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当ページでは、お墓参りのルールと必要なもの、注意点を解説する。
お墓参りのルール
結論から言うと、お墓参りに厳格なルールはない。
ただし、一般的な作法や地域ごとの習慣、宗教、家庭により細かな違いが見られる。
お墓参りをするメリット
お墓参りには、故人を偲び感謝の気持ちを伝えるほか、心身や生活に対し、下記のメリットが考えられる。
- 心の安定と癒やし
- 家族や先祖とのつながりを感じられる
- 感謝の心を育む
- 運気・環境を整えられる
- 故人との対話による自己成長
- 自然とふれあえる
1.心の安定と癒やし
お墓参りを通じて故人を偲ぶことや、感謝の念、近況報告を行うことで心が穏やかになる。
また、自然の中で手を合わせる行為には瞑想に似たものがあり、ストレス軽減やリフレッシュ効果も期待できる。
2.家族や先祖とのつながりを感じられる
家族と共にお墓参りをすることで、先祖や故人に対する思いの共有ができ、絆が深まることがある。
それだけでなく、先祖の存在を意識することで、自分がどのような歴史の中に存在するのかを振り返るきっかけともなる。
親族だけでなく、近隣の人々や親子間におけるコミュニケーションが深まるきっかけになることもありますね。
3.感謝の心を育む
お墓参りでは、日常生活において忘れがちな感謝の気持ちを実感することができる。
自らの人生を振り返り、そこにいる先祖や家族に感謝をすることで、日々の生活が前向きになるだろう。
4.運気・環境を整えられる
風水上、先祖供養やお墓参りは運気向上の1つとされることもある。
お墓の環境を整えることは、親族に良いエネルギーをもたらすのだろう。
また、整った場所に身を置くことで、自分の気持ちがすっきりするため、新たな目標や未来への希望が湧いて来ることもある。
5.故人との対話による自己成長
合掌は、故人に対し、自分の思いや悩みを打ち明ける感覚を得られ、自然と解決策が見つかることもある。
更に、故人への近況報告において、自らの努力や成果を振り返るきっかけとなることもあり、自己成長の機会としても有効である。
6.自然とふれあえる
墓地や霊園は自然に囲まれた立地であることも多いため、四季の移り変わりを感じられるだろう。
忙しい毎日から一次的に離れることで、自分の気持ちが落ち着くこともある。
お墓参りに必要なもの
お墓参りの際、下記が必要となる。
- 線香
- ろうそく
- お供え物
- 水を入れる容器と柄杓
- 雑巾・スポンジなど
1.線香
お墓参りにおける線香は、香りの強さや品質、宗派に合わせて選ぶといいだろう。
あまり強い香りのものは、周囲に香りが広がり過ぎることもあることから、なるべく控えめなものが無難である。もし香りのあるものを選ぶのなら、白檀や桜など穏やかな香りのものは一般的に好まれることも多く、オススメ。
品質について、伝統的な手作り品は燃焼時間が長く、香り自体も穏やかな傾向にある。
宗派についてだが、特定の線香を推奨する場合があるため、事前に確認するといいだろう。
2.ろうそく
ろうそくは、故人の霊を迎えるための灯火として重要なアイテムであるが、常に必要なわけではない。
ろうそくの高さ・形に特別の決まりはないものの、清潔感や神聖さを表すのにシンプルなものを好むことが多い。
長さと燃焼時間で選ぶのもアリですね。
3.お供え物
一般的に、お供え物は故人の好物を選ぶことが多いが、生花、お米、お茶といった長持ちする食材を選ぶこともある。
ただし、お供えの量は多すぎても少なすぎても不適切であり、シンプルに備えられる適量を意識するといい。
食料品の場合、新鮮なものを選び、しばらく備えておくのなら腐らないものが喜ばれる。
筆者の参る墓地では、お供え物をカラスが狙うことから、お墓参りの時のみ備え、すぐに持ち帰るのが原則です。墓地や霊園ごとの慣例に従うといいでしょう。
4.水を入れる容器と柄杓
お墓参りで水を使用・供養するには、容量、素材、注ぎ口の形状で選ぶと良いだろう。
選定項目 | 水を入れる容器 | 柄杓 |
---|---|---|
容量・長さ | 墓地が遠方の場合や水を多量に要する場合、5L~10Lのポリタンクをオススメするが、逆に、あまり水を必要としない場合や近所であれば、1L程度で十分だろう | 一般的に60cm程度のものが主流 長すぎると使いにくく、短すぎると水を注ぎにくい点に注意 |
素材 | 木製は伝統的で高級感があり、温かみを感じられることから重宝する プラスチック製は軽量で手入れが楽なため、持ち運び重視の場合にはオススメ ステンレス等の金属製は耐久性が高く、腐食しにくいため長持ちである | |
注ぎ口の形状 | 注ぎ口は広すぎず、狭すぎないものを選ぶと供水事にこぼれにくくオススメ 先端が細くなっていると使いやすい | 持ち手にゴムがついている等、滑りにくい材質のほうが使いやすい |
5.雑巾・スポンジなど
墓石を掃除するため、雑巾やスポンジがあると良い。
雑巾の場合、綿やタオル生地だと水分をしっかり吸収し、掃除に使いやすい。使い捨てタイプや紙おしぼりを使用することもあるが、繰り返し使える丈夫なものの方がエコである。
狭い部分にも届くよう、コンパクトで細めの形状が良いだろう。
スポンジについて、激落ち君のようなメラミンスポンジは汚れを落としやすく、力を入れずとも掃除ができるため便利だが、硬いものには傷がつきやすいため注意。
小さめを数個用意すると、汚れに合わせ使い分けられる。
お墓参りに適した服装
お墓参りの服装に規定はないが、下記に注意して選ぶと良いだろう。
- シンプルで落ち着いた色合い
- 清潔感のあるもの
- 動きやすいデザイン
- 気候に合ったもの
- その他
1.シンプルで落ち着いた色合い
一般的に、黒、紺、グレーなどのシンプルで落ち着いた色合いが好まれる。
派手な色やデザインを避け、故人への敬意を示すために控えめな服装を選ぶ場合が多い。
2.清潔感のあるもの
お墓参りにおける清潔感のある服装とは、シンプルで落ち着いた色合いのほか、シワ・汚れのないものを指す。
体型に合ったサイズのものを選び、靴や髪型、アクセサリーまで気を遣い、全体的に整った印象を演出することで故人への敬意をしっかりと表現できるだろう。
とはいえ、あまり気負い過ぎる必要もありませんので、過度な露出や極端にだらしがない格好でなければ、ご先祖様も許してくれるかと思います。
3.動きやすいデザイン
お墓参りでは、お墓の清掃や水を扱うこともあり、動きやすい服装が好ましい。
スカートやドレッシーな洋服より、動きやすいパンツや腕を捲りやすいシャツ等が適しているだろう。
4.気候に合ったもの
季節により、コーディネートを工夫することでお墓参りを快適に行うことができる。
時期 | 詳細 | |
---|---|---|
春・秋 | 上着 | 朝晩が冷える事もあるため、薄手のカーディガンやジャケットを持参すると安心 風が強い日や朝晩の気温差に対応できる服装が◎ |
ボトム | シンプルなパンツ、スカートがオススメ 動きやすさを重視すると◎ | |
足元 | 足元が汚れぬよう、動きやすく汚れにくいローファーやスニーカー、丈夫なサンダルが安心 | |
夏 | 全身 | 薄手で通気性の良い素材が良いが、過度な露出は避け、肌を隠すようにすると◎ 半袖シャツやポロシャツなど、カジュアル過ぎない格好がオススメ |
帽子 | 陽射しが強い場合、日よけに帽子を被ると良い 頭を守ることで、長時間の外作業も快適に行うことができる | |
足元 | 汚れに強いサンダルやスニーカーがオススメ 夏でも足元をしっかりカバーできるものが好まれる | |
冬 | 全身 | 重ね着で暖を取るほか、ダウンジャケットや厚手のコート、セーターなどの防寒対策を重視すると◎ |
インナー | 防寒インナーを着ると、寒さをしっかりと防ぐことができる | |
足元 | 雪や霜により足元が滑りやすいため、滑りにくい靴や防寒に特化した靴を選ぶと◎ 手袋、マフラーもあると安心 |
5.その他
お墓参りにおいて、派手なアクセサリーや装飾品は好まれないため、シンプルな腕時計や結婚指輪程度が無難である。
夏の場合、陽射しを避けるために日傘や帽子を持参すると良いが、カジュアル過ぎたり、派手なデザインは避けると良いだろう。
お墓参りの際、あまり大きなものだと邪魔になるため、ショルダーや3wayなど、手が自由に使えるものを選ぶと良いだろう。汚れ帽子にはビニールやナイロン素材で丈夫なものがオススメである。
お墓参りの手順
墓前では、下記を行うのが一般的だ。
スタート
│
▼
準備をする
(お線香・お花・水・掃除道具を用意する)
│
▼
墓地に到着
│
├─→ 墓地全体に軽く挨拶
│
▼
墓石を掃除
(落ち葉や汚れを取り、水で清める)
│
▼
お花を供える
(バランスよく飾る)
│
▼
お線香をあげる
(1本または数本、宗派に合わせる)
│
▼
お供え物を供える
(故人が好きだった果物やお菓子など)
│
▼
手を合わせる
(感謝や近況報告を祈る)
│
├─→ 家族で一緒に祈る場合は順番に
│
▼
終了後、墓石の前でお礼を伝える
│
▼
帰る前にゴミや道具を片付ける
│
▼
お墓参り終了
1.お墓周りの掃除
まずはお墓の周りを清掃し、墓石を整える。
1-1.雑草の除去
墓地に生えた雑草や枯れ葉を取り除く。
手袋を着用し、丁寧に手で取り除く方法のほか、小さなクワや道具を使用するのも良いだろう。
1-2.墓石の掃除
墓石の汚れや埃を柔らかい雑巾・スポンジを使って除去する。
水で湿らせてから拭き上げると汚れが落ちやすいが、硬いブラシや金属製の道具は墓石を傷付ける原因となるため、注意が必要である。
1-3.墓地の清掃
墓の周りや墓石の足元に落ちている落ち葉や土を掃除する。
掃除用のほうきとちりとりを使い、綺麗に整える。
2.お花の供え方
供花は、故人を偲び、敬意を表す行為である。
2-1.花の選定基準
一般的に、菊やカーネーション、百合を供えることが多いが、決まりはなく、故人が好きだった花や相応しい花を選ぶと喜ばれるだろう。
花びらに傷があるものや萎れているものは避け、花が開ききっていないものやつぼみ状態のものを選ぶと、花を長く楽しむことができる。
2-2.花の切り方
花を供える前に、茎を斜めにカットする。カットにより水の吸収率が上がり、花が長持ちする。
目安は、茎の下から1~2cm程度だが、花瓶の高さに合う程度にカットすると良いだろう。
水に浸かる部分の葉がある場合、腐りやすいため取り除く。
切り花を水に入れる前、しばらく水に浸けておくことで花がしっかりと水分を取り込むことができるため、長持ちする。
菊、カーネーション、百合、ガーベラ、バラなどは比較的長く楽しめる花として有名な一方、チューリップやポピーは萎れるのが早いことから、墓前には不向きだと考えられます。
2-3.花の供え方
花瓶をスポンジで洗い、水を入れたら、花をしっかりと立たせるようにして供える。
花立てがある場合はそこに立てるが、亡い場合、花が倒れぬようしっかりと立て、清潔感を保つ。
通常、花は1束または複数の束で供える。複数の花を供える場合、花同士が重ならぬように均等に配置する。
香炉の周囲、墓石の前に丁寧に並べ、花の向きは故人から見たときに1番美しくなるよう注意する。
3.水を供える
仏教的な視点において、供え水を通じ、故人の口渇を癒やす意味を持つと考えられている。
水は、清浄さや生命力の象徴とされ、供え水を行うことで、故人の魂が安らかに過ごせるよう祈る。
水は必ず新鮮なものを使用し、清潔な容器を選ぶ。墓地にある水筒や水差しを使用する場合もあるが、必ず容器が清潔であることと、汚れがないことを確認してから供えることをオススメする。
供える場所は、香炉の近くや墓石の前で、並々注ぐ必要はない。
4.線香を立てる
墓前に線香を立てる行為には意味があり、作法も重要である。
4-1.線香を立てる意味
仏教では、線香を使い仏像や墓前を清める儀式が広く行われる。これは、線香の香りが「清浄」「仏の教え」と結びついており、祈りの場をより神聖にするための役割を果たす意味を持っている。
また、生者が線香を立てることで故人の霊を招き、その存在を感じることで、生者自身の心を静めて祈りを捧げる時間を持つことができる。
線香の煙は、故人の魂が天に昇る道標となり、浄化の象徴だとも考えられている。
4-2.線香を立てる際の作法
線香を立てる手順は、下記の通り。
スタート
│
▼
1. 線香を準備
│
▼
2. 線香の先端を火でつける
│
▼
3. 火を消さないように線香を持つ
│
▼
4. 香炉に線香を立てる
│
▼
5. 供養の祈りを捧げる
│
▼
6. 火が消えた後、煙が上に立つように調整
│
▼
終了
5.手を合わせる
お墓参りの最後に、手を合わせて敬意を示し、故人に祈りを捧げる。
お墓参りにおける祈りは、故人の冥福を祈ることが中心で、合わせて数秒間、静かに黙祷するのが一般的。
6.供物を供える
食料品を供える場合、下記に注意する。
6-1.供物の種類
お供えする食べ物として、一般的には、故人が生前好んだものや季節のものを選ぶ。
代表的なものは、団子、果物、お菓子、白いご飯やおにぎりが挙げられる。
6-2.供物の配置
食べ物は、お供え用専用の皿や盆に置き、いずれも清潔で食べ物が新鮮であることを確認する。
おにぎりや団子は、1個ずつを整然と並べ、果物の場合は、皮を剥いて綺麗に着るか、そのまま盛り付けて供える方法がある。
6-3.酒やお茶
酒は少量を供え、お茶は杯に供える。
7.後片付け
お墓参りの最後に、供えたものや使用した道具を片づける。
供物を後から取り除く場合、腐らないうちに片づける必要がある。
供え物が残っている場合、墓地内の他の参拝者の迷惑にならぬよう丁寧に処理すること。
ゴミはその場に残さないのが鉄則である。
お墓参りの際に注意すべきこと
お墓参りの際は、下記に注意したい。
1.お墓における礼儀
お墓に着いたら、まず故人に向かい「お参りに来ました」と挨拶をする。手を合わせることは故人への敬意を表す。
墓石や周囲の状況を確認し、清掃が必要な場合は掃除を行い、ゴミは持ち帰るよう心がけること。
墓地や霊園により、ゴミ箱や掃除用具を設置しているところもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
2.他の人への配慮
お墓参りの際、他の参拝者がいることも考えられるため、他人に迷惑をかけぬよう大声での会話は避ける。
自分の墓地でない場合でも、周囲の清掃をし、綺麗に保つことを心がけることで先祖も喜ぶだろう。
ただし、他人の墓地にまで入る必要はなく、あくまで自分の家のお墓周囲や通路までで構いません。
3.その他
お墓参りは、天候により体調に影響が出ることもある。
特に、極端に暑い夏や寒い冬においては、体調管理に気を遣い、無理のない範囲で行うと良い。
また、お墓参りに必要な道具は事前に確認し、忘れ物がないよう準備をしておくと安心である。
お墓参りセット等、一式揃っているものも販売されていますが、必要なものは事情に応じて異なりますので、確認は必要かと思います。
お墓参りのルールと必要なもの、注意点まとめ
当ページでは、お墓参りのルールと必要なもの、注意点を解説した。