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閉じられたシャッター。屋根のついた電話ボックス。錆びついたガスメーターや朽ちた標識。人の姿はなくても、「いた」気配は濃厚に残っている。
通り過ぎる風が、乾いた空気に何かの名残をかすかに運ぶ。それは、日常の終わりか、始まりか。答えは風の中。
たぶんここには、つい最近まで「営み」があった。
ラーメン屋の空き店舗。気配の抜けきらない扉。なぜか綺麗に咲いているツツジ。時の流れが急に止まったような場所で、シャッター越しの記憶と出会う。
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裏口の気配
この家の裏に回ると、何か秘密が隠れていそうな気がして、つい足が止まる。物語の入り口のような一角。

終業のまま
手書きの看板文字がじんわり沁みる。こういう店が閉まっていると、なぜか少し切なくなる。

声なき通話
屋根がついてるってだけで、この電話ボックスがちょっと特別に思える。誰かのために、まだここにある。

配管の記憶
ただの配管なのに、妙に生き物っぽく見えてくる。動かないのに、生々しい。

暖簾の前の静けさ
準備中の静けさには、なんとも言えない美しさがある。始まりの空気が好きだ。

赤錆の証明
この錆び方、まるで時を飲み込んだよう。誰にも注目されないけど、ずっとそこにいたんだろうな。

山を背にして
人工物と自然の境界線。線の向こうとこちらで、時間の流れが違って見える。

指示を忘れた標識
役目を終えた標識って、なんだか哀愁がある。誰にも従われなくなった指示が、森に溶け込んでいく。

おわりに
人の姿が消えても、気配はどこかに残っている。風化した金属、歪んだ文字、妙に整ったままの配置——こういう「なんでもないもの」ほど、何かを語っている気がして、私はつい立ち止まってしまう。
今回の写真は、PIXTAにも一部掲載しています。ご興味のある方は、下記リンクからぜひご覧ください。