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